知られざる『マリオ』誕生の秘密を解説「ポパイの代わりに作られた」「昔はジャンプマンと呼ばれていた」
ヒゲ、帽子、オーバーオール……すべての起源は“ドット絵の限界”にあった
ところで、マリオには帽子やヒゲなど、多くの代名詞的な特徴がありますが、それらはどのようにしてマリオに付けられたのでしょうか。
その秘密は、マリオのドット絵にありました。ドット絵のマリオは16×16ドットで描かれていますが、宮本茂氏が最初にマリオをデザインした時、顔を8×8ドットで描こうとして、目、鼻、口を描こうとしたところ、ドット絵が圧倒的に足りませんでした。そこで、鼻の下にヒゲを描いたら、口を描く必要がなくなり、ドット数を稼ぐことができました。それで、マリオにはヒゲが付いているのです。しかも、マリオがどっちを向いているのかわかりやすくもなります。
帽子についても、髪の毛を描き切れず、その上髪の毛をアニメーションにするのも難しかったので、ドット数を抑えつつ、帽子をかぶせることになりました。
そして、残りのドットで体を描くのですが、これに「走らせる」というアニメーションを付ける必要がありました。しかし、当時はアニメーションは3パターンしか作ることが出来ませんでした。そこで、走るときに動きをわかりやすくするために、服と体の色は違った方がいいと考えた結果、オーバーオールを着せることになりました。さらに、ジャンプした時に、動きがよくわかるように白い手袋がはめられました。
このように、ドット数を抑えつつも、いかに見やすいデザインになるかを考えて、マリオはこのように特徴の多いデザインになったのです。ちなみに、現在では赤色だったオーバーオールは青色になっています。
多くの苦悩と、そこからくるアイデアと工夫によりマリオは誕生し、そして今のマリオがある、ということなのです。
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