最優秀棋士賞は羽生竜王、特別賞・新人賞は藤井六段。2017年度に活躍した棋士を表彰する「第45回将棋大賞受賞者」が発表される
4月2日、東京・渋谷区の将棋会館にて2017年度に活躍した棋士を表彰する「第45回将棋大賞」の選考会が行われ、羽生善治竜王(47)が最優秀棋士賞(2年ぶり22回目)に、藤井聡太六段(15)が特別賞・新人賞(いずれも初)に選ばれた。
羽生竜王は、竜王位を奪取して永世七冠の資格を獲得、将棋界で初めて国民栄誉賞を受賞、順位戦では6者プレーオフを見事勝ち抜き名人戦の挑戦権を獲得など、今もなお将棋界の第一線を走り続けている。
(画像は藤井聡太四段『新春特別インタビューと2018年の抱負』より)
藤井六段は、公式戦29連勝で連勝記録を更新、全棋士参加棋戦である朝日杯将棋オープン戦を史上最年少で優勝、順位戦C級2組を全勝で1期抜けなど、将棋ブームの火付け役となった。
今回、藤井六段は「最優秀棋士賞」にも推薦されていたが、最優秀に準ずる「優秀棋士賞」ではなく、最優秀に限りなく近い(もしくは同等の)「特別賞」の受賞となった。
羽生竜王、藤井六段のコメントは以下の通り
羽生竜王:
山あり谷ありの1年でしたが、このように評価をして頂きとても名誉に感じています。昨今の将棋界の尋常ではないスピードで変化を続けているので、これを励みにフットワーク軽く前進を続けたいと思います。
藤井六段:
特別賞に選んでいただき、ありがとうございます。これからも将棋の可能性を追求し、棋力をあげるべく一層精進していきたいと思っております。今後ともよろしくお願い申し上げます。
第45回将棋大賞受賞者一覧
最優秀棋士賞 | 羽生善治竜王 (2年ぶり22回目) |
優秀棋士賞 | 菅井竜也王位(初) |
敢闘賞 | 豊島将之八段(初) |
新人賞 | 藤井聡太六段(初) |
特別賞 | 藤井聡太六段(初) |
最多対局賞 | 藤井聡太六段(初) 73対局 |
最多勝利賞 | 藤井聡太六段(初) 61勝 |
勝率1位賞 | 藤井聡太六段(初) 61勝12敗 0.836 |
連勝賞 | 藤井聡太六段(初) 29連勝 (2016/12/24~2017/6/26) |
最優秀女流棋士賞 | 里見香奈女流王座・女流名人・ 女流王位・女流王将・倉敷藤花 (3年連続8回目) |
優秀女流棋士賞 | 伊藤沙恵女流二段(初) |
女流最多対局賞 | 伊藤沙恵女流二段(初) 41対局 |
東京将棋記者会賞 | 森 雞二九段 |
升田幸三賞 | 青野照市九段(初) (横歩取り青野流) 佐々木勇気六段 (初) (横歩取り勇気流) |
升田幸三賞特別賞 | (故)大内延介九段(初) (振飛車穴熊を戦法に確立した工夫) |
名局賞 | 第30期竜王戦七番勝負第4局 渡辺明竜王 vs 羽生善治棋聖 |
名局賞特別賞 | 第11回朝日杯将棋オープン戦本戦決勝 藤井聡太五段vs広瀬章人八段 第31期竜王戦6組ランキング戦 牧野光則五段vs中尾敏之五段 持将棋局 |
ニコニコ生放送では、4月5日(木)に藤井六段が登場する第44期棋王戦予選を中継。4月14日(土)からは今期からタイトル戦となった叡王戦決勝七番勝負も中継。