【プーチンTシャツ撮影会】ロシアでバカ売れのプーチンTシャツ23枚輸入して、現地で流行してる理由を聞いてみた
ロシアでの支持率が8割を超えるプーチン大統領。日本でも度々過激な発言がニュースで取り上げられる一方で、ヘリを操縦する姿や柔道着姿に「怖いけどかっこいい!」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
そんなプーチン大統領が大きくプリントされたTシャツがなぜかロシアで大流行。初めは外国人のお土産用として販売されていたが、今ではロシア人の購入者も増えているそうです。12月12日に放送した『ロシアから愛をこめて プーチンTシャツ撮影会 生中継』では、プーチン大統領来日に合わせて緊急輸入したTシャツ約20枚の撮影会を実施。
また、代理店の協力のもと、現地の状況をレポートするとともに、ロシアでプーチンTシャツが流行る理由をインタビューしてきました。
ロシア人女性モデルにプーチンTシャツ着ていただいた
プーチンTシャツはどんな風に売っているのか? 現地取材を実施
お土産屋さんのTシャツコーナー。やはりプーチン大統領もちらほら。それより1+1=3が気になる……。
現地の代理店スタッフにインタビューを決行!
――そもそもこんなプーチンTシャツが出てきた理由は?
担当者:
プーチン氏の支持率を引き上げるためのキャンペーンにも利用されていたのではないかとみられます。特に2010年前後の数年間は、プーチン大統領を支持する若者の集団がその活動を活発化していましたし、そのような宣伝活動の中でもプーチン大統領のウェアが使用されたようです。
――Tシャツの柄で大体何種類ぐらい出ているか?他のウェアはどれぐらいあるか
担当者:
複数の店舗をリサーチしたところ、Tシャツは30種類以上、パーカーは8種類が確認できました。野球帽を見つけたのは1店舗のみでしたが、店頭には4種類ありました。
――ロシア国民はどのようにこれを受け止めている?
担当者:
もともとは外国人がお土産に買っていましたが、今では定番のグッズのひとつとして定着した感があります。2014年後半からデザインが増え、外国人だけでなくロシア人の購入客も増えたと販売店のスタッフは話していました。
――プーチン大統領やロシア政府は怒ってないの?
担当者:
このようなTシャツは2000年前半から見られますが、デザインやウェアの種類も増えていますので、”容認されている”と考えられます。
――いくらぐらいで買えるの?
担当者:
値段はショップやデザインによって600ルーブルから2000ルーブルまでと幅広くあります。購入したTシャツはどれも綿100%でした。
パーカーやトレーナーは1500~3000ルーブル、帽子は500ルーブルでした。
※2016年12月現在2000ルーブル=約3600円
――ロシアのどこに行けば買えるの?
担当者:
少なくとも一部のショップのサイトを見ると、モスクワ、サンクトペテルブルグのほか、極東のウラジオストク、南部のヴォルゴクラードでも発売しているとありますので、基本的に全国的に販売しているものとみられます。
――デザインや企画は誰が考えているの?
担当者:
特定できませんでした。
――ここまで権力者をTシャツにする国はロシアぐらいだと思うのだけど、ロシア特有のお国柄とかはあるの?
担当者:
ロシア人は昔から、権力者には勝てないものの、それでも権力者や苦しい暮らしぶりを笑い話にしてしまうユーモアのセンスをもちあわせています。アネクドートと呼ばれる小話(特にロシアで,鋭い風刺や体制批判を含んだ政治的な一口噺。旧ソ連や東欧の社会主義体制下で、検閲をかいくぐって盛んになった一種の民衆的フォークロア)は今でも一般民衆の間で盛んです。プーチン大統領Tシャツが登場したのは2000年代前半で、ロシア経済が混乱していた時期です。このときに、上記のような権力者を風刺し笑い飛ばす性質のロシア人のジョークが形を変えて登場したものだと考えられます。
お国柄に関連して、ロシアでは帝政時代から強い権力者というものに絶大な人気があります。強力なリーダーが現れれば、世の中は全てよくなると考える救世主思想のようなものがあり、プーチン大統領は現代においてそのようなリーダーの姿をとろうとしています。実際に彼が大統領になって以降、ロシア経済は上向きになりました。また、ロシアはかつてアメリカとソ連という二大勢力の中心から転落したものの、再び世界における大国としての地位を築きつつあります。EUの不況や、ソ連崩壊後のアメリカ一極だった世界の構図が変化している中で、このようなロシアの台頭は国民には肯定的に受け止められており、プーチン氏の果たした役割のプラスの評価が現在の高い支持率に現れています。
2014年後半からかっこいいデザインのTシャツが増えてきたということですが、ロシア人の国民性である、ジョークの好きな面と強いリーダーを好きな面が組み合ってこのような現象が起きていると考えられます。
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