修学旅行より将棋の大会を優先――永瀬拓矢七段の小学生時代のエピソードを佐々木勇気六段が語る
3月30日(金)のニコニコ生放送「第43期棋王戦 五番勝負 第5局」にて、解説として佐々木勇気六段が、聞き手として和田あき女流初段が登場。
永瀬拓矢七段と小学生の頃から付き合いがある佐々木六段に対して、視聴者から「奨励会時代入会前などのエピソードがあれば聞きたいです」というお便りが届きました。佐々木六段は「私も永瀬さんは(子どものときから)あまり変わっていないと思うんです」と前置きをして、永瀬七段の小学生時代のエピソードを語りました。
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修学旅行より将棋の大会を優先
和田:
東京都の女性からいただきました。「佐々木先生は永瀬先生とは奨励会入会前からの付き合いだと思いますが、お二人はどんな子供でしたか? 奨励会時代入会前などのエピソードがあれば聞きたいです」というメールです。
佐々木:
これは永瀬さんのファンの方でしょうね(笑)。子供のときから永瀬さんも私も大きくは変わっていないと思います。永瀬さんは私のことをよく「全然変わってない」っていうふうに言っていると思うんですけど、私も永瀬さんは(子どものときから)あまり変わっていないと思うんです。
ここで11年前の写真など。 pic.twitter.com/y76aZO1XTn
— 勝又清和 (@katsumata) March 20, 2015
※小学生時代の佐々木六段と永瀬七段(勝又六段のTwitterより)
和田:
何か永瀬先生とのエピソードはありますか?
佐々木:
いろんなことがありすぎて(笑)。当時から将棋に真面目と言いますか。小学生のとき、将棋の大きな大会があったんですけど、永瀬さんは修学旅行とぶつかったんです。私だったら間違いなく修学旅行に行ったと思うんですけど、永瀬さんは大会の方に来られて。
和田:
そうだったんですか。
(画像は【第2期電王戦】佐藤天彦 叡王 vs 電王PONANZAより)
佐々木:
それを後で聞いたときに「すごいな」って思った記憶もあります。
和田:
将棋を優先されていたんですね。
健康診断にも詰パラを持参
佐々木:
永瀬さんとは、一時期、月に10日ぐらいVS(一対一で行う練習将棋)をやっていた時があるんですよ。先輩棋士から「1ヶ月って30日ですよね?」みたいな感じでちょっと茶々を入れられたことがあるんですけど(笑)。土日→土日みたいに会うわけですよ。
和田:
最近は?
佐々木:
最近はやっていないです。
佐々木:
永瀬さんは対局モードになると一切、人との関わりを絶ちますよね。移動とかもそういうときも一切話しませんし、今回の棋王戦とかも新幹線で耳栓をして、詰パラ【※】を解いているっていうのは有名な話ですし。
永瀬さんも連盟でやる健康診断には来てましたからね。彼も一応体調には気を遣うんだなって。でも健康診断にも詰パラを持参してましたけど。注射を打たれながらも……。
※詰パラ
詰将棋専門の月刊誌『詰将棋パラダイス』の略称。スマートフォン用のアプリもリリースされている。
和田:
注射打たれながら詰パラですか(笑)?
佐々木:
並んでいるときとか、誰とも話さないで。
和田:
詰パラとにらめっこしながら……。タイトル戦(第43期棋王戦)の期間中ですよね?
佐々木:
そうですね。
左から、渡辺明棋王、永瀬拓矢七段