好き好き好き好き…重すぎる愛のカタチがここに。『ストーカーズ』で描かれる独特すぎる恋路がヤバい
恋は盲目とはよく言ったもので、ときに人は湧き上がる愛情の前に道を踏み外してしまうものです。
今回紹介する『ストーカーズ』は、その名の通りストーカーたちの独特すぎる恋路を描いたオムニバス形式のマンガ作品となっています。
本作に登場する愛を追う者たちは、いずれもヤバさがケタ違い! 愛の暴走機関車と化した彼女たちのキモチをぜひご堪能ください。
彼のことならなんでも知ってる女の子
「私の好きな人 佐伯優太くん」という、なんとも可愛らしいモノローグから幕を開ける本作。
しかし、その後に続く“佐伯くん情報”の豊富さが彼女――ストーカー女子のヤバさを物語ります。
生年月日などはもちろん、この1年間でどのくらい身長が伸びたか、さらにはお風呂で最初に洗う体の部位までも正確に知っているという、彼女の名は乃咲さん。
今日も彼女は当然のごとく佐伯くんと同じ電車に居合わせ、“特等席”から彼の無垢な寝顔を見つめているのでした。
そんな真性のストーカーである乃咲さんの朝は早い。
佐伯くんの自宅のゴミ捨て場に忍び込んで個人情報を収集するところから、彼女のステキな一日は始まります。特殊工作員かなにかですかね……。
平日の夜明け前からご苦労すぎる乃咲さんですが、ここで仕入れた情報でナニをするのかというと、ただただ自分の中で愛を育むだけ。
佐伯くんの寝癖を見て「この世にここまで寝癖にあう人いる?」などと大フィーバーをくり広げているところからもわかる通り、これらの行為はすべて彼女の純然たる愛のカタチなのです。
その後も、お年寄りに席を譲る彼の勇姿にひとしきり脳内で発狂するなどした乃咲さん。
そして彼女は、佐伯くんと同じ駅で降り……「今日も1日頑張ろうね」と別々の通学路を歩き出すのでした。
ストーカー女子に“恥じらい”の概念はないのか!?
のっけから、常識の通用しない行きすぎた愛情の深さを見せつけてくれた乃咲さん。
もはや彼女の世界は、佐伯くんを中心に回っているといっても過言ではありません。
学校でクラスメイトからの誘いを受けようとも、いのいちばんにチェックするのは自分のスケジュールではなく佐伯くんの行動パターン。
カラオケに誘われたこの日もまずはSNSで彼の動向をチェック。部活が休みになりカラオケに行くことを知った乃咲さんは、渡りに船とばかりに女子たちの誘いを了承します。
知れば知るほどに恐ろしい乃咲さんですが、真実はすべて闇の中。いたずらに周囲を巻き込まないよう努めているところは、ストーカーなりの美徳といったところでしょうか……。
そんなわけで、街に1軒しかないカラオケに向かった乃咲さんは、想定通り佐伯くんとニアミス!
さらに彼が隣の部屋という幸運にも恵まれ、壁越しの歌声に酔いしれるのでした。
しかし、乃咲さんがお花を摘みに席を立ったところで事件は起きます。偶然にもトイレの前で佐伯くんと遭遇してしまった彼女。
そのまま譲り合いに発展するも、頑として先に入ろうとしない乃咲さんの思惑とは……「佐伯くんの後に入って匂いを嗅ぎたい」から!?
こやつ、発想が上級者すぎる……。
そのうえ、邪念を気取られまいと焦った乃咲さんは「私うんこですので!!!!」と迫真の訴えを口にするではありませんか!?
どうしても彼の後に入りたい……そんな強い思いから出てしまった言葉ではありますが、言った本人も「よりによってうんこかよ」と、若干落ち込んでしまいます。
佐伯くんに想い人が!? どう出るストーカー女子!
正常な思考を持つ女子ならば、愛しの彼とトラウマものの会話をくり広げてしまった乃咲さんですが……。
そんなワンシーンでさえも、彼女にとっては輝かしい思い出の1ページ。
帰宅した乃咲さんは「佐伯くんのことますます好きになった1日だったな」と微笑みつつ、早朝に回収していた佐伯くんの紙ゴミを丁寧に分別していきます。
しかし、そんな日課に勤しんでいた彼女は、シュレッダーにかけられていたある紙切れを発見して手を止めます。
復元された筆跡と内容から察するに、これは佐伯くんがだれかに宛てて書いたラブレター。先ほどまでノリノリで“宝物”を整理していた乃咲さんの表情が、凍りついたかのように見えました。
……が、乃咲さんが固まっていた理由は、愛しの彼の想い人の存在に衝撃を受けたからではありません。
ネット全盛の時代にあえてラブレターをしたため、しかも宛名すら書けずにシュレッダーにかけた佐伯くんのピュアさに心を奪われていたのです!
その後、(アウトローな手段ながらも)不断の努力により佐伯くんの好きな人を突き止めた彼女。
佐伯くんと、その想い人である阿部さんは、はた目から見てもお似合い&両思いな雰囲気を醸し出しており……。
ここまで見せつけられては、さすがに乃咲さんもショックを隠しきれないことでしょう……と思いきや。
盗撮データをチェックする彼女は、佐伯くんのまだ見ぬ表情を引き出してくれた阿部さんに感謝感激の様子!?
「頼んだぞ阿部……!」と、人知れず阿部さんにエールを送るのでした。やはりストーカー女子の思考に一般常識は通用しません。
かくして、佐伯くんを愛するあまり、彼と阿部さんの恋路をひっくるめて陰ながら見守ることにした乃咲さん。
次第に彼女は「ひょっとしてわたしは、佐伯くんとどうにかなりたいわけではなくて……」と、無自覚だった本当の想いに気付いていきます。
果たして、乃咲さんのたどり着いた答えとは。そして、その答えの先で彼女が取った行動とは……!?
今後も、良くも悪くも我々の予想を裏切ってくれるストーカーの存在には事欠かない本作。続きが気になった方は、ぜひ2019年9月26日より発売中の第2巻をお買い逃しなく!
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(画像はニコニコ漫画『ストーカーズ』より)
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