平成初期が舞台の『MTG』ラブコメ『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』がアツくて甘酸っぱい
今回紹介する漫画のタイトルを見て、「カードゲームの効果テキストっぽいな……」と思った方は鋭い!
ニコニコ漫画で連載中の『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』は、大人気カードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)』をテーマにした作品です。
『MTG』が一世を風靡した90年台を舞台に、主人公の周囲で巻き起こる真剣バトル&甘酸っぱい青春模様はまさにオッサンホイホイ。
“男は黒に染まれ”を地で行く秀才カードゲーマー!?
いきなり≪不吉の月≫があたりを照らしていますが、ここはとある日本の中学校。
1992年に発売された『MTG』は、この神河市立ときわ木中学校でも大流行していました。
主人公の神納はじめは、学年2位の秀才にして大の『MTG』好き。
今日も仲間内の対戦で圧勝しては、単色のウィニー(軽量級)デッキの強さを得意げに語ります。
ちなみに神納くんが黒単色デッキにこだわる理由はご想像通り……彼が中二病まっただ中だから。
そして、たとえに出てくるのが仮面ライダーBLACKだったり、ブラックビスケッツだったり、メン・イン・ブラックだったりといちいち古いのは、本作の時代設定が1998年だからです。
そんなイタいトークを展開する神納くんに対し、「どいてくれない? 邪魔」と辛辣な言葉を投げかけるのは沢渡さん。
彼女は容姿端麗、頭脳明晰な優等生。男子たちの反応から察するに、クラスのマドンナ的存在なのでしょう。
……クラスのマドンナと言っても、そもそも神納くんは違うクラスなのですが。
『MTG』仲間を求めて他クラスまで遠征してきていることに加え、万年成績2位という痛いところを突かれて怒り心頭な神納くん。
もちろん、成績1位の座をキープしているのは彼女。さらに補足すると、神納くんが言っているJ-FRIENDSというのは阪神・淡路大震災を期に結成されたジャニーズのスペシャルグループです。
終わりゆく90年台と“ノストラダムスの大予言”
沢渡さんとの一件で歯車が狂ったか、とことんツキが回ってこない神納くん。
放課後の帰り道、彼は友だちと休日にカードショップに行く約束をドタキャンされてしまいます。
しかも、理由は彼女とデートとのこと。
友人は「いやあどうせ人類が滅びるなら悔いなく生きようかな?」と言葉を続けますが、これは本作の世界が崩壊の危機に瀕しているという設定などではなく……。
そう、1998年当時の世間といえば、翌99年にすべての人類が滅びるという“ノストラダムスの大予言”の話題で持ちきりだったのです。
神納くんは大予言を信じてはいないようですが、それはそれとして「そんときオレはなにやってんのかね……」とつぶやきます。
信じるかどうかはさておき、90年台から2000年台への移り変わりというのは、多くの人にとって何かしらの契機となったことは確かでしょう。
大予言絡みの感傷に浸っていたのもつかの間、神納くんは翌朝、P○KO+○ADBOYという完全武装で自宅を発ちます。
“ゲキテイ”を熱唱しつつ向かった先は、昨日の話題に上がった『MTG』の専門店……にはとても見えない純喫茶。
しかし、いざ扉を開けると広がっていたのはマニアたちが集うディープワールド……!
店内には日本国内では未発売の幻のカードパックや、『MTG』界ではまとめて“パワー9”と呼ばれる最上位レアカードたちが陳列されており、神納くんは大興奮。
しかも背後のテーブルからは、いままさに10人抜きを達成した猛者の活躍まで聞こえてくるではありませんか!
気になった神納くんが人混みをかきわけると、そこにいたのは……まさかの沢渡さん!?
学校では『MTG』を「子どもっぽい」とバカにしていたにも関わらず、この店では常連の猛者プレイヤーとして通っているようでした。“桃天”ナツい……。
いけ好かない沢渡さんを打倒すべく、すかさずつぎなる挑戦者に名乗りを上げた神納くん。
しかし素性を明かさないためとはいえ、†クラウド†なんて名乗っちゃうのはどうかと……。
神納くんの絶対に負けられない戦いの行方は……!?
こうして開幕した、†クラウド†(神納くん)と沢渡さんによる三本勝負。
まずは、神納くんがお得意の速攻で試合の主導権を握ります。
神納くんと同じくウィニーデッキの沢渡さんでしたが、神納くんのカード除去がうまくハマり……。
1本目は神納くんが難なく勝利!
しかし、学校で同じようなデッキを使っていた男子のことを思い出した沢渡さんは、すぐに対策を整えてしまいます。
2本目も序盤こそリードしていた神納くんでしたが、ここで沢渡さんがくり出したのは≪日中の光≫!
こちらは黒のクリーチャーの戦闘参加を封じる効果を持つため、黒単色デッキを使う神納くんにはぶっ刺さるカードです。
しかも、≪日中の光≫を引くまで手札を温存するという巧みな試合運びで、ここぞとばかりに攻勢に出た沢渡さん。
ほぼ敗北確実となった神納くんの脳裏には、沢渡さんとの因縁の日々が走馬灯のようによぎります。
勉強でも叶わず、そのうえ『MTG』でも引けを取るなんてことはプライドが許さない!
何としても負けたくない……しかし手がない神納くんは、焦りからかダイスを転げ落としてしまいます。
ふたりしてダイスを拾い上げようとしたことで、ついに神納くんが身バレ!
机の下で重なる手と手。「果たしてふたりの恋の行方は!?」などと煽るには時期尚早でしょうが……。
もはや、ここまで読んだならばふたりの勝負の行方が気になってしかたないハズ。そんな方は、ぜひ2019年5月25日発売のコミックス第1巻をお買い求めください!
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(画像はニコニコ漫画『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』より)
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