“次にくるマンガ大賞”1位の作品は本当に次にくるのか? 売上、重版、アニメ化など裏付けデータを元に検証してみた結果
2018年8月23日に発表された“次にくるマンガ大賞2018”。今年は、『先輩がうざい後輩の話』(webマンガ部門)、『来世は他人がいい』(コミックス部門)の2作品が1位を獲得しました。
今後ブレイクしそうなマンガをユーザー投票によって占う“次にくるマンガ大賞”ですが、本当に次にくるのか? きていたのか?というところは、誰しもが気になるところではないでしょうか。
そんなユーザー心理に応えて、今回の発表会では2017年度における1位作品の売上データを公開し、“次にくるマンガ大賞”で1位を獲得した作品は本当にきていたのか? というのを明らかにするコーナーが催されました。
対象となったのは、去年の1位『うらみちお兄さん』と『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の2作品。売上データで見たとき、この2作品は本当にきていたのでしょうか?
『うらみちお兄さん』の売上データ
まずご紹介するのは、2017年度のwebマンガ部門で1位を獲得した『うらみちお兄さん』の累計売上推移。
書店に並んだ単行本1巻の83%が、わずか2週間で売れてしまったという爆発的な初速がデータから見て取れます。
また、受賞が単行本の発売前だったため、書店から第1巻の注文が殺到。発売日を待たずして重版がかかるという事態にまで発展しました。
ゲストを務めた、TSUTAYA書店員の“仕掛け番長”こと栗俣力也さんは「書店の期待度が最初の刷り部数を越え、その期待通りにしっかり売れましたね」とコメントしていました。
『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の売上データ
続いて、2017年度コミックス部門で1位に選ばれた『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の日別売上推移を公開。
受賞後2週間の売上が、受賞前2週間の売上の143%に相当するという劇的な売上アップを記録しています。本作は、受賞前の時点ですでに単行本が6巻まで発売済み。受賞を機に、複数冊ないし全巻イッキ買いしたという方も多かったのかもしれません。
栗俣さんも「賞をきっかけに、どこのお店も『これはプッシュしなきゃでしょ!』という雰囲気でガッツリ平積みでした」と、当時を振り返っていました。
本屋で迷ったら歴代受賞作をチェックしよう!
2017年度に1位を獲得した2作品の売上データを見てきましたが、いかがだったでしょうか? 実際のデータから分析してみると、受賞が売上実績に結びついていることは間違いない様子。
さらに、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』は2018年6月に待望のアニメ化することも発表。
歴代受賞作品を振り返ってみても、過去に1位~3位を受賞してからアニメ化が実現した作品は、じつに9本に及び、本賞が作品の認知度や期待感を着実に底上げしていることがわかります。
結果:“次にくるマンガ大賞”受賞作品はきていた
最後になりますが、放送中に栗俣さんが語った「数多くあるマンガの中で、どれを読めばいいのか探している人にとってすごくいいアンサーが出たのではないでしょうか。その結果こそ、これ(売上が伸びている事実)なんじゃないかなと思っています」という言葉は、“次にくるマンガ大賞”を象徴しているようでとても印象的でした。
皆さんも、次に読むマンガに困ったら、ぜひ今回の投票結果を参考にしてみてください。
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