“ひふみん”こと加藤一二三氏が引退戦直後に会見を行わなかった理由は「真っ先に帰宅して長年支えてくれた妻に負けを伝えるため」だった
6月30日に引退記者会見を開き、63年にわたる棋士生活を終えた“ひふみん”こと、棋士の加藤一二三氏が、やまだひさし氏のMC、加藤純一氏のアシスタントで進行する『ニコラジ』にゲストとして登場しました。
引退後は、大学の客員教授への就任や、ワタナベエンターテインメント所属のタレントとしても活躍の幅を広げている加藤氏。そんな加藤氏に引退が決まった日の家族との感動秘話や、今後やってみたい事などを伺いました。
引退から2週間経って……
やまだ:
改めて、ひふみんは本当に将棋に人生を捧げて来られました。引退から2週間余り経ちましたが、これまでの生活と変わられたことはありますか。
加藤一二三:
大変嬉しいことに、仙台白百合女子大学の客員教授になりました。それから、ワタナベエンターテインメント株式会社に所属させていただきました。この大きな出来事に、大変喜んでいるところです。まだ芸能人としては1年生です。
やまだ:
そうです、芸能界ではド新人ですよ。先輩から言っておくと、ひふみんは今日、楽屋に挨拶に来なかったよね。
加藤一二三:
失礼しました(笑)。
やまだ:
やめて、怖いわ(笑)!
加藤純一:
恐縮しちゃうよ~(笑)。
やまだ:
ひふみんは将棋の人ですから、先を読む力がある。教授になられる事と、芸能人になる事は、流石に読めなかったですか。
加藤一二三:
本当に、あの……全く読めませんでした(笑)。
加藤一二三:
ワタナベエンターテインメントさんは、かねてから講演などで縁があったんです。図らずも今回は会社の方から、「ぜひ入ってください」とお話がありました。
やまだ:
そうでしたか。
加藤一二三:
そして大学からも講演の依頼がきました。私はしっかりした人生観を持っていますから。
やまだ:
そりゃそうだ(笑)。
加藤一二三:
将棋の達人ですし、キリスト教徒ですし、音楽も趣味ですし、テレビにも出ています。そういった、いろいろな事を学生の前で話をするつもりです。
やまだ:
毎回、将棋のことだけを話すんじゃなくてね。
加藤一二三:
将棋の話だけしていても、学生にはウケませんよ(笑)。
やまだ:
ひふみんの授業を受けてみたいね。
加藤純一:
授業聞きたい!
将棋以外のオファー
やまだ:
将棋以外で、どんな仕事のオファーが来ていますか。
加藤一二三:
いろいろ来ています。そのうちの1つはお悩み相談ですね。
やまだ:
そりゃね、これだけ人生の先輩だもんね。
加藤一二三:
あとは、歌謡コンサートのゲスト。
加藤純一:
合う(笑)!
やまだ:
見たいな~(笑)!
加藤一二三:
それから講演ですね。「東京大学の学生に講演してください」という依頼が来ました。これは嬉しいですよね。私、自信があるんですよ(笑)。そして、テレビ出演も決まってます。
やまだ:
こういうテレビの仕事は楽しいですか。
加藤一二三:
楽しいですよ。私もいろいろなテレビ番組を見ていますよ。例えばアニメでしたら『赤毛のアン』とか、『ウルトラマン』とか見ています。ドラマも見ていましたよ。大河ドラマや『白い巨塔』とかね。
やまだ:
「ドラマに出て」っていう依頼が来たらどうするんですか。
加藤一二三:
実はね、依頼が来ているんです。
一同:
え~!
加藤:
でもはっきり言って、映画界、ドラマ界は名優さんたちばかりですよね。私は新人です。大役は無理だとしても、1分間くらいの役だったら良いかなって思っています。
やまだ:
あの、1分間って、結構長いですよ(笑)。
加藤一二三:
長いですか?(笑)。
やまだ:
めっちゃノリノリだ(笑)。次、先生にお会いしたら、前歯が綺麗になっていたらどうしよう(笑)。
加藤一二三:
これね、実は15年前に差し歯を入れたんです。そうしたら頭の血が止まっちゃったんです。歯を入れた全く同じ時期に、あるバイオリニストが差し歯を取ったら、演奏しやすくなったって言っていましたよ。個人の健康は個人差があるから、私の場合は前歯がないのが合っていたんですよ。
やまだ:
では、このままの滑舌で俳優をやってもらいましょうか。
加藤一二三:
私もよく「歯を入れたらどうですか」って聞かれるんですが、残念ながら、歯を入れたら何もできません。
やまだ:
今の元気なひふみんじゃなくなっちゃうかもしれないですからね。是非、このままでいきましょう。じゃあ、ズラもかぶりませんね。
加藤一二三:
かぶりません!
やまだ:
良かった。芸能人になると変わっちゃう人が多いからね(笑)。