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「同人誌って儲かるんですか?」→「納得いくまでやれば黒字も赤字も関係ないです」COMIC ZIN・同人統括責任者の心意気が熱い

同人誌制作で気をつけたほうがいいこと

ピクピクン☆:
 最後のコーナーにいきたいと思います。これまで同人誌についていろいろと見て、語ってきたわけでございますが、そろそろ同人誌を作ってみたいっていうふうな気持ちになってきた人もいるんじゃないでしょうか。

 ということで、最後のコーナーはそんな同人誌を今からやってみようかなっていう興味を持った人たちに向けて、同人誌作りをより楽しむためのアドバイスをしていければと思います。

 タイチョーさん、どうですか、去年本を出してみた経験は。これから同人誌を作りたいって思ってる人と、横にいるサトウキビさんもそうですけども、これからっていう人に向けて伝えたいことはありますか。

タイチョー:
 やっぱり自分の作りたいものを自由に表現する場として同人誌はもってこいだと思いますし、自分たちのメンバーと一緒に制作したんですけども、やっぱりみんなして共通で言ったのは、実物のこの本が来た時、実感がすごいよかった。

ピクピクン☆:
 感動するよね!

タイチョー:
 この感動を味わえたんだったら、この苦労は全然やってよかったなと。そこのところのやつをぜひ、味わってほしいですね。

ピクピクン☆:
 でも同人誌が出しやすい時代になってきましたよね。

タイチョー:
 去年初めて作ったんですが、素人の僕らとかでも全然やりやすく本を出せるくらいには、システムとかそういうところも、だいぶ簡単になってきてるんじゃないですかね。

サトウキビ:
 これはデジタルですか。

タイチョー:
 絵とかの一部は、紙に描いたやつをスキャンしてやったやつもあるんですが、ただ基本的なものは、ほぼほぼデジタルで描いています。

ピクピクン☆:
 うちのおじいちゃんが絵描きになりたかったのよ。でも専業農家だったから。田んぼの作業に隠れて、怒られながらタンスとかに頭を突っ込んで隠れて絵を描いてたんだって。

 昔はそういう時代で、流行った映画もあるでしょう。戦時中の絵を描く女の人の。ああいう時代の人たちは、決してこういう製本までいけなかったのに、今はできちゃいますからね。

金田:
 用意されているパックで簡単にできますからね。

ピクピクン☆:
 ちなみに気をつけるべき点とかって、同人誌を作る上であったりしますか。

金田:
 作るだけならとにかく簡単なので、自分で聞いてみるといいですね。「作りたいものを作ればいいじゃないか」って先ほどから仰っているじゃないですか。全くその通りなんですけど、じゃあ自分は本当のところ、何が作りたいんだろうっていうこともあるわけですよ。

 たとえば、売れるものを作りたいっていうふうに思ったとするじゃないですか。じゃあどういうものだったら売れると思うんですかってよく聞き返すんですけど、意外と答えられないものなんですよね。

 売れるものって何ですか? って。たとえば可愛い女の子を描けば売れるんだっていうふうに答えが返ってきたら、じゃなんで可愛い女の子を描くと売れると思うんですか? ってさらに聞くわけですよ。

 どんどん聞いていくと、結局本当のところ描きたいことって何なのかなっていうところに、そのうちたどり着いちゃったりするんで、意外と描くことっていうか、技術的な話とかの印刷の問題とかっていうのはどうにでもなると思うんで、何を描きたいのかなっていうのを、突きつめてみることが大事かなっていうような気がしますね。

 それが納得いくところまでやっていれば、黒字も赤字も意外と関係ないっていうか。何を描くかっていうのは大事かなと。

ピクピクン☆:
 すごいわかるな。いろいろアドバイスをいただきたいっていう方もいるのですが、デビューする方法論とか、ちょっとしゃべったことがあるのですが、どういう作品を出版社に持っていったらいいと思いますか。

 16ページあるうちに、出会いのシーン、馴れ初め、前戯、本番、イクーの見開き、ちょっとオチを作って終わり。これがスタンダードなデビューの際に持ち込まれるエロ漫画の形態です。少年誌とかでもそうだよね、戦いがあって、みたいな。

 でもそうじゃない。実は8ページくらいのエロ漫画を描くんです。たとえば君がおっぱいフェチだったら、ストーリーなんていらない。もう二人の会話もいらない。ひたすらおっぱいだけを揉んでる8ページを出版社に持って行くの。

 「僕が書いた漫画です」「おっぱいだけ描いているんですけども」って。もちろんデビュー後ではないです。こういうふうに描きたいんですっていう、自分の熱量があるものを出したほうが、デビューさせてくれます。

 たとえば戦闘シーンだけを描いて「週刊少年ジャンプ」に持って行くとかね。ちなみに僕から気をつけてほしいのは、やっぱり描いちゃいけないものもあるんですね。自由に描いていい同人誌と言えども。

 たとえば黒い耳が2つある……。アヒル? 青い服を着たアヒルのホモ本とか描いちゃいけないし。

タイチョー:
 ハチミツが好きなクマとか。

ピクピクン☆:
 そう。あとはそうだな……。やっぱり国民の象徴は描いちゃいけない。俺が同人のルールなら大丈夫かなと思って一回やろうとしたのは、いわゆる正恩本。電話機が頭の上に乗ってるやつ。

 「テポドンが入ってくるー!」っていうのを作ろうかなって言ったら、俺のメールに捨てアカウントみたいなメールアドレスから「お前のベッドサイドにコインを置くぞ」って来たんです(笑)。

 怖いって思って(笑)。だからそれは気をつけたほうがいいよ。自由とは言え、やっちゃいけないことはある。あと、人を傷つけたりしちゃいけないし。そういうのに気をつけてください。

ショップ受けする同人誌の条件

ピクピクン☆:
 金田さん、新しく同人誌を作りたいと思っている戦士たちに対してどうですか。

金田:
 とにかく誰も止めてないし、誰も描けって言ってるわけじゃないので、やりたくなったらやってくださいっていう。作ることが目的になっちゃうのはもったいないかなっていう気がするので、やりたくなった時に、頑張ってみようっていうことかなと思うんですけどね。

ピクピクン☆:
 同人専門ショップを経営されてる方に、僕なんかもすごく聞きたいのは、ショップ受けする本ってどんなものですか。

 他人の気を使って描くわけではないというのは、もちろん重々承知なのですが。

金田:
 誰もやっていないことを描くということと、表紙に女の子を描くこと。あとはデザインがオシャレであること。これでぶっちゃけ一回ぐらいだったら売れる本で作れるかなって正直思います。

 ただ、その人が2回目以降作れるかっていうのは別の話で、結局面白くないものは2回以上は売れないんですよね。だから一発だけならできるけど、本当に面白いものっていうのは、描きたいものを描くことなんですよね。

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