女子高生がアナログゲームで遊ぶ『放課後さいころ倶楽部』作者 中道裕大の仕事場は超デジタル仕様だった件「紙は使わないので、パソコンだけ」
顔を描くときはレイヤーを変えます
中道：
次は顔を描くのですが、レイヤー【※】を変えます。
※レイヤー
グラフィック・ソフトで画像を描画する面のこと。作品のパーツをレイヤーに分けて描画することで、レイヤーごとに編集したり、複雑な作品を効率よく仕上げられる。
まれに、あとでちょっと目が右すぎたみたいなことが起きるんですよね。それを修正するためにレイヤーを分けておくんです。
ピクピクン：
コメントにもありましたけれど、手ぶれ補正なしでこの線画【※】は美しいよね。
※線画
線だけで描かれた絵のこと。
普通はこの線画は出ないですし、よっぽど手先が器用なんですね。
中道：
いやいやそんなことはないですよ。ピクピクン先生のほうが器用だと思いますよ。めちゃめちゃ綺麗ですもん。
原稿が出来上がるまでを解説
ピクピクン：
きょうは中道先生が描いてらっしゃる原稿をお持ちいただいているということで、解説をしていただけたらと思います。
中道：
これがいわゆるネームというものです。編集部に見せる為のキャラクターがこういう感じでしゃべっています、というもので、このときからすでに文字を打ち込んでいます。そして次が線を整理した感じですね。
ピクピクン：
下書きは結構ちゃんと描くんですね。
中道：
ここまで描かないとちゃんとできないんです。
ピクピクン：
これ、ペン入れですよね。
中道：
いや、ここまで一発でできないんですよ。これを一回挟まないと怖いんです（笑）。それにペンを入れたのがこの状態です。
ピクピクン：
急に綺麗になった！
中道：
最後、これにベタとかを貼るとこうなります。
ピクピクン：
すごく作業が丁寧なんですね。
月20日弱で作業、残りの10日で取材やストーリーを考える
ピクピクン：
ページの下書きの速度というのは1ページでどのくらいかかるのですか。
中道：
1日に7枚前後しかできなかったんです。
ピクピクン：
7枚は早いですよ。早いと思います。ペン入れはどうですか。
中道：
ペン入れも同じくらいですね。これが計算すると月に36ページ描くのですが、作業だけで20日弱はかかっちゃうんです。あとの10日で話を考えたり取材をしたりします。
ピクピクン：
7枚は多いよ！ 俺は1日3枚ペン入れして「きょうは働いた！」ってなりますもん（笑）。
中道：
あのクオリティはそうなりますよ（笑）。
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