平安時代の貴族が”下半身丸出し”のせいで自宅謹慎!? 『今昔物語』『江談抄』に残されている“下ネタ古典”を紹介
今回紹介する、よかいちこ@酒飲みVtuberさんさんが投稿した動画『下ネタ古典 ゆっくり劇場 6 ~会議中にボロンする平安貴族~』では、音声読み上げソフトを使用して、平安貴族の会議中に起きた“珍騒動”を紹介します。
公務中に下半身丸出しの貴族が現れる
霊夢:
今回は「弾正弼源顕定 まらを出して咲はるる語」。
魔理沙:
タイトルでオチてないか、これ?霊夢:
それはどうかしらね。今回はまず背景を見て欲しいんだけど。
魔理沙:
建物がふたつあるみたいだな。霊夢:
藤原実資と藤原範国がいる建物が陣座(じんのざ)。内裏の警護にあたる近衛の詰所で、ここで陣定(じんのさだめ)という会議が行われる。
魔理沙:
今回もその会議だったのかな。霊夢:
この会議の議長を上卿というのだけど、これを藤原実資が務めた。源顕定がいるのが紫宸殿。平安京内裏の正殿で、節会や即位礼など、様々な儀式が行われる場所。顕定がいるのは、その東の端っこということね。
うp主が超適当に宮殿の図を描いてみたので、これで場所を確認してみましょう。この建物が紫宸殿、こっちが陣座。範国、実資、顕定 はそれぞれこのへんにいたことになるわね。
それを踏まえて、原文を見ていきましょう。
魔理沙:
まらを掻き出す。今回もストレートすぎる下ネタ表現。霊夢:
ブチ切れた実資は、帝に奏上してしまうのよね。続きの原文いきましょう。
霊夢:
ちなみにこれと同じ話が『江談抄』という説話集にも載っている。江談抄のバージョンも原文で見てみましょう。
今昔物語では「まら」だったけど、江談抄では「陰根」となっているところがポイントね。あと、ついでに「恐懼(きょうく)」は、朝廷から咎めを受けて、自宅にこもり謹慎すること。
魔理沙:
そっちのほうが処分厳しいんだな。というか、会議中に笑っただけで自宅謹慎って。霊夢:
江談抄の別の段には、範国が五位の蔵人に補任されたときの話も載っている。実資はこの人事に納得せず、範国を嘲り、それが関白左大臣藤原頼通の耳に入って咎めを受けることになる。魔理沙:
実資と範国、最初から険悪だったのか。というか、実資がやってることがパワハラっぽい。
緊張感ある会議中に、源顕定が下半身を丸出ししている姿を目撃してしまった範国は、少し気の毒に思えますね。解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。
『下ネタ古典 ゆっくり劇場 6 ~会議中にボロンする平安貴族~』
ーあわせて読みたいー
・『麒麟がくる』主人公・明智光秀が「本能寺の変」を起こした諸説。怨恨説、野望説、黒幕説……未だ真相が解明されていない歴史的事件を考察してみた
・これぞ『へうげもの』の世界! たった14個の国宝指定の陶磁器の歴史が浮き彫りにする”日本の美意識”の移り変わり「美しい…」「味わいがある」