自殺したアイドルの母が明かす芸能事務所のメールが酷すぎる「お前の感想はいらん」「考えて物を言え」
2018年3月、愛媛県松山市を活動拠点にする農業アイドル 愛の葉Girls(えのはがーるず)のメンバーだった大本萌景(おおもとほのか)さんが、自宅で首を吊り亡くなりました。
週刊文春記者のスズキさん、タレントの戸島花さん、フリーアナウンサーの藤田ゆみこさんが出演する生放送番組「直撃! 週刊文春ライブ」では、取材に参加した弟子ハル二号さんが登場。
番組では取材VTRが紹介され、その中で萌景さんの母親、萌景さんと仲の良かった友人の母親の二人がインタビューに答えました。萌景さんの自殺前日と当日の様子や、事務所スタッフとのLINEも公開され、トラブルがあったとされる事務所社長から「1億円払え」と要求されていたことを明かしました。
※本記事は2018年5月19日に「週刊文春デジタル」によって放送された「直撃! 週刊文春ライブ #2」の内容の一部を再構成したものです。
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最後の言葉は「社長に会うのが怖い」
藤田:
まずはこちらの経緯について簡単にご説明いたします。今年3月21日、愛媛県松山市を活動拠点とする農業アイドル「愛の葉Girls」のメンバーだった大本萌景さんが自宅で首を吊り、亡くなりました。16歳という若さでした。萌景さんの死を受け、愛の葉Girlsは3月末で活動自粛。
生前、萌景さんはアイドル活動と高校生活の両立で悩んでいたそうです。「直撃! 週刊文春ライブ」取材班は愛媛県に飛び、萌景さんの母親を取材しました。萌景さんの死からおよそ2ヶ月。はじめて語る現在の思いとは? まずはこちらのVTRをご覧ください。
~VTR紹介開始~
中学1年の頃からいじめを受け、不登校気味だったという萌景さん。そんな時に愛の葉Girlsのライブを見て、「いじめられていた自分自身や周りの人を見返したい、みんなと打ち解けたい」という思いで愛の葉Girlsに応募し、中学2年の7月に加入。
しかし、事務所の方針で学業が大幅に制限され、萌景さんはアイドル活動と高校生活の両立で悩み、グループを辞めることも考えていたという。そんな萌景さんに対し、事務所社長は通っていた通信制高校から全日制高校に入ることを勧め、入学に必要な費用は負担すると話していました。
しかし、自殺前日、萌景さんは仲の良い友人とその母・Aさんに「社長から裏切られた」と吐露していました。今回はそのAさんがインタビューに答えました。
──萌景さんが悩んでいたことは?
Aさん:
学校のことと社長さんのこと。それと「1億円払え」と言われたことだと思います。今までは通信制高校に行っていたんですけれど、社長さんに「全日制高校に行ったらどうか」と言われて、全日制高校に行けるということでかなり喜んでたんですけれど、2日ぐらい前に「お金は貸せない」と。「借金だけが残った」と「騙された」と。「信用していたのに」「裏切られた」と言った後に、社長さんに「1億円払え」と言われたと聞きました。「1億円ってどういうお金なんだろうね」って私が聞いたんですけれど、黙って下を向いていました。
1億円を払うよう社長に言われたという萌景さん。遺書が残っていないため、萌景さんがなぜ自殺という道を選んだのかは明確に分かっていません。萌景さんの母親は当時の状況について、こう語ります。
──萌景さんはアイドル活動と高校生活の両立で悩んでいた?
萌景さんの母親:
“学校は優先”っていうのは契約書には書いてあったので、もちろん申請をして、申請がもらえなければ娘からの相談を私は受けて、「学校優先なんやけん、ちゃんと休みはもらわんといかんよね」っていう話も何度も何度もしては、結局休みをもらえず。「やっぱり結局休みもらえんかった」っていう、そう言った言葉は娘からは何度と聞いてはいます。単位も何教科か前期だけで落としてしまう状況になってしまったんですよ。
──亡くなる日の萌景さんの様子は?
萌景さんの母親:
前日泊まっていたお友達の家から8時半ぐらいに帰ってきて、その後に弟と一緒にゲームを普通にしていたんですよ。私たちがちょっと出かけるので、家を出ようとした時に娘がパパッと走って降りてきて、その日もお昼から(愛の葉Girlsの)イベントだったので、娘が「ねーママ、今日イベント行かんとだめ?」みたいなことを聞いてきたんですよ。私は1億円の話も当然知らなかったんで、「とりあえず今日やるべきことはね、やったほうがいいと思うよ」「とりあえず今日のことは今日やって来よう」っていう話をして。そうしたら娘が暗い顔で「社長に会うのが怖いんよ、怖いけん行きたくないんよ」って そういう話をしてくれたんですけれど。
でも私はそれがどういう意味なのかが分からなくて、それで家を出てちょうどイベントの集合時間の12時20分になっても娘がその集合場所に来ないということで社長から電話がありまして。
「ちょっと見に行ってもらえませんか」みたいなことを社長に言われて、家に着いたのが13時40分だったんですけれど、2階に上がったら、階段を登っている途中に娘の色の変わった真っ青な足が見えてきて。
なんでこの子、ずっとここに立ってたのかな? と思って見上げたら、立ってるんじゃなくて、ぶら下がっていました。
──萌景さんはなぜ自殺を選んだ?
萌景さんの母親:
社長から1億を要求されたっていう話もたぶん本当だと思います。前日にひたすら「裏切られた」「騙された」って友達にもそういうふうな話をしたらしいんですけれど、それで次の日にはイベントに行くことがすごく怖くなっていた。だから、本当に急いでそういう行動に出たんじゃないのかなと思います。──萌景さんが残した最後の言葉は?
萌景さんの母親:
「社長に会うのが怖い」。それが本当に最後の最後の言葉でした。
──萌景さんに伝えたいことは?
萌景さんの母親:
自慢の娘だったということと、あの日あの時、「怖いんよね」って言った時、本当はそばにいるべきだった。もっと気付いてあげるべきその言葉が、どれだけ深い言葉だったかも気付けなくてごめんねっていう言葉を伝えたいですね。
所属事務所に事実確認を求めると、お金を貸すことを断ったことや、全日制高校へ入るよう勧めたことは概ね認めたが、1億円を支払うようにと発言したことについては否定した。
~VTR紹介終了~
藤田:
今回、ご遺族のご意向としては、萌景さんの自殺を多くの人に知ってもらいたいという思いから取材協力してくれました。
休みの申請に対して「お前の感想はいらん」。事務所スタッフとのやりとりを公開
戸島:
萌景さんと社長の関係っていうのはどんな感じだったんですか?
弟子ハル二号:
萌景さんは社長のことをすごい信頼していて、第二の父親的存在だったんですよね。
火曜日と日曜日に学校に行かなきゃいけない。ただ、日曜日は愛の葉Girlsのイベントがあるということで、なかなかイベントを休む申請が通らなかったんですよね。そこが問題に今回になっているんですけれど。
スズキ:
萌景さんは通信制高校に行っていたということで、通信制って授業に行かなくていい代わりに日曜日に行かないといけない。でも日曜日はアイドルの仕事があるので。そこで彼女は全日制に行きたいということで、社長との話が進んでいた途中で梯子が外れちゃったんだよね。
というのがやはり一番……。
戸島:
でも最初は全日制に行くのも社長が勧めてくれたりとか、学業に対しては前向きに一緒に協力していこうということではなかったんですか?
弟子ハル二号:
日曜日はどうしてもイベントが重なってしまうんですね。学校とアイドルのイベントの日曜日っていうのはなかなか両立が難しいところで。
戸島:
なんでいきなりそうなったの? なんでいきなり梯子が外されたのか。それは分からないんですか。
弟子ハル二号:
そこの真意は分からないですが、社長にとっても……。
スズキ:
社長としてはイベントを優先してほしい。
弟子ハル二号:
全日制だと月曜日から金曜日までの決められた登校があって、日曜日のイベントに出られるっていうことで進めていらっしゃったんですよね。
スズキ:
やっぱり信頼関係が途中でズレてしまったという格好ですね。「私、学校に行く」となって「愛の葉Girlsを辞めます」っていう話をしたのに、それは「絶対に辞めるな」と「辞めさせない」と。そういう話がどんどんマネージャーのほうから来ていて。
ただ私は社長とも電話で話しました。話していてちょっと思ったことは、ひとつは「1億円のことは絶対に話していないです」と否定しています。
あと学業に関しても「私は学業優先でもいいよ、と捉えてました」と社長が言っていたんだけれども、マネージャーが先ほど萌景さんに送ったLINEを見て、そう(意味を)取れるのかってなると、全然違いますよね。
戸島:
全然取れないですよ。だってあんなLINE、子供には怖すぎるじゃないですか。
スズキ:
まだ16歳ですからね。
戸島:
あれはマネージャーさんなんですよね? 私もアイドルをやっていたので、いちアイドルとしては怖すぎます。それはもう、親にも言えなかったわけじゃないですか?
スズキ:
親御さんが言っても全然相手にしてくれなかったんだよね?
弟子ハル二号:
そうですね。本人からの休みの申請がないと、イベントの休みっていうのは受け付けられませんと。
戸島:
でも本人が言ってもだめなんですよね?
弟子ハル二号:
はい。本人が言っても受け付けられなかった。
戸島:
それで1億円のくだりを言ってないと言われても……。
スズキ:
両側の言い分があるので……。