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音楽誌のギャラ未払い告発問題について吉田豪が語る「音楽誌で仕事をするたびに思う、今一番原稿料安いのが音楽誌なんです」

💡ここがポイント

●音楽雑誌『グラインドハウス』の賃金未払いが表面化
●これを受けて吉田豪氏、コンバットREC氏は音楽誌の原稿料の安さを指摘
●吉田氏は一部の音楽雑誌が音楽フェスを運営して儲けている事例を説明した

 国内外のミュージシャンの情報を発信している音楽雑誌『GrindHouse Magazine』を発行している会社の従業員給与や、取引先への支払いが一部滞っていることが発覚し、話題となっています。

 上記について、久田将義氏吉田豪氏がパーソナリティを務めるニコニコ生放送「タブーなワイドショー」にて、ゲストのコンバットREC氏とともに言及。「音楽雑誌なんて、どこも経営難や未払いとかありそう」と語る一方で、昨今、一部の音楽雑誌が音楽フェスの運営に関わっているケースについても解説を行いました。

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「音楽雑誌なんて、どこも経営難や未払いとかありそうですけれどね」

左から久田将義氏コンバットREC氏吉田豪氏

吉田:
 これは数ヶ月前にTwitter上で、有島博志さんという音楽ライターが、未払いとかでひどいみたいな内部告発がはじまって、次々と「俺も被害にあった」みたいな人たちが出てきて、僕も片っ端からリツイートしていたんだけれど、最近大きな問題になったという流れですね。

コンバットREC:
 僕、この雑誌は知らないんだけれど、『GrindHouse Magazine』って何の雑誌なの?

吉田:
 スラッシュとかメタルとか。

コンバットREC:
 グラインドコアだ。

久田:
 グラインドコアってどういうことですか。どういうジャンルなんですかね。ロックなんですか?

コンバットREC:
 ハードコアパンクの発展。

吉田:
 Napalm Death【※】とかそういう系。

※Napalm Death
イギリス出身のグラインドコア・バンド。 グラインドコアの始祖的存在として知られている。

コンバットREC:
 短い、速いみたいな。

久田:
 なるほど。

吉田:
 フリーペーパーですよ。Twitter上とかを見ていると、元々アイツはムカつく! みたいな人たちが次々と(笑)。

コンバットREC:
 それは未払いとは関係ないですよね。

吉田:
 アイツのライナー【※】は昔から不愉快だとか、次々と入ってきて(笑)。大変だなっていう(笑)。

※ライナー
ライナーノーツ。音楽レコードや音楽CDのジャケットに付属している冊子等に書かれる解説文。

コンバットREC:
 音楽雑誌なんて、どこも経営難や未払いとかありそうですけれどね。売れている頃でも3000円とかじゃないですか、原稿料って。今なんてどうなっているんだと思いますよね。

吉田:
 どんどんさらに下がっているくらいと思いますよ。

コンバットREC:
 生活できないですよね。

吉田:
 音楽ライター専業じゃ無理でしょう、くらいになっている。よっぽどじゃないと。たとえば音楽講座をやったりとか……。音楽誌で仕事をするたびにホント思うのは、今一番僕が原稿料安いのが音楽誌なんですよ。月の連載で一本5000円とか。

コンバットREC:
 ミュージック・マガジンとか?

吉田:
 ミュージック・マガジンが5000円とかでやっているんだけれど、それでやっぱりペイするには、やっぱりサンプル版だけで原稿書くしかないわけよ。買ったら赤字になるから。

コンバットREC:
 じゃ、あの人は他に仕事しているんですか。あのアイドルの悪口ばかり書く人……なんだっけ?

吉田:
 ミュージック・マガジンの? もういなくなっているから、その人(笑)。

コンバットREC:
 そうなんだ。

吉田:
 その人を駆逐して僕があそこに入ったんだよ(笑)。

コンバットREC:
 そうか。名前なんだっけ?

吉田:
 (コメントを見ながら)正解です。保母大三郎です。

コンバットREC:
 そうそうそう! いないんだ、もう。

吉田:
 誰かのペンネームだったんだろうけどね。元々ミュージック・マガジンで僕が書きはじめたきっかけというのは、保母大三郎という人が、アイドルは叩いてもいいという感じで、とにかくすべてのアイドルをボロクソに書く。そのボロクソに書く表現で「足の太い田舎の女子高生」みたいな。その悪口が面白いとか言われていたんだけれど。

久田:
 面白くねえよな。

吉田:
 面白くないというか、アイドルの曲が8割ぐらいはクソだけれど、残りの2割のいいものを探して褒めるのが音楽誌の仕事でしょっていう。なんで全部叩いているの? バカじゃないの? って。

コンバットREC:
 有名なヤツを叩いたほうがウケると思って、そういうことをしていましたよね。この曲いいじゃんっていうのを叩いてましたよね。

吉田:
 そうそう。そういうふうに抗議のメールを送って、「何なら僕にやらせろ」って言って、僕のミュージック・マガジンの連載がはじまったんですよ。

コンバットREC:
 そういう流れなんですね。

吉田:
 いろいろ音楽誌は大変だと思います。

音楽誌が売れない時代。一方で10億単位で儲かるという音楽フェス

コンバットREC:
 今、やれている所ってどこなんですか。

久田:
 ないでしょう。結構潰れてません?

コンバットREC:
 『ヘドバン』とかって売れてるんじゃないですか。

『ヘドバン Vol.19』。
(画像はヘドバン Vol.19 | Amazonより)

吉田:
 そこそこ。ただ『rockin’on』も完全にフェス事業のほうが儲かっているでしょう。

『ロッキングオン 2018年 09 月号』。
(画像はロッキングオン 2018年 09 月号 | Amazonより)

コンバットREC:
 あれ、すごいみたいですよ。一回やって10億単位で儲かるらしいですよ。

久田:
 マジですか。

コンバットREC:
 『ROCK IN JAPAN(FESTIVAL)』とか。

吉田:
 たぶん本業じゃもう難しいわけでしょう。本業だけじゃ。

コンバットREC:
 でもフェスで儲かるから、全然本出さなくても別に平気みたいな。

久田:
 たぶん本は赤字なんでしょうけれど。

コンバットREC:
 宣伝費みたいな考え方で、フェスですごい儲かるみたい。

久田:
 フェスって、FUJI ROCK FESTIVAL(以下、フジロック)とかそういうことですか?

(画像はFUJI ROCK FESTIVAL ’18公式サイトより)

吉田:
 フジロックとかあのへん。ロマンポルシェが出たときに聞いたけれど、通常フェスってギャラも出ないことが多いっていう。お金を払って出させてもらう。客も入るし、出演者からお金取れたら儲かりますよ。

コンバットREC:
 「皆さん、物販で稼いでくださいね」っていう。

吉田:
 大物はちゃんとギャラ出して呼んでいるけれど、そうじゃない枠は本当にもう、出させてくださいって。元々音楽誌、ああいうのって広告を入れないとインタビュー取れないみたいなシステムだったわけですよ。載せて欲しいから広告入れます。数十万、数百万の。それで音楽誌が成立していたのが、広告が入らなくなった。たぶんフェスでそのやり方を転用したんだと思う。

コンバットREC:
 もう15年前くらいですかね、我々の身内の今アイドルファンとして有名な元応援団の人がいるんですけれども。

吉田:
 ギュウゾウさんじゃないですか?(笑)

コンバットREC:
 そうです。

一同:
 (笑)

コンバットREC:
 その人がフジロックに出た時、「なんか300万円って事務所に言ってきてさー」みたいな。

吉田:
 くれるんじゃなくて払う?

コンバットREC:
 払う。「プロモーションということで、事務所が払ったのかなあれ?」みたいなのは言っていましたけれどね。あの規模でそれくらい取れるんだったら、そりゃまあ稼げますよ。

久田:
 すごいですよね。

コンバットREC:
 昔からそういう商売みたいですよ、フェス商売って。外タレ並べて、有名な日本人いくつか並べて。後はもう放っておいても金払って出てくれる。

吉田:
 出たというアピールをしたい人たちがお金を払うという。

久田:
 ビジネスモデルですよね、ちょっとした。

コンバットREC:
 小さくやっても同じやり方をやれば儲かるじゃないですか。チケット代は全部自分のところに入るわけだから。

吉田:
 恐ろしいシステムだね。

久田:
 怖い(笑)。

▼記事の箇所は31:41からご視聴できます▼

久田将義×吉田豪のタブーなワイドショー

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