音楽と映像をすべて自身で手掛ける注目クリエイター・マサラダ最新曲『どこにもいかない』――初起用となるVoisona・雨衣使用曲
2023年6月の初投稿作「ライアーダンサー」がシーンで大きな話題を呼び、以来「ウルトラトレーラー」「㋰責任集合体」など、多彩な楽曲を作り続けているボカロP・マサラダ。
楽曲だけでなくクオリティの高い映像もすべて自身で制作を手掛けており、それもまた同業であるボカロPほか大勢のクリエイターから、彼の作品が大きな支持を受ける理由のひとつともなっている。
文/曽我美なつめ

デビューから約2年半で6曲と投稿数自体はやや寡作だが、楽曲&動画の制作クオリティを考えれば、この活動頻度も致し方のないことではある。
一方で、そんな渾身の一作一作がシーン内で大きな評価を得ているのも、また確かな事であると言えるだろう。
そんなマサラダによって、2026年1月に投稿された待望の新作。それが「どこにもいかない」だ。
作品に使用されている音声合成ソフトは、マサラダ楽曲としては初起用となるVoisona・雨衣。
環境音のような雨音に混じるノイズのような雑音から、徐々に彼女の無垢な歌声が聞こえてくる、という冒頭の演出から、すでに心を掴まれた人もきっと多いはず。

タイトルにも冠された「どこにもいかない」というフレーズが、総じて楽曲の随所で印象的に鳴る今作。
シンプルかつ簡素な言葉の並ぶ歌詞の中で、単純な「どこにもいかない」という言葉が帯びる意味性が徐々に、けれど確かに少しずつ変わっていく。
その絶妙なグラデーションを描く表現力の豊かさも、今曲が大勢を虜にする理由のひとつなのだろう。

マサラダは従来の楽曲でも非常にシンプルなメッセージ性や、多くの人々にとって覚えのある、形容し難い幼少期ならではの感情の機微に、丁寧かつ愛情を持ってスポットを当ててきた。
幼さを纏わせる声を持つ雨衣というボイスソフトによって、そんな彼の切り取る世界の輪郭が、今曲でより鮮明になったと感じたリスナーもおそらく多いに違いない。

加えてこちらもマサラダ本人による、柔らかくもどこか物悲しさを漂わせるムードの手描き映像も、作品の魅力をより増幅させている。
煌びやかな派手さこそない素朴なタッチのイラストだが、だからこそ楽曲のシンプルな世界観が、温度感を持った表現へと落とし込まれているようにも思える本動画。
音楽単体の素晴らしさはもちろんだが、映像と併せる事で作品の持つ魅力やメッセージ性が、よりリスナーや視聴者の胸を打つ動画ともなっていることだろう。
ぜひ何度でも視聴して、楽曲の持つ多面的かつ重層的な魅力を、存分に感じ取ってみては。
■楽曲配信情報

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