初恋相手がじつは男で歪んでしまった少年の恋心。『少年の初恋は美少女♂でした。』で溢れる女装男子の魅力が性別の壁を越えてくる
皆さんは“初恋”のことを覚えていますでしょうか? 人によって、甘酸っぱい青春だったり、忘れ去りたい苦い思い出だったりするかもしれませんが、『少年の初恋は美少女♂でした。』の主人公はどうやらトラウマ級の初恋を経験してしまっている模様です。
どんな過去が? というのは作品のタイトル通りだとして、問題なのはその後。幼いころのトラウマを抱えたまま成長した彼は、さらなる試練と対峙することになります……!
初恋相手とまさかの再会……!?
初恋が美少女♂だった少年こと、牛若柊吾は高校3年生。
彼は転入先の学校で、「二度と会いたくなかった奴」と再会してしまいます。
風にたなびくさらさらヘアー、儚げな表情、おしとやかさが隠せない制服の着こなし、まさしく天使オブ天使。
そんな彼女(?)の名前は竜ヶ崎。忘れたくとも忘れられない、牛若の初恋相手その人でした。
なんとも気まずい再会……かと思いきや、竜ヶ崎は「10年ぶり」の再会を心からうれしく思っている様子。
いや待てよ、牛若の初恋相手ということは竜ヶ崎の性別は男のはず、なぜ彼は女子の制服を……!?
怒りに震える牛若は、「なんでまだそんな恰好している?」と問いただします。
しかし竜ヶ崎は、「相変わらず美しいだろう? 私の女装は」と不敵な笑みを浮かべるだけ。
確かにそれは認めざるを得ないところですが、この人を食ったような態度。これだけで彼(?)の自信家な人柄が伝わってきます。
その後も恨み節を続ける牛若に対し、のらりくらりと軽口を返す竜ヶ崎。
初恋相手(♂)と再会してしまい、さらに彼がいまも女装を続けていることを知ってしまった、しかも今日から同じ高校に通うということもあって、牛若のメンタルはもうボロボロです。
いまだ失恋のショックから立ち直れない牛若
転校初日から、トラウマを盛大に掘り返されてしまった牛若。
幸い竜ヶ崎は別のクラスだったようですが、意気消沈した彼は当時の記憶を思い出さずにはいられません。
10年前、牛若の近所の屋敷に住んでいたという竜ヶ崎蓮。自宅で英才教育を受けていたため、学校には通っていなかったとのこと。
その姿を不憫に思ったのか、その美しさに惹かれたのか、いつしか牛若は屋敷に毎日通うようになり、そして竜ヶ崎に恋をしました。そんな中、別れの時は突然にやってきます……。
家の事情で引っ越すことになった牛若は、勇気を振り絞って竜ヶ崎に告白。
しかし、竜ヶ崎の口からは「それは無理だろ。私は男だぞ」というとんでもない言葉が。
これ見よがしにウィッグを取った竜ヶ崎と対面し、幼き日の牛若はたいそうショックを受けたことでしょう。
よりによって初恋でトラウマを植え付けられた牛若は、その後異性と触れ合っても心がトキメかないという体質に。
それでも、転校生として心機一転「好きな奴を作りたい」と思っていたのに、その初恋相手と同級生になってしまうとは……!
新たな恋を始めるためにも、「竜ヶ崎のことなんか忘れてぇんだ……!!」と心の叫びを上げた牛若。
しかしその切望は、満面の笑みで牛若の教室に襲来した竜ヶ崎により、無残にも打ち砕かれてしまうのでした。
牛若が立ち直れない本当の理由とは……!?
転校生に校舎を案内してやろうと、わざわざ牛若の教室までやってきた竜ヶ崎。
それを牛若は「ついてくんな!」と、明確に拒否します。
そんな彼のつれない態度も、竜ヶ崎に対しては効果薄、「私が美しく成長しすぎたから照れているのか?」とポジティブ解釈されてしまいます。
しかし、男だとわかっていても、この制服姿はお美しい……スカートが長いことも清楚度アップに繋がっていて素敵です。
そのうえ、竜ヶ崎の完璧な女装は女生徒たちにも大好評、“女装部”なるものの部長も務めているらしいのです。
人にトラウマを植え付けておいて、本人はよろしくやっていると知った牛若はさすがにカチンときた様子。
「俺はお前のせいで人生メチャクチャだというのに」と、拳を握りしめた牛若。
しかし怒りをあらわにするよりも先に、彼は竜ヶ崎ファンの女生徒に背後から突き飛ばされてしまいます。
その拍子に牛若のネックレスのトップが彼の首もとを離れていき……。
それを拾い上げた竜ヶ崎は、何気なく中身を見てハッと気付くのでした。
そこには小さいころの竜ヶ崎の写真が。
恋する相手の写真を大事に持つことはそう珍しくはないでしょう。牛若の竜ヶ崎への恋心が続いてただけでとくにどうということもありません。
竜 ヶ 崎 が 男 じ ゃ な け れ ば 。
まさかの事態に硬直してしまう牛若を、竜ヶ崎は間髪入れず「まだ私のこと好きなのか?」、「男と知った後もずっと私を想っていたのか?」と問いかけます。
そして聞こえてくる絶叫。ああ……彼の反応を見るに、それはすべて図星ということなのでしょう。
「違う!! 俺は……っ」という牛若の否定も、ペンダントの中身を前にしては説得力皆無。ついにはその場を走り去ってしまいます。まさか牛若が異性にトキメかない理由が、竜ヶ崎に騙されて精神を病んだからではなく、あの日以来ずっと竜ヶ崎に恋し続けていたからだったとは……!
しかし相手はいまも昔も変わらず女装男子という葛藤を抱えた牛若が、今後どうやって竜ヶ崎と向き合っていくのかにはぜひ注目したいところです。
そんな本作が、2019年7月14日よりニコニコ漫画公式作品として連載スタート! ただでさえ抗いがたい竜ヶ崎の魅力度もさらに向上していますので、続きが気になった方はぜひ連載ページをチェックしてみてください。
また、「早く続きが読みたくてしかたない!」という方は、合わせて発売開始されたコミックス第1巻を購入するのもオススメです。
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(画像はニコニコユーザー漫画『少年の初恋は美少女♂でした。』(ユーザーマンガ版)より)
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