“運命の赤い糸”が見える男のラブストーリー。『運命を信じない彼が言うには』切なくて応援したくなる片思い(?)の恋
将来的に結ばれる相手とのあいだに結ばれているという、“運命の赤い糸”なる言葉は多くの方が耳にしたことがあると思います。
ニコニコ漫画の「シルフ」で連載中の『運命を信じない彼が言うには』(作者:おむ・ザ・ライス先生)は、そんな運命のいたずらに翻弄される男女を描いたラブストーリー。
社会人のふたりが見せる気兼ねなくもじれったい関係性と、1話ラストで明らかになるタイトルの意味にぜひご注目ください!
仕事終わりにサシ飲みする男女がふたり
サラリーマン男性の藤には、ようやく金曜の夜を迎えたというのにいまだタスクが山積みの様子。
しかし彼は、スマホに届いた飲みの誘いに目を留めて「よし!」と退勤を決意します。
藤の向かった先で待っていたのは、大学の同期で女友だちの長谷川ゆか。
ふたりの口ぶりから察するに、ふだんからこうして仕事終わりにサシ飲みすることも多いようです。
さっそくカウンター席で飲み始めたふたりの、今宵の話題は恋愛関連な模様。
おおかた、長谷川が「運命の赤い糸って信じる?」的な話を振ったのでしょう。藤は「ばっかじゃねぇの」とバッサリ切り捨てます。
親からのプレッシャーもあり、「そろそろ本気で考えなきゃとは思ってるんだよ」と焦燥感を抱く“彼氏いない歴=年齢”の長谷川(26歳)。
そうは言ってもいまだ夢見がちなところがある彼女に対し、藤はあからさまに「やれやれ」というような態度をとってからかうのでした。
さらに、彼女の性格をよく知る藤は「婚活アプリやったとこで、会うまでに至らないだろ」と断言。
自分のズボラっぷりをずばりと指摘されてしまい、長谷川も「運命の人なら会うに至るはず……っ!!」と返すのが精一杯の様子です。
なんにせよ、こうして言いたいことを言い合えるふたりは、傍目から見てもとてもステキな関係性に思えます。
運命を信じない藤の美学
夢見がちな長谷川の恋愛観を真っ向から否定した、“運命を信じない彼”こと藤。
しかし彼が徹底した現実主義者かといえばそうでもなく、意外にアツい思いを秘めた男なのでした。
長谷川からの「(運命を)信じてないの?」という問いに、「信じねぇよ、お前と違って大人だし」といじわるな返しをする藤。
続けて彼は、「もしぜんぶが運命で決まってたら、何の努力もしないだろ」と口にします。
藤が言うには、運命とは“納得できない現実に直面したときに使う諦めの言葉”。
確かに彼の「もしだれかを好きになったとき、運命の相手じゃないからって門前払いされたら納得できるか?」というセリフ通り、運命論を信じることは理不尽な現実を受け入れることだとも言えます。
ならばこそ、仮に運命なるものがあったとしても「自分のことちゃんと知ってもらって、それから決めてほしい」というのが藤の思い。
藤が運命を信じない理由は、「俺はだめだって言われてもがんばってみたいけどな」という泥臭くも気高い美学を持っているからなのでしょう。
藤の秘密と運命を信じない真の理由
自分なりの美学を掲げているからこそ、運命を信じない藤。
しかし、じつは彼にはもうひとつ運命を信じたくない大きな理由がありました。
周囲にはモテ男として通っているらしい藤の隣で、芋ロックと板わさを豪快に注文してみせた長谷川。
いわゆる女子力は微塵も感じられないものの、そんな彼女の素朴さと屈託のなさは非常に魅力的にも思えます。
藤は「そんなこと言ってもお前の飲み代は払わないぞ」と、あしらうかのような素振りを見せますが……。
どんどん自嘲的になる長谷川を見かねて、「そういう人のほうが好きってヤツもいるし」とフォローを入れます。
この藤の言葉と表情、なんとなく実感がこもっているような……!?
そして、このタイミングで衝撃の事実が明らかになります。
なにを隠そう、藤は“運命の赤い糸が見える”という不思議な力を持っていたのです。
すると、運命の存在をだれよりも身近に感じられるハズの彼が、運命をかたくなに信じようとしない理由とはつまり……。
……そう、彼女の小指に結ばれた赤い糸の先が、自分の小指の方向に伸びていなかったからなのでした。
長谷川に対し密かな恋心を抱いていた藤。しかし、ほかならぬ自分自身の力によってお互いが運命の人ではないとわかってしまうなんて、なんて残酷な現実なのか。
そんな、切なくも鮮やかなタイトル回収で幕を開ける本作。藤がこの先どう運命と向き合ってくのか、続きが気になった方は6月23日発売となったコミックス第1巻を手にとってみてください!
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(画像はニコニコ漫画『運命を信じない彼が言うには』より)
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