顔芸で突きつけられる美少女キャラの理想と現実 『あそびあそばせ』や『ちおちゃんの通学路』など2018年夏は顔芸アニメが大豊作?
儚げな表情の美少女がたわむれるオープニングが流れる『あそびあそばせ』。
さながらほのぼの日常系萌えアニメや百合アニメのように見えますが、アニメ本編を見てみると……。
オープニング
アニメ本編
随所にねじ込まれた顔芸シーンとシュールなギャグのせいで、視聴者からは“女版稲中(『行け!稲中卓球部』)”、“汚いきんモザ(『きんいろモザイク』)”などと言われる有様。
“萌え”を体現している彼女たちが見せる美少女にあるまじき顔芸(変顔)は、そのギャップもあいまって視聴者に大きな衝撃を与えています。
本記事では、そんな美少女キャラの顔芸シーンを披露しているアニメをピックアップ。せっかくなので最近の作品に絞って、その理想と現実の格差を突きつけながら紹介していきます。
『ちおちゃんの通学路』
学園アニメかと思いきや、お話のほぼすべてが通学路中のできごとで完結するという異色のアニメ『ちおちゃんの通学路』。
ニコニコ動画のランキングでは、同時期に放送開始した『あそびあそばせ』と熾烈なギャグアニメ覇権争いをくり広げています。
理想
主人公のちおちゃんこと三谷裳ちお(画像左)は、パッと見た限りでは地味カワイイ系の女子高生キャラ。
いつも、親友の野々村真奈菜(画像右)といっしょに何気ない会話を交わしながら登下校しています。
現実
しかし困ったことに、彼女はかなりのお調子者。とある人助けの謝礼として、がめつく100円をせしめてからこの表情である。
また、基本的にゲームから得た知識に影響されやすいせいで、通学路でのトラブルに対し突拍子もない手段で解決を図ろうとする傾向も。
彼女のおかげで「いや、そうはならんやろ!」と、ツッコミを入れたくなるようなシーンには事欠きません。
『はねバド!』
こちらも2018年夏アニメとして放送中、高校女子バドミントンを題材にした『はねバド!』。
魅力的なスポーツ女子が多数登場する一方、驚異的な作画でスピード感溢れる試合展開を表現しつつ、真剣勝負の世界をシリアスに描いている作品です。
理想
主人公の羽咲綾乃は、天才的なセンスを持っていながら、ある理由でバドミントンに対し暗い思いを抱く高校1年生。
アニメの序盤では、気の抜けた天然系っぽい表情を見せることも多かったのですが……。
現実
綾乃は、徐々に持ち前の闘争本能と、情け容赦のないプレイスタイルをあらわにしていきます。
第7話では、ライバル選手にストレートで勝利した後、ハンカチをひらひらさせながら「使う?」とひと言。
試合前にライバル選手から受けた挑発への意趣返しではあったにしろ、これこそ視聴者から「暗黒面に堕ちている」と称される所以です。
『ヒナまつり』
2018年春アニメのヒット作『ヒナまつり』は、ヤクザの新田と超能力少女のヒナを中心に描くドタバタギャグアニメ。
社会の闇を感じるようなヒドいオチを連発するわりに、やけに爽やか路線なオープニング映像には視聴者から「発注ミスだろ!」の声が相次ぎました。
理想
主人公のヒナが起こす騒動に、ことごとく居合わせてしまうクラスメイトの三嶋瞳。
彼女の巻き込まれ体質は相当なもので、中学生にも関わらずなぜかバーテンダーとして働くことになってしまいます。
現実
しかも、勤務中に運悪く中学の担任教師と鉢合わせ。必死に顔をしかめてごまかす姿は、まだカワイイと言えなくもないのですが……。
続くシーンでほかの客にうっかり名前をばらされ、心の中で「このクソボケカスゥ……!」と言い放つサマは切れ味バツグン。
その後も(中学生なのに)社会の荒波に揉まれ続ける瞳ちゃんは、顔芸などせずとも視聴者を現実に引き戻してくれるキャラクターへと成長していくのでした。
『この素晴らしい世界に祝福を!2』
2017年にも顔芸シーンが印象的なアニメは多数あり、異世界転生モノの『この素晴らしい世界に祝福を!2』も、そのひとつ。
崩しを多用した作画は、テンポのいいギャグシーンも相まって躍動感ある仕上がりに。ひとクセもふたクセもあるキャラたちが多彩な表情を見せてくれます。
理想
主人公のカズマが率いる冒険者パーティーには、水を司る美しい女神・アクアが在籍しています。
しかし、その内面は俗物そのもの。金にがめつく酒乱で、保有スキルも戦闘向きではないという“駄女神”だったのです。
現実
そんなアクアは、囮などの損な役回りを一手に引き受ける不憫キャラ。
しかし、大半はズボラな性格が災いしたがゆえの自業自得であることが多く、同情の余地はありません。
いついかなるときでも往生際悪く泣きわめく姿は、もはやお約束となっています。
『賭ケグルイ』
2019年1月に第2期の放送が決定している『賭ケグルイ』は、ギャンブルによって支配された学園が舞台。
やはりギャンブルというのは、人間の本性をあぶり出すのにうってつけのツールだということを再認識できるアニメです。
理想
本作のメインキャラクターたちは、その多くが名門校に通うお嬢様です。
主人公のクラスメイトである早乙女芽亜里も、金髪ツインテがまぶしい気品溢れる出で立ちですが……。
現実
賭けごととなれば話は別。下卑た笑みを浮かべ、対戦相手から金をむしり取る亡者に変貌します。
さらには、ギャンブルに負けて奴隷同然の立場となった主人公を、フットレスト(足置き)代わりに使うというドSっぷりも披露。
こうして芽亜里は、クラスの中心人物としての地位を欲しいがままにするのでした。蛇喰夢子なる転校生が現れるまでは……。
2018年夏アニメは顔芸アニメが豊作?
以上、最近のものを中心に顔芸シーンのあるアニメを5作品紹介してきました。こうして見ると、今夏はとくに顔芸アニメが豊作だったように思えます。
また、『ヒナまつり』や『あそびあそばせ』のように、堂々と“OP詐欺”を仕掛けてくるアニメも増えており、視聴者サイドとしては気が抜けません。
何にせよ顔芸とは、ギャップ萌えの対極を突き詰めたような中毒性の高いシロモノ。「顔芸がないと物足りなく感じる……」といった病気を発症しないよう、顔芸アニメは用法・用量を守って正しく視聴しましょう。
―あわせて読みたい―
青髪ヒロインは本当に“約束された敗北者”なのか? アニメの結末から調べてみた