愚直なアラフォー冒険者による感動のサクセスストーリー! 幼なじみを救うために役立たずスキルを25年育て続けたオッサンの想いがめっちゃ一途
『役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚』は、とあるうだつの上がらないアラフォー冒険者の活躍を描いた作品です。
主人公のトールは、なぜオッサンと化した現在もしょうもないスキルを唯一の頼りに冒険を続けるのか。彼に秘められた壮絶な過去、そしてその悲願、年季の入ったシブい男が魅せる感動ストーリーとは……?
一発芸クラスのスキルで雑魚狩りに勤しむオッサン冒険者
主人公のトールは、現在39歳のオッサン冒険者。
クールな眼差しと無精髭からは、年相応の風格を雰囲気を感じなくもないのですが……。
そんなトールが訪れていたのは、なぜか“小鬼の森”といういかにも駆け出し冒険者が好みそうな土地。
しかも彼はそこで、スライムばかりを延々と狩り続けていた様子です。
“復元”なるスキルで腐食したナイフを新品同然に戻すなどという芸当を持ち合わせる男が、なぜこんな場所でくすぶっているのでしょうか?
トールがスライム狩りに精を出す理由は、単純にその“復元”スキルが役立たずだったからにほかなりません。
じつは彼の“復元”は魔物絡みの物にしか発動できず、効果もせいぜい1分前の状態に巻き戻す程度。つまりは先ほどの一発芸じみた使用法こそが、彼のできる精一杯だったのです。
戦闘中に役立つスキルを持たないも同然のトールは、いい歳こいて泥集めに執心する冴えないオッサンでしかなく。
冒険者局の受付嬢や威勢のいい若者冒険者からも、ぞんざいな扱いを受ける日々を続けていました。
……とはいえ、とっさの身のこなしや獲物を仕留める技量は年相応かそれ以上に光るものがある模様。
冒険者という職業以外ならば十二分に優秀な人材としてやっていけそうな気もしますが、そうまでしてトールが冒険者にこだわるワケとはいったい……!?
25年前のトールに起こった悲劇とは
トールが人目もはばからず不向きな冒険者を続ける理由には、25年前のとある事件が深く関係していました。
その日、彼の故郷の村を襲ったのは“昏き大穴”から湧き出たという無数のモンスターたち。
トールは司祭の老人とその孫娘とともに、命からがら街道へと脱出を試みるのですが……。
残念ながらその道中、トールのことをかばった少女が首筋に致命傷を受けてしまいます。
彼女の献身とトールの反応から察するに、ふたりはかなり親しい仲だったのでしょう。
老人がとっさに“停滞”なるスキルを発動したことで、どうにか最悪の事態だけは回避。
ただし、“停滞”を解けばその瞬間に彼女が絶命してしまうという運命には変わりなく、かといって解かねば治療の手立てもないようでした。
少女の命を救うには、もはやトールの持つ“復元”スキルの可能性にかけるしかないという状況に。
いまは役立たずの“復元”ですが、老人によればスキルレベルを上げてを“10の段階”に到達させれば真の力が解放されるらしく……。
トールは「こいつが生き返るなら俺はなんだって……そうなんだってやってやる!」と、迷うことなく冒険者として生きることを選びます。
そこから先、トールを待ち受けていたのは想像を絶するような苦難の道のりでした。
戦闘用スキルを持たない彼は苦戦に苦戦を重ね、レベル上げのためのスキルポイント稼ぎも遅々として進みません。
ついには30歳になったある日、戦闘中の負傷により左手の握力が激減してしまいます。
しかし、それほどの絶望的な状況ながらも諦めず、25年ものあいだひたすらスキルポイント稼ぎを続けてきたトール。
すべては下宿先の衣装棚の中で人形のように眠る少女の、止まっていた時間を取り戻すため。それが彼が冒険者稼業にしがみつく理由だったのです。
役立たずの“復元”スキルがついに花開く……!?
役立たずスキルのレベル上げに勤しみ、気付けばアラフォーのくたびれたオッサンと化していたトール。
そんな彼の愚直さが、ようやく報われるときがやってこようとしていました。
この日、トールが少女の安置されている衣装棚を開けたのは、ついに討伐のスキルポイントが溜まっていたから!
思わず少女へと伸ばした左手が震えていたのは、握力を失っているからか、それともはやる気持ちのせいか。とにかく彼はレベルを上げてみることにします。
目を閉じて、人間の魂の中に生えているという“技能樹(スキルツリー)”と対面したトール。
そして彼は、溜めに溜めたスキルポイントを大樹の根元へと注ぎ込みます。
するとトールの“復元”スキルが花開き、同時に“物”限定だった効果内容の縛りが消滅!
さらに、試しに自身の左手の復元を試みた際には、“時列知覚”という新たなアビリティの発現も確認。
対象の過去を事細かにひも解き、万物を完璧に復元できるようになったトール。これにて準備は整いました。
トールが祈るような気持ちで少女の首もとに手をかざすと……うつろだった瞳に光が!
「ここはあの世?」といまいち状況が飲み込めない彼女に対し、トールは冷静に事の顛末を説明します。
一方で、過ぎ去った時間はどうしようもないとばかりに、自分の素性をあえて明かそうとはしないトール。
しかし彼がヘタな嘘をつこうとも、少女にはお見通しだった様子で……。
胸に飛び込んできた少女・ソラに驚きつつも、25年越しの再会の喜びを噛みしめるトール。
彼女の「すっかり追い越されちゃったね」との言葉には、「もうすっかりオッサンだ」などと軽口を返しますが……。
続けてソラの口から飛び出した「カッコよくてドキドキしたよ」なんてセリフには、さすがのトールもうれしさを隠し切れない様子。そのまま泣き疲れて眠ってしまった彼女を抱きとめつつ、穏やかな表情を見せたのでした。
こうして、ふたたび同じ時を過ごせるようになったふたりの新たなる冒険が幕を開けます。
役立たずスキルが一転、汎用性が超絶高そうな最強スキルを手に入れてしまったトールと、年の差幼なじみのソラが今後どんな活躍を見せてくれるのか。気になった方は、ぜひ2019年12月9日発売のコミックス第1巻をチェックしてみてください!
(画像はニコニコ漫画『役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚』より)
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