なぜ『シン・ゴジラ』は女子たちをヒートアップさせたのか? 「内閣の周辺、顔面偏差値が高すぎ!」胸キュンポイントを赤裸々トーク
ツボを押さえた出演者たち!「誰が好き?」から始まる女子トーク
西森:
私はホントにもう黒田大輔さん。
金田:
もともと好きだったんですか?
西森:
いえ、今回、映画を観て演技がいいなぁって思って。なんか映画俳優オタクだと、この作品てすごく俳優の集め方がツボで、特に会見をする場で、新人記者さんとベテラン記者さんが二人で話をしている場面があるんですよね。
金田:
それって「どうして東京ばっかり守るんでしょうね」って話していたあの二人?
西森:
そうそうそうそう! 三浦貴大さんと川瀬陽太さんなんだけど、彼らは他の映画『ローリング』でも一緒に出ているコンビだったりとかするんですよ。
両角:
分かる人同士なら「あの二人だよね~」で盛り上がれる感じですね。
西森:
そうなんですよ。あと監督いっぱい出てたりするところとかね。
ひらりさ:
そういえば、塚本晋也監督が舞台挨拶で黄色い声援もらって、こんなの人生で初めてだって、本当に怯えてたって話があって(笑)。
金田:
え、誰?
両角:
えっと…金田さんは三次元の人の顔を覚えるのが超苦手なんですよね(笑)。たしかにあの塚本監督が女子から黄色い声をもらうという図は面白いです。
金田:
……そうなんですよ、(パンフを凝視)
西森:
あと30代くらいのイケメンの俳優さんって、今回自衛隊員役に多いですよね。
金田:
小出さん…とか?
両角:
斉藤工さんとか、あと俳優ではないですがKREVAさんもいましたね。あのヘリから発射をしないでUターンして帰ってくる人。
金田:
うーん、まったく知らないっていうか、もともと知らない人ばっかりだなぁ。でも私みたいに俳優さんをまったく知らない人でも楽しめる映画ではあるんですよ。あ、もちろん主役格の人のことは知ってたんですけど、それ以外は言われて気づいたか、今初めて知ったみたいな感じですね。
ひらりさ:
知り合いで、「総理大臣が役者の大杉蓮にしか見えない」って苦情を言っている人間がいました(笑)。
金田:
それは、本人っぽさが出てる感じの演技だったってことなのかな(笑)。
西森:
あと、柄本明さんとか國村隼さんとかも良かったですよね。あの「官僚ですから」とか「仕事ですから」みたいなセリフとか。
ひらりさ:
あ、そう、セリフといえば私すごい好きなセリフがあるんですよ。矢口が「仕事ですから礼はいりません」って言われたんだけど、最後のヤシオリ作戦が終わった後に、つい「ありがとうございます」って言っちゃうんです。で、その後「おつかれさまです」って言うんですよね。仕事なんだけど、でもついお礼を言っちゃうってところに、矢口の気持ちが出ていて良かったですね。
昔、東京を滅ぼした嶋田久作さんの話題からシン・ゴジラ2の妄想
両角:
嶋田久作さんも出てましたね。『帝都物語』では東京を滅ぼしていましたけれども(笑)。
金田:
そう、私『帝都物語』すごく好きで小説も読んでました。「陰陽道」で平将門を復活させて東京を滅ぼす加藤保憲という怪人が出てくるんですけど、映画化された時にこの加藤を演じたのが嶋田久作さん。そんな嶋田久作さんがね、今回は臨時外務大臣となって、核熱攻撃が東京に行われるらしいぞってなった時に、「そんなこと! 許されるわけないじゃないですか!」みたいなセリフで嘆くっていうね。もう、おまえは陰陽道で守れよって思った(笑)。
ひらりさ:
あ、そういえば神社仏閣の人たちって何してたんだろう。
両角:
住民が逃げ込んだり作戦会議の場所が神社だったりしてましたけど……。でもその感じはなんだか分かる感じがしました。
西森:
矢口が手を合わせるシーンがあるんだけど、「でも祈りに任せなかったところが良かった」っていう意見をツイッターで見かけましたね。
金田:
いや、でもさ、今のは嶋田久作だからそういう話になっただけで、もし本当にみんなで手を合わせてそっから光とか出てたりしたらさ……。
両角:
あ、いえ、金田さん『モスラ』ってそういう映画でしたから。モスラは「祈りの歌」というのがあるくらいですよ(笑)。
金田:
え、そうなんだ!? 祈りで鎮めるのか。
ひらりさ:
あ、今回よく考えたらゴジラの中身が陰陽師じゃないですか!
一同:
あ、確かに!!
金田:
あ、それなら加藤保憲も出てくるべきだったじゃん!
西森:
でもゴジラという神がもういるから祈ってもしょうがないんだった。
金田:
いやいや、日本には八百万の神がいるじゃないですか。そういえばツイッターで古代ギリシャ勢の人たちと話してたら、やっぱりゴジラを倒すにはアポロンだって話になって盛り上がってましたよ(笑)。
両角:
それなら『シン・ゴジラ2』で「ゴジラVS◯◯」っていうことになったら、敵はアポロンですね。
ひらりさ:
太陽で焼き尽くすみたいな攻撃(笑)。
金田:
その関連で、私の知人である死霊呪術師の人が、東京の地形を調べ始めたんだけど、実は渋谷の東急の地下が、ものすごい死霊呪術に合っているらしいんだよね。死霊呪術っていうのは、死んだ人あるいは冥界のハデスにお願いの儀式をするんだけど、あまりにも渋谷の東急の地下の構造がそれに向き過ぎだっていうんですよ。その人「普段は渋谷のあそこは、死霊呪術以外に一体何に使われてるの?」とかおっしゃってて(笑)。
だから、よく分からないけど、そのハデスとアポロンの挟み撃ちでいいんじゃないかな。
ひらりさ:
その場合、アポロンはゴジラを倒したいわけなんですか?
金田:
あ、大丈夫、アポロンは神を倒す神ってことで有名だから。やってみる価値はあるじゃないですか。で、帝都物語の加藤は加藤で出てもらう、みたいな。
西森:
金田さん、リアリティのある作りのなかでの矛盾はだめなのに、壮大になるとぜんぶオッケーなんですね(笑)。
金田:
そうなの。そこまでいけば大丈夫なの。
「進化」の件にはご立腹の金田さん、こうなれば許すそうです。
金田:
それでね、「進化」のあの概念のところで怒ったけど、じゃあ何がどうなれば大丈夫かっていうのを何通りか考えてるの。ひとつは「セリフが全部サイレント」もうそれだけで許す。
両角:
え、サイレントにしたら分からなくなりそう。
金田:
いや、あのセリフは言わないほうがマシ。それと二つ目、タイトルを変える。私の心の中では、あれはもう『シン・彼岸ジラ』。あ、これ『彼岸島』なんだよなって思えてすべてが許せる。ただ、丸太が出てこないからみんなが発狂するんだけど、おにぎりが出てくるから大丈夫。
西森:
おにぎりは何なの?
金田:
それは『彼岸島』における超重要アイテム。あ、豚汁も欲しい。ほら、ニコ生の皆さんも彼岸島ならしょうがないって言ってる。
両角:
しょうがないって思えるってことですね。
金田:
そういうこと、そういうこと。で、最後に、これならもう50億点になるなぁと思ってることがあるんだけど、すべてが終わったあと長谷川博己の目が覚めるの。「あ、夢か」って感じで。で、その後ドーンドーンって低い音が迫ってくるの。
両角:
夢落ち(笑)。でも、夢じゃなかったみたいな最後。
金田:
だってね、「科学について無知な矢口」が、夢の中で進化について変なこと言うなら、それはしょうがないわけじゃん?これ、あの最高の映像を見せてくれた上で矛盾点はなかったことになるから、これすごくいいなって思ってるんですよ。
両角:
あ、でも矢口さんの頭の中で無人在来線爆弾が繰り広げられていたら確かにほっこりする。
西森:
たしかに可愛いね。
カヨコのピアス、カヨコの名言
両角:
そういえばひらりささんが、カヨコのピアスの話をされていましたけどあれは?
ひらりさ:
私は例の進化に関する大矛盾には全然気づかなくって、細かいところに目がいっちゃってたんですよね。カヨコが最初にパーティーから出てきた時のピアスは、ちょっと大きめのゴールドで、その後はずっとパールのピアスをしてたんですよ。でも、最後にすべてが終わった時には、また最初の大振りのピアスをしてるんです。なんかすごくTPOを考えてるんだな、と感じましたね。
あとそれ以上に萌えたのが、安田さんだけ「MacBook Air」を使っているところ。逃げる時も一人だけそれを抱えていて、しかも、どうやら携帯も iPhoneなんですけど、iPhoneカバーをつけてないんですよ。「あ、これはアップル信者なんだな」っていうね(笑)。
両角:
そうか、アップルのマークが出る状態で使いたいっていうやつですね。
ひらりさ:
そうそう。他の人は富士通とか支給されているものを使ってるんですけど、安田さんだけ違うのが気になっちゃって。なので「進化」には全然気づけなかった(笑)。
金田:
私は逆に、そういう部分に気づけなかったから、次観る時には、そういうところに着目してみます。
両角:
カヨコの「ZARAはどこ?」が本当に好きで!観終わった後にとりあえず「ZARAはどこ?」って言い合って帰りましたもん(笑)。
金田:
私、彼女は嫌いじゃないけど、あの場面でどこにあるか聞いてもしょうがなくない? みたいな感じでしたけど。
西森:
あそこで空気も読まずに聞いちゃうところが、カヨコのキャラクターを表現してるって感じなんですよね。
両角:
しかも、ZARAっていうのが絶妙なんですよね。けっこう体のラインも出る服だし。
ひらりさ:
あのZARAってことばが、あの映画の中ではけっこう印象的な固有名詞で、フォーエバー21とかH&Mとかではみんなピンとこないっていう、ね。
西森:
カヨコって普段どんな服着てるのかなって考えると、ZARAなんか着てなさそうだし、着替えも出来なそうな状況だし「その場しのぎでいいからとにかく着替えを買いたい」っていうことだったのかな、とも思う。ZARAなら分かりやすいっていうことで。
金田:
私はジョーク説に一票かなぁ。おもしろくはないけど。
男性出演者のファッションについて
両角:
服というなら、私はあれだけスーツを着ている人が出ているのに、みんなそれぞれにシルエットが違うし、ネクタイなどのポイントもみんなそれぞれ違っててそこを観てましたね。
金田:
あ、あれは体型の違いではなくスーツの違いだったんだぁ。
西森:
私が「この映画ってあんまりホモソーシャルな感じしないな」と思ったのも、映画のホモソーシャルってピシっと本当にかっこいいスーツを着るんですよね。だけどこの映画の人たちは、そういうのにあまりこだわりがなさそうなキャラクターが多いですよね。
両角:
映画の『キングスマン』では、ものすごいピシーッとしたスーツ着てました。イギリス映画って本当にピシっと着てますよね。
西森:
映画の中にも「スーツをきちんと着ないと」みたいなセリフが出てきますもんね。
金田:
私、全然気づかなかった。長谷川博己さんが着てるスーツは体に合ってないの?
ひらりさ:
合ってないわけではないんだけど、モデル的な着方はしていないという感じですね。
両角:
赤坂先生はその自分の体に合ったスーツを着ているから、やっぱり洗練されて見えましたね。
金田:
あ~、議論のレベルが高すぎる!
両角:
説明をする暇がない分、キャラクターは見た目で表現するというところに特化しているんだなという感じがありましたよね。服装や髪型からその人となりが視覚的にわかる。赤坂さんがすごくシュッとしてるのって、矢口さんよりも食えない奴っていうのを表現してるのもあるのかなって思いました。
気になる矢口蘭堂の匂い
ひらりさ:
私は、長谷川さんが「ちょっと匂いますよ」って言われてから、一体何日お風呂に入っていないんだろうかっていうところが気になっちゃいましたね。
金田:
そう、でもその割りにはけっこう襟きれいだなとは思った。
金田:
あ、でも、あの匂いは実はいい香りなんだよ。少し匂いますって言ったのは、あれはフレグランスよ、うん。
西森:
あ、でも確かにクサイ感じはしなかったって言う人多かった!
金田:
だって実際そんな汚れてなかったし、きっと花のような熟した匂いだったんじゃない? フェロモンのような。まぁ、そんな匂いさせてると志村や赤坂がちょっと色気づくから、っていう気配り。
西森:
「ちょっと匂いますよ」っていうの、矢口じゃなくて別の人に言ってたら、また違うシーンになってたんじゃないかなと。
金田:
まぁ、長谷川君であれば、臭いはずがないってことになるんでしょうね。
この人たちってどういう人? 泉ちゃんと志村さん
両角:
泉ちゃんのキャラクターがすごく良かったです。ヒーローとしては描かれないけど、でもいい奴的なポジションにグッときました。彼は矢口に対して力を貸しまくってますよね。
金田:
実際、どうしてなのかは分からないけれど、この泉という人の武器は「コネがある」ということなんですよね。ああ見えて超媚び力が高いんだろうね。誰とでも分け隔てなく、料亭とかで仲良くしていくんだろうね。
両角:
でもあの人がトップを目指してるわけじゃなくて、自分は二番手でいいって思ってるんですよね。赤坂さんは自分がトップになるんだっていう感覚があるけど、泉さんはないっていう感じ。
金田:
三国志では、ある人を王にするために働くっていう人たちがいるんですよ。それが楽しい人っているし、それにそういうタイプの人って好かれやすい。俺が俺がって前に出る人だとちょっとだめだよね。
西森:
それに、彼はみんなから「ちゃん付け」で呼ばれてるんですよね。業界人とかでもないのにすごいコミュ力だなって。
ひらりさ:
そういえば、志村は泉ちゃんが出てくると矢口に対して空回りするんですよね。
両角:
救急箱を持ってきてるのに、泉ちゃんの「まずは君が落ち着け」にとられちゃうんですよね。あそこはかわいかった(笑)。
ひらりさ:
泉ちゃんの株が上がって志村がやきもきする、みたいな。
金田:
でも志村のコネもなかなかすごいよね。
両角:
あ、そうか、尾頭さんを連れてきましたよね。
金田:
あれはたぶん学閥だと思うんだけどさ。それで、あの特にたいした情報もってこないフリージャーナリスト、あれは松尾スズキであること以外に何か意味はあるの?
ひらりさ:
あれは志村が矢口に対して頑張ってるアピールをするためだけのシーンでしかないような気がしますね。なんか女子マネージャーみたいなふるまいをされてイライラするみたいな感じですよ。あとマジ感動っすよ、みたいなわざわざ言わなくてもいいことを口にしたりするところがね。
西森:
志村、もうちょっとなんかありそうって感じがしたんだけどな。
金田:
あ、でもあの人超エリートなんで。
両角:
あれって防衛省から出向してるんですよね。最初は防衛省にいたっていうことでいいんですよね。
金田:
そうでしょうね。同期の中ではトップなんじゃないですか、たぶん。で、内閣官房長官の東竜太さんが、側近を選んでる感あり。
一同:
あああああ(笑)。
金田:
この内閣の周辺、顔面偏差値が高すぎる!
西森:
現実だったら、イケメン内閣とか言われちゃうんでしょうね。
金田:
もう裏では、女房役はもちろん、お稚児さん集めてんなぁくらいのことは言われてる。会議のシーンとか見てて最初から思ってたけど、この若手たちの顔面偏差値が高すぎる!
ひらりさ:
顔面の良し悪しだけじゃなくて、顔が映っているだけで、何か力が強いオーラがびしびしと伝わってくる方ばかりでしたよね。映画をそんなに観ているわけじゃないからこそ思いました。
両角:
それありました。一回見ただけで「あ、この顔の人はこの役なんだな」って、すぐに判別できるくらい個性のある人達でしたよね。
はぐれ者がはぐれ者然として群れを成す面白さ
西森:
さっきも言ったけど、私は本当に巨災対にちょっと世間からずれた感じの人が多かったのが嬉しかったです。
両角:
巨災対の人達ってキャラが立ってましたよね。
西森:
1つの映画に、キャラが立ってる人があんなに出てくるなんてこと、あんまりないから。
金田:
でもはぐれ者達が集まって「やってやるぞ!」っていうのって、わりとよくある話なんじゃないの?
西森:
いや、ただ「挙動不審っぷり」があそこまでリアルな感じで実現している映画は、あんまりないってことですよ。そこがすごく良かったんです。
金田:
あ、なるほど、ああいうはぐれ者達が集まる映画はよくあるけれども、実際はみんなカッコ良く描かれていて、だけど巨災対はまるで本物のそういう人たちを集めてしまったかのようなところが良かった、と。
西森:
そう。まぁ、それを良さとしてなかなか理解してもらえない場合もあるっていうね(笑)。
金田:
いや、だって私の周りって尾頭さんみたいな人って普通にいたからねぇ。
ひらりさ:
ああいう人って一人いれば、オタクだってことは表現できちゃうんですよね。なのに、一般向けに公開された映画で、ああいう人々をたくさん集めてきちゃうっていう。あとあれって在野の変人ではなく、組織の中にいた変人たちなんですよね。
金田:
全然はぐれてないって気がするんだけど、組織の中で何とかいける程度のはぐれ者でありながら、あそこまでの挙動不審さ加減っていうところが面白いんだろうな。
西森:
優秀な人って目標が人と違うからさ、私たちにとってはめっちゃ優秀に見えても、本人からしたらはぐれちゃったって思うような感じの人に見えましたよ。変なたとえ話だけど、
学年で1位とった人が10位になったら「もうだめだ、はぐれちゃったわ」って思う感じ。
ひらりさ:
自分でもそんなには、はぐれ者だとは思ってないだろうけど、飲み会には来ないだろうなぁ、とは思いますね(笑)。
西森:
飲み会に来なさそうなところがいいなとは思いましたね。
金田:
うん、あの巨災対は飲み会、ないね。たぶん志村あたりが幹事になってやろうとするんだけど、泉ちゃんとかに「やめとけ」とか言われちゃう。
西森:
森課長はけっこう他の飲み会にはいってると思う。ネクタイとか頭に巻いたりして。でも巨災対ではその部分で実はちょっと浮いてる、みたいな(笑)。
両角:
さて、最初は「公務員萌え」「ゴジラ可愛い」「ツボを押さえた出演者」の3つのトピックでお話するはずだったんですけれども、話題がものすごい広がりをみせてしまいまして(笑)。この混沌とした感じが、また『シン・ゴジラ』っぽいなとも思いました。今回の話を聞いて、もし気になった方はまた観に行ってほしいなと思います。