『学級王ヤマザキ』=小学生時代の思い出のおもちゃ箱。原作者の樫本学ヴが想いを語る
ホビー漫画全盛期に対抗できる自分の武器は“下ネタ”
那須:
ヤマザキは下ネタで行こうと決めたのは、いつ頃だったんですか。
樫本:
それがですね、ヤマザキの連載前は、僕も人気が取れない作家だったんです。あの当時のコロコロは、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』などホビー漫画全盛期で、太刀打ちできなかったんですよ。じゃ、俺も武器を持とうと思って、俺が昔から好きだったものは「下ネタだ! ウンチだ!」と思って(笑)。
一同:
(笑)
樫本:
それを武器にしてやろうと思いました。
那須:
下ネタを毎回話に入れていくと、ネタは尽きなかったんですか。
樫本:
尽きないように、いろいろな角度から入れていきましたね(笑)。
中西:
あの頃はホビー漫画が多かったから、逆に目立ちましたよね。
樫本:
そうですね。さらに、ホビー漫画をパロディ化して、『ミニ四駆』ならぬ『クソ四駆』とかを考えたり(笑)。
一同:
(笑)
樫本:
そんな最低な事をやっていました(笑)。
那須:
下ネタがいきすぎて、当時の担当者に怒られたりしなかったんですか。
樫本:
ないです。何の規制もなかったですね。
中西:
出来上がったやつを担当に見せて、「ちょっとやりすぎじゃないか」って削られたのはないんですか。
樫本:
下ネタに関してはないですね。今よりは緩かったと思いますよ。逆に今やったら、ちょっと危ないのがあります(笑)。
下ネタだけではなくて、「当時の自分の子どもの頃を思い出してもらえるようなネタをぶち込んでいきたいな」って、思っていたんです。例えば、僕の好きな回があるんですけれど、「学校を秘密基地にしよう」っていう話で、ヤマザキが床下に入って、悪さをするんです。
樫本:
それが受けて、一気に人気が上がったんです。「やっぱりこれだな」と思いました。
中西:
ヤマザキの世界観は、「やりたい!」と思うことをやってくれるから、より漫画の世界に入り込めるんですよね。
時を経て復活。樫本先生による生イラスト描き下ろし
那須:
先生に来ていただいて、凄く厚かましいんですけれど、この場で絵を描いていただけたらなと。ぜひお願い致します。
樫本:
分かりました! ヤマザキ描きますよ。
一同:
おぉ~! ありがとうございます!
樫本:
僕、描いている時は無口なんです(笑)。
かえ:
頭から描き始めるんですね!
樫本:
そうです。
中西:
そこから描くの、めっちゃ難しくないですか。
樫本:
ここが僕の場合は基本ラインなんですよ。
石井:
下書きをやらずに描けるのって、やっぱり先生は凄いなって思って見ちゃいました。
中西:
俺、先生が描いているのを見ながら酒飲みたいわ(笑)。
樫本:
いつでもどうぞ(笑)。
はい、できました! イェーイ!
一同:
うわ~! めっちゃいい!
那須:
鳥肌立つわ! 本当にありがとうございます!
最後に1つだけお聞きしたいんですが、先生にとって、『学級王ヤマザキ』とは何でしょうか。
樫本:
「下ネタ!」と言いたいところですが、『小学生時代の思い出のおもちゃ箱』みたいなものですかね。うん、めっちゃオチが綺麗(笑)!