「映倫は俺に嫌がらせをする組織」「あれは利権だと思うんだよな」 監督・北野武が語るテレビじゃ言えない映画論
暴力映画をやめて純愛映画を撮りたい
水道橋:
殿は『アウトレイジ』の続編も10月に公開されるし。
北郷:
この間情報解禁になりましたよ。アウトレイジ・ファイナル。最終章ですよ。
たけし:
アウトレイジ、いよいよ終わりだよ。俺は暴力映画をやめてこれからは純愛映画に走るんだよ。で、純愛映画撮ってどうせ失敗するからまた戻るんだよ。それで死んじゃって終わりだ。
水道橋:
西田敏行さんすごいですもんね。
松村:
(西田敏行さんの物真似で)「おい木村、会長の盃よこせやとワレ。調子に乗るんも大概にせえコラ!」。(たけしさんの物真似で)「ガタガタうるせえんだよこの釣りバカ!」。(西田敏行さんの物真似で)「釣りバカだ? この野郎、安いギャラで出てやってんだぞこの野郎!」。
〆さば:
出た、ひとりアウトレイジ!
北郷:
そんなセリフなかったですよ。
松村:
「うるせえなバカ野郎、ガタガタ言ってんじゃねえ、この野郎!」「何やってんだお前」……続きはDVDで見てください。
北郷:
宣伝だったんですね(笑)。
松村:
アウトレイジ3作目も楽しみにしていますので、ぜひ見てください。最終章、面白いですから。
映倫は俺に嫌がらせをしているんじゃないか?
夏野:
たけしさんは、映画を作る時にも、今までの発想にはないような……「アウトレイジが」最初に出て来た時に、僕、「ここまで表現しちゃっていいのか?」って、ビックリしたんですけど、そういうことを突き詰めるっていうことが、やっぱりたけしさんのパワーなんですかね?
たけし:
映画をやりたい人っていうのもいっぱいいるんだけど、道が開けてないから、一所懸命映画学校に行って、助監督やって、いざ映画監督になる時にはそこそこ年も取っていて、その人の若い頃の良い発想っていうのが全部なくなってるんだよ。
ガス抜きにされて、上の監督に怒られて、やりたいこと全部無くなって、やっと撮れるようになったら、間抜けな、今まで付いた監督の真似しかできないようになってるから。もうちょっとね、思い切った映画を撮れるような、文化庁でも何でもね、やってやればいいんだよ。
俺のは……あの、ひどいよ? あの、なんていうの? “映倫”というの。『座頭市』がR15だよ、「刺した刀が揺れた」っていうだけで。それであいつらとんでもない野郎だと思って「いずれやってやろうか」と思ってたら、それがバレて、また今度もR15指定だと。わけわかんない。
あれは利権だと思うんだよな。だって、1本見てもらうのに、お金かかるんだよ? あんなボッタクリ商売ねえよ。
夏野:
何かが問題になった時に責められるのが嫌だから、安全側に、高い方にしとくんですよね。
たけし:
あいつらは嫌がらせなんだよ。俺が「映倫てなんだ?」って言ったら、自主規制じゃないか。「なんでこのクソジジイがR指定をするんだ?」って言って。
それは映画評論家も同じで、おすぎとピーコのバカみたいなよ、あんなカマが、ガタガタ抜かしやがってよ。俺の映画、クソミソだよ。その言ってることが時々当たってるから悔しいよ。俺は。