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プロレスラー・剛竜馬出演のゲイビデオについてサムソン高橋が撮影当時の心境を語る「本当につらいだけの撮影でした」【聞き手:吉田豪・久田将義】

 久田将義氏吉田豪氏、自身らがパーソナリティをつとめるニコニコ生放送「タブーなワイドショー」にて、2009年に亡くなったプロレスラー・剛竜馬氏が、お金に困っていたときに出演したゲイビデオ『極太親父』について言及。ゲイライターであり、剛竜馬氏出演のゲイビデオの製作者であるサムソン高橋氏をゲストに迎え、ビデオ製作時の当時の様子についてトークを展開。

 サムソン高橋氏は当時の事を、「撮影に関して、とにかくお金のことしか言わない人だった」と振り返り、実際にビデオを見た吉田氏は「ひたすらトレーニングとオナニーのビデオだったが、(プロレスラーとしての)プライドがあるんですよ」と感想を語りました。

左から久田将義氏サムソン高橋氏吉田豪氏

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モデルに恋をしちゃってゲイビデオで初めてハメ撮り

サムソン高橋:
 実は『極太親父』は別のメーカーなんですよね。『極太親父』に出たあとに、剛竜馬さんがSAMSON ViDEO【※】にいらっしゃって。

※SAMSON ViDEO
ゲイ雑誌「SAMSON」を出版している海鳴館が販売している、男性同性愛者向けのアダルトビデオ。

吉田:
 2本出てるんですよね、確かね。

サムソン高橋:
 そうですね。で、そこの後半の部分です。私のタイトルは、親父四人衆みたいな感じの、4人のおっさんのオナニー集だったんですけれども、で、ちょっとその『極太親父』で、お? みたいな感じで世間を騒がせてたんですね。

吉田:
 騒がせましたね。

サムソン高橋:
 ほんのりと。

吉田:
 剛竜馬というのは、一から言いますと、国際プロレスでイケメンレスラー的な感じでデビューして、新日本へ移籍して藤波辰爾とのライバルストーリーとかも始まって、UWF移籍とかいろいろあって、結構いい感じで出てきたんだけども、日本初のインディー団体の、パイオニア戦志にいったりとか、紆余曲折が多い人で、ちょっとプチブレイクが一回あったんですけど、その後突然、「えっ、剛竜馬がゲイビデオ出演?」みたいなのが話題になった時期があったという、その辺のお話ですね。

 役者もやりましたよ。そっちでも売り出されてた

サムソン高橋:
 私、プロレスラーは本当にセクシーアイドルとしてしか見てないんで。

吉田:
 剛竜馬は視界に入ってなかった?

サムソン高橋:
 視界に入ってなかったんですけど、その『極太親父』に出たことで、「うわっ」みたいな感じで私にも届いたんですよ。そしたらうちにも面接に来た。

久田:
 (笑)

サムソン高橋:
 「あ、剛竜馬が来たよ」みたいな感じで、でもオナニービデオぐらいだったら撮っときましょうかね、みたいな感じで撮ったんですけれども。

 全然違う話になるんですけど、こないだカンパニー松尾【※1】さんとイベントで一緒になったんですよね。で、そのときにちょっとカンパニー松尾さんと私が似てるなと思ったのは、カンパニー松尾さんの会社は、ほかにバクシーシ山下【※2】さんっていらっしゃって、バクシーシ山下さんは高校のときはずっと、いわゆるリア充だったんですって。

 ですから、作品としてああいう虚構的なビデオを作る方向に行った。カンパニー松尾さんは童貞でAVメーカーに入った人で……。

※1カンパニー松尾
AV監督。AV界にハメ撮りというジャンルを定着させた第一人者。

※2バクシーシ山下
AV監督。カンパニー松尾の誘いでアダルトビデオメーカー・V&Rプランニングに入社。

吉田:
 だから女性に幻想を持ったようなAVが作れる人でっていうことなんですかね。

サムソン高橋:
 そうやってハメ撮りとかをして、『テレクラキャノンボール』【※】とか、そういう方向に。

※テレクラキャノンボール
カンパニー松尾によるアメリカ大陸横断レースである『キャノンボール』をモチーフにしたアダルトビデオ作品シリーズ。作品はRUNステージとSEXステージに分かれていて、終了時のステージ合計獲得ポイントによって順位が決められる。RUNステージでは、決められた移動区間をオートバイや自動車などで移動し、到着順でポイントが与えられる。SEXステージでは、ナンパ、テレクラ、出会い系サイトなどを用いて、各都市で制限時間内に素人女性との絡みを撮影し、その行為内容などによってポイントが与えられる。

吉田:
 バクシーシさんは、よりエクストリームな90年代を象徴するようなAVの方向にいったりとかっていう。

サムソン高橋:
 それでお話を聞いて、私は本当にカンパニー松尾さんと一緒だなと思って、私もモデルに恋をしちゃってゲイビデオで初めてハメ撮りをした男なんですね

剛竜馬は「とにかくお金のことしか言わない人だった」

サムソン高橋:
 一番最初が、ハメ撮りビデオだったですけど、「オナニービデオもそろそろ撮らないか」みたいな感じで上司に言われて。

一同:
 (笑)

サムソン高橋:
 なかなかない台詞だね。

吉田:
 「お前もそろそろオナニービデオを撮る時期じゃないか?」って。

一同:
 (笑)

サムソン高橋:
 そろそろかな、と僕もそう捉えて撮ったんです。モデルはノンケの好みの男、佐々木健介似だったんですけれども、それを選んで。

吉田:
 自分で選べるんですね。

サムソン高橋:
 そうそう。ポラロイドの束から選んで。

吉田:
 健介似の(笑)。

サムソン高橋:
 そしてセッティングしたんですけど、いざ撮り始めたら、ノンケって聞いてたんですけど、カメラマンさんも「ちょっと脱いでもらったほうがリラックスになる」みたいなこと言いやがったんですよ(笑)。ええ? どうしよう、と。

一同:
 (笑)

吉田:
 童貞なのに。

サムソン高橋:
 「食えるかもしれない!」みたいなことを(笑)。でも「作品も取らなきゃいけない」みたいな感じのせめぎ合いがあって、それでマリアージュとして出たのがハメ撮りという結論だった。

一同:
 (笑)

吉田:
 確かに、脱いだ以上もういっちゃうかって。

サムソン高橋:
 そうそう。

 で、最初に上司から「オナニービデオもそろそろ撮らないか」って言われて、それで提出したのがハメ撮りビデオだという。

一同:
 (笑)

吉田:
 お前そこまで頼んでねえよって(笑)。

サムソン高橋:
 で、そういう感じで私も、ゲイビデオとかそういうドラマ部分とか……。

吉田:
 サムソンというゲイ雑誌にビデオ部門があったわけですね。

サムソン高橋:
 はい。ドラマみたいに作り込んだりとかBGMとかもあったんですけど、それを全部廃止して、なるべくモデルの息遣いをみたいな感じの方向でいったのが私だったんですね。で、すごくカンパニー松尾さんは似てるなと思って、「私もノンケだったらカンパニー松尾になれたのに」とか思ったんですけれども。で、そういう意味で言ったら本当につらい撮影で、とにかくお金のことしか言わない人だった

吉田:
 だから、要はそっちの気があって来たというよりは、本当にお金に困ってるけど、ただ掘ったり掘られたりされるのは、さすがにプロレスラーとしてのプライドもある。僕、『極太親父』は見たことあるんですよ。で、衝撃だったのが、ひたすらトレーニングとオナニーのビデオなんですよね(笑)。「ゲイビデオでトレーニング見せてどうすんの」と思うんだけど、何か(プロレスラーとしての)プライドがあるんですよ。

 ひたすら公園とかで体鍛えて、ホテルでオナニーしてみたいな。何をしてるんだろうっていう。

久田:
 レスラーとしての誇りが?

吉田:
 一線は守るぞという。

剛竜馬に出演費をふっかけられた!?

サムソン高橋:
 本当に、ノンケの人たちがビデオに出るっていうのは、みんなお金目当てなんですけど、そこでちょっとでも気持ちよくなって楽しんでいただいたら、ゲイとしてはそんなドリームはないぞ、っていう感じで。なるべくそういうのを撮りたかったんですけど、剛竜馬に関しては、まったく何のドリームもなく、つらいだけの撮影で、「この人は金に困ってるんだな」っていう。

 で、オナニービデオとかも、よくて5万円とかいう世界ですよ。

吉田:
 よくて5万?

サムソン高橋:
 私の15年、20年ぐらい前の話だから、今はもう本当に3万とか2万とかそういう世界ですよ。

吉田:
 当時で知名度あっても、もらって10万とかって感じなんですかね。

サムソン高橋:
 そうですね。で、そういう話をしたら、剛さんは、前のビデオ会社だと「50万ぐらいくれたよ」みたいなこと言って、絶対にそんなことはない。

吉田:
 ふっかけてるわけですよね。

久田:
 ないでしょうね。

サムソン高橋:
 で、何とか7万ぐらいにはしたんですけれども(笑)。

久田:
 (笑)。でも高いですよ。

吉田:
 いや、高いも何も、あの知名度の人が一生言われるネタを作っちゃうと思うと、50万とかでも安いですよ。

サムソン高橋:
 本当にそういう過程も含めてつらい仕事の一つとして、私の心の中には残ってます。

▼記事化の箇所は37分17秒頃からご視聴できます▼

『【サムソン高橋参戦】久田将義×吉田豪のタブーなワイドショー』

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