横浜から柏の道場へ…… プロ棋士・高見泰地六段が石田門下へ入門した経緯を語る
今期からタイトル戦へと昇格した叡王戦。4月14日(土)から開幕する決勝七番勝負の対戦カードは「金井恒太六段 vs 高見泰地六段」と決まり、どちらが勝利しても初タイトル獲得ということもあり注目を集めています。
3月20日(火)のニコニコ生放送「第43期棋王戦 五番勝負 第4局」には高見泰地六段が解説として、安食総子女流初段が聞き手として登場。
視聴者からのお便りをきっかけに、高見六段が石田門下へ入門した経緯や、叡王戦準決勝で持参した「“祈活躍”と揮毫された扇子」に関するエピソードなどについて語りました。
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お城で対局するのが一つの夢
安食:
岐阜県の女性の方からいただきました。「叡王戦準決勝(丸山九段戦)の開始前に師匠の石田和雄九段が「祈活躍」と揮毫された扇子を見つめる高見先生の姿を拝見しました」
「叡王戦決勝七番勝負の進出を決めた後、師匠とは何かお話になられましたか? 高見先生が石田門下に入門することになった経緯などもお答えいただければ幸いです」
(画像は第3期叡王戦 本戦 準決勝 丸山忠久九段 vs 高見泰地五段より)
高見:
よく見てくださっていますね。岐阜県は一昨年くらいに家族旅行で行き、岐阜城に行きました。
安食:
お城がお好きなんですか?
高見:
大好きですね。数年前にはお城で対局するのが一つの夢って言っていたんです。
安食:
(叡王戦で)叶うんですね。
(画像はニコニコ動画『第3期 叡王戦「決勝七番勝負、今春開幕!」』より)
高見:
ドワンゴさんには言ってなかったはずなんですけど(笑)。新たな夢をもう一回探しに行かないと。
「直筆扇子が欲しい」とわがままを……
高見:
師匠の石田九段に「直筆扇子を下さい」と言って白扇を渡したら、「高見君、祈活躍 石田和雄」と。師匠の扇子をまともに持っていなかったんですよ。だから直筆で欲しいとわがまま言って……。
ただ、扇子を書いてもらったからにはいい場所で使おうと思って、ずっと大事に保管してたんですね。叡王戦決勝七番勝負に出たら絶対使おうと思っていたのですか、その前に強敵が続いて、あと一勝となったときに藁にもすがるじゃないけど、師匠にもすがる思いで(笑)。
(画像は叡王戦 公式サイトより)
安食:
そんなお気持ちだったんですか。
高見:
そんなに深い意味合いで扇子を持って行ったつもりもないんですけど、いざ和服で対局となったときにこの師匠の扇子を見たら、気持ちが落ち着いてきてそのおかげで勝てたのかもしれないなと思って。
安食:
そういう特別な扇子を持って対局すると安心しますよね。
(画像は第3期叡王戦 本戦 準決勝 丸山忠久九段 vs 高見泰地五段より)
きっかけは勝又六段
安食:
どうして石田門下に入ることになったんですか?
高見:
うちの師匠は千葉県の柏で、僕が住んでいるのは横浜市で東京都の町田の近くなので(師匠の家とは)全然遠いんですが、町田で大人も参加する将棋の大会があって小学生のときに出ていたら、兄弟子にあたる石田門下の勝又先生が地元ということでいつも見てまわっていて、そのときに小学生の自分を見て結構気にかけてくれてたんですよね。
(勝又先生に)将棋を教えてもらったり、アドバイスしてくれてたんですけど、その縁で「プロになりたい」と言ったら「うちの石田門下で一緒に」ということで拾っていただきまして、それで柏の道場に行くようになりました。
同門では佐々木六段だったり、三枚堂六段も一緒にやっていて、そういう良い環境に入れてもらえたから、もしそこで「お前は見込めないからやめとけ」って言われたら本当にをやめていたかもしれないので、入れてもらえてありがとうございましたという感じですね。
石田一門初のタイトル戦出場!
— 勝又清和 (@katsumata) January 29, 2018
豊島将之八段、渡辺明棋王、丸山忠久九段を破るとはすご。
これでゆーき、さんちゃん、たかみと全員六段か。 pic.twitter.com/4rssi5DGMB
※左から、三枚堂達也六段、佐々木勇気六段、石田和雄九段、高見六段(勝又六段のTwitterより)
金井恒太六段と高見泰地六段が登場する「第3期叡王戦 決勝七番勝負」は4月14日(土)から開始。その様子はニコニコ生放送にて全対局、生中継されます。詳細は叡王戦公式サイトをご覧ください。