スクエニ社員が死んでFF世界に異世界転生!? 『ファイナルファンタジー ロスト・ストレンジャー』のワクワク感がハンパない
ゲームの世界に入ってみたい――。
ゲームをやる人なら一度は考えることだと思います。そんな夢が実現したのが今回ご紹介する『ファイナルファンタジー ロスト・ストレンジャー』です。
本作は、『FINAL FANTASY』30周年記念として始動したオリジナルコミック。水瀬葉月氏が原作を、亀屋樹氏が作画をそれぞれ担当しています。
主人公はFFマニアのスクエニ社員
本作の主人公である正吾は、好きが高じてFFシリーズやドラゴンクエストシリーズで知られるゲーム販売・開発会社のスクエニ(株式会社スクウェア・エニックス)に入社。
現在は入社4年目のプランナーとして働いているのですが……。
正吾は仕事についていろいろと思うところがある様子で、グチりながら定食屋でスクエニ社員(実名)を叫んでいます。
そして仕事のストレスの解消もゲーム(FF14)という根っからのFF狂。
冷静にかわいらしくつっこみを入れるのは正吾の妹でスクエニ営業・入社2年目の佐々木夕子。会社の昼休みに兄のご飯とグチに付き合ってくれる出来た妹です。
夕子は2年目にして大きめの販促イベントの仕切りを任されるなど仕事面では絶好調。
それに比べて、FFとは関係ない仕事を日々こなす自分自身を振り返る正吾。
「会社の中で一番FFが好きで一番詳しいって自負しててもそれだけじゃ駄目って事だろ」が悲しいんだよなぁ……。
“FF好き社員”としての理想と現実
とはいえ、昔から凝り性で、自分で攻略本を作りながらゲームを開拓していった正吾。夕子もそんな正吾に影響されて“二人のFFを作りたい”とスクエニに入社していました。
大人になるとどうしても、現実と夢の折り合いをつけることが難しかったりします。
それでも、夕子は正吾が夢だったスクエニに入社して実際働けているという、一番近くてチャンスがある場所にいるわけなんだからと励まします。
“自分の好き”を信じて実際に仕事にしている人たちが眩しい……。
“毒で混乱で盲目で沈黙でスリップで瀕死の末に戦闘不能”の正吾のステータスに妹のレイズ(500円のヒレカツ定食)が効いたところで、大きな音とともに突如として暴走トラックがふたりの元へ突っ込んでくる。
スクエニ社員、いきなりの絶体絶命!!
スクエニ社員、異世界転生する
場面は暗転して、正吾の顔を、何やらモフモフしたものが触れます。そして目を覚ました正吾の前にはFFシリーズでお馴染みのモーグリが。
「クポ」の鳴き声も健在です。モーグリをモフれるのなんて羨ましい。
FF世界で生きる人たちとの邂逅
そしてモーグリの仲間の戦士レイ・ハガクレと黒魔術師ダストン・ヴォルタ、それに白魔道師のシャルル・リンキンフェザーが現れます。スクエニ社員、異世界転生しよった~~!!
白魔道師のシャルはケアル(HPを小回復させる白魔法)をかけてくれます。
ゲームをしているときは、回復魔法をかけてもらうのってどんな気持ちなんだろうと思っていましたが、正吾によるとケアルは“サウナ感が凝縮されているみたい”なんだそうです。
チョコボが存在する世界
“怪我人を見ると回復せずにいられない性質”からケアルの重ねがけで魔力切れを起こしたシャルを介抱するメンバーに同行し、“ニルポの街”まで到着した正吾。
そこは、ララフェルにミコッテ(FF14に登場する種族)、それにチョコボがいる、夢にまで見たFFの世界だったのです。
とはいえ、実際にはララフェルもミコッテも正吾の“脳内FF辞典”に載っていない別の種族だったわけですが。
そう、ここはFF世界はFF世界でも、正吾が体験したことがない別のFF世界だったのです。
こっちの世界に来てから姿の見えない妹のことが心配になる正吾。
そんな正吾が目にしたのは、宿屋の食堂で生来のコミュニケーション能力の高さを発揮し、この世界の人々と馴染みまくっている妹の姿。この妹、コミュ力高すぎ!
“わかんないなら動くしかない”!
さらに夕子は機転を利かせてパーティメンバーに「兄と共に弟子入りさせてくれ」と懇願をします。
正吾も最初は乗り気じゃありませんでしたが、夕子の熱意にほだされてこの世界で頑張ってみようと決意。
パーティメンバーも、最初は戦士のレイが反対していましたが、リーダーのシャルの決定には逆らえず、最後は「好きにしろ」と折れ、晴れて正吾と夕子のふたりには仲間ができました。
あんなにふわふわしているから意外でしたが、シャルはこのパーティのリーダーだったんですね……。
この世界を“攻略”する!
現実世界から何故かFF世界に転生してしまった正吾。この世界のことも、現実世界に戻れるかどうかもわからない。それでも、正吾はこのFF世界を夕子とじっくり攻略することにしました。
憧れのFF世界を楽しむ
「チョコボは臭い」「意外と藁布団も結構快適」など、実際に体験してみてわかる憧れの世界を少しずつ知って楽しんで……。
チョコボに乗ってみたいし、モーグリをモフモフしてみたい……この辺りの描写を見ていると自分自身もFF世界に転生したいなと思うのですが、この後正吾はこのFF世界の秘密を知ってしまいます。
この世界には“ある魔法”がない――
冒険の途中、ドラゴンに襲われている子どもを助けようとした夕子がドラゴンに殺されてしまいます。
正吾は藁にもすがるような想いで“レイズ(蘇生魔法)”で夕子を蘇生してと懇願。ところが……。
この世界に“レイズ(蘇生魔法)”という魔法は存在しないことを告げられます。つまり死んでしまったらそこで終わり。
正吾は絶望に打ちひしがれます。この後どう物語が紡がれていくのでしょうか。気になります。