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『ダンベル』主演声優「ファイルーズあい」とは何者だ? 心にジョジョ「空条徐倫」を住まわせる彼女の素顔に迫ったロングインタビュー

 ファイルーズあい──niconicoでも人気の2019年夏アニメ、『ダンベル何キロ持てる?』でTVアニメ初主演を果たした若手声優の名前だ。
 彗星のごとく現れた彼女は、ナチュラルで個性的な声質と、有名声優陣の中に居ても物怖じしない演技力、youtube動画での堂々とした立ちふるまいから、「いったい何者なんだ?」と注目の的になっている。

 彼女は『ダンベル何キロ持てる?』の出演に合わせて、いくつかのメディアで取材を受けていた。その内容の多くは作品に紐づくエピソードだったが、合間あいまに登場する個人的なエピソードが特に気になってしまった。
 「小学生でエジプト留学」「ジョジョの大ファンである」「絵がとてつもなく上手い」など、これらのバックグラウンドを掘り下げることで、彼女のことをもっと深く知りたいと思ったのだ。

 そこで今回、ニコニコニュースORIGINALでは、ファイルーズあいさん個人にスポットを当てて、インタビューをおこなった。 クラスに馴染めなかった学生時代の話や、声優を志したきっかけなどなど… 2時間に及んだロングインタビューは、多くの人に”元気”をもたらしてくれる内容になったと思う。強く、熱い、心から発せられた言葉の数々を、ぜひ読んでみて欲しい。

取材・文・編集:金沢俊吾
取材・監修:腹八分目太郎
撮影:金澤正平
ヘアメイク:Je suis heureuse tokyo


──今日はファイルーズさんの……

ファイルーズあい:
 あ、発音が違います!「ファイ↑ルーズ」です。ファブリーズと同じ発音だと覚えてください(笑)。

──失礼しました! では、ファブリーズの発音で「ファイルーズさん」とお呼びしますね。

ファイルーズあい:
 でも、なんとでも呼んでいただいて大丈夫です。「ファイさん」でもいいですよ!

──わかりました(笑)。では、改めまして、ファイルーズさんご本人について色々とお聞きしたいと思います。よろしくお願いします!

ファイルーズあい:
 はい、よろしくお願いします!

──さっそくですが、ファイルーズさんのイラストがすごいと噂になっています。今日はファイルーズさんが描かれた絵を持ってきていただいたので、見てもいいですか?

ファイルーズあい:
 はい! これと。

──……え? マジですか?

ファイルーズあい: 
 これと、

──上手すぎる……。

ファイルーズあい:
 もう5年ぐらい前なんで恥ずかしいんですけど(笑)。

──ガチじゃないですか!

ファイルーズあい:
 専門学校がグラフィックデザイン科だったんです。アニメっぽい絵はそんな得意じゃないですけど、劇画調が好きで。
 こういうのを展示したり、あとマンガを描いて、自分の描いたマンガが、いつかアニメになったらうれしいなって思います。

──相当描き込んでこないと、ここまでにならないと思うんですけど、ちいさい頃から描くのはお好きだったんですか?

ファイルーズあい:
 ちいさい頃は人並みにしか描いてなかったです。中学のときも、好きなマンガの模写をちょっとするぐらいでした。高校に入ってから、すごく絵のうまい同級生の子がいて、私も描けるようになりたいって思って、それからちゃんと描きはじめました。

──すごいです、これは。数字とかモチーフに、何か意味があるんですか。

ファイルーズあい: 
 何もないと思います。テキトーなんですよ。なんだろう、描いたときはもしかしたらあったのかもしれないですけど。

──いろんなテーマがありそうな感じがしますね。みんなが勝手に深読みすると思います(笑)。

ファイルーズあい:
  じゃあ考察班のみなさんにお任せします(笑)。

──絵のプロになろうと考えたことはなかったんですか?

ファイルーズあい:
 イラストの就職で求められるのが、アニメっぽい絵とかゲームのキャラクターが多かったんですけど、あんまり上手く描けなくて。劇画調の絵を描くのが好きだったので、やっぱり趣味で描くほうがいいなと思ったんです。

──仕事として求められたことに応えるよりも、自分の描きたい絵柄だったり、モチーフを描いていきたいっていうことですかね。

ファイルーズあい:  
 はい。もちろん、私の絵を注目してくれて、好きになってくれる方がいたらうれしいですけどね。

──最近も描かれてるんですか?

ファイルーズあい:
 えっと、筋トレにハマってからあんまり描かなくなっちゃいました(笑)。

──ここでまさかの筋肉が(笑)。

ファイルーズあい: 
 ずっと座って描いたりしてると、筋肉が落ちちゃうんじゃないかと思って(笑)。でも、いまみたいに、こうやって褒めてもらえると刺激になるので、また描きたいなって気になってます。

『ダンベル何キロ持てる?』の影響

──筋肉のお話もありましたが、『ダンベル何キロ持てる?』の主人公、紗倉ひびき役が大きな反響を呼んでいます。やっぱり環境がガラッと変わったと思うんですが、いかがですか?

ファイルーズあい:
 『ダンベル何キロ持てる?』が人生初のテレビアニメのアフレコだったので、現場の雰囲気も全くわからないままの参加だったんですよ。やっぱり、声優として大きな第一歩になったことは間違いないです。

 あと、母や父に対して、ドカン! と報告できるものが、やっとできたなと思いました。友達もたくさん連絡くれたりしたのが、すごくうれしかったですね。

──身近な人から反響があるのはうれしいですよね。

ファイルーズあい:
 もちろん身近な人だけじゃなくて、ひびきっていうキャラクターを通じて私の声がいろんな人に聞いてもらえて、それでひびきがもっと愛されるキャラクターになってくれて。それがすごくうれしいです。 

──ニコニコのコメントを見ていても、「すごい声優が現れた」って声がたくさんありました。

ファイルーズあい:
 うれしいです! ありがとうございます。
 でも、最初に第1話を観たときは、自分の演技がすごく棒読みに聞こえたんですよ。だから、ネットに「棒www」って書かれるんだろうなとか、ネガティブな気持ちになっちゃって。
 でも先行上映会で、会場のみなさんからおっきな拍手いただいたときとか、アニメが放送されて、喜んでいただけてるのを知ったときは、本当に安心しました!!

 ただ、歌に関しては、自他ともに認める音痴だったんですよ。

──ええ、ほんとうですか?すごく上手だなと思いましたけど。

ファイルーズあい: 
 いえいえ、それは「お願いマッスル」が歌いやすい曲だったからです。

──セリフっぽいパートが多い曲ではありますよね。

ファイルーズあい:
 そうですね。だから、曲に恵まれてたっていうのが大きいです。
 でも、音痴なのはわかっていても、カラオケで歌うのは好きだったので、ずっと歌は続けていたんです。苦手だからってやめないで、続けててよかったなって。こんなふうに評価してもらえる日がくるなんて、思いもしなかったので。うれしかったですね。

ファイルーズ式「不安解消法」

── 「みんなに見てもらう前に不安だった」って仰ってましたけど、そんなとき、どういう感じになるんですか。ごはん食べれなくなるとか。

ファイルーズあい:
 ごはんはいつでも食べます! 「おまえはおいしいなあ!」って白米に話しかけて(笑)。落ち込むと……外国で永住権を得る方法を調べちゃったりしますね(笑)。

──それは……日本から逃亡するってことですか?(笑)。

ファイルーズあい:
 「声優ダメだったらどこに住もうかな」みたいな(笑)。
 あと、私と同じ気持ちの人を『Yahoo!知恵袋』で検索するんですよ。例えば、「自分に自信がない」とか、「自分のことがキライ」ってワードでYahoo!知恵袋で調べると、私と同じ人いっぱいいるじゃん、みたいな。私だけじゃないって思えると、勇気をもらえますね。

──海外永住権とYahoo!知恵袋が勇気をくれるんですね。

ファイルーズあい:
 それで、「終わったものは、もう悩んでもしょうがない」って思うようにしてます。例えば、アフレコが上手くいかなくても、それはもう自分の技術不足のせいだし、録り終わった後にはなにもできないから。

──なるほど。自覚的に気持ちを切り替えられている感じがしますね。

ファイルーズあい:
 そうかもしれないです。筋トレを始める前は、引きずりがちだったんですけど、今はもう、「四の五の言う前にジム行ってカラダ動かしちゃえ!」って。体動かすとサッパリした気持ちで帰れるので、引きずらないでいられますね。

──でも、ここ数カ月でイッキにいそがしくなったじゃないですか。ジム通えてますか?

ファイルーズあい:
 ジム、余裕で通えてます! そんなにいそがしくないです(笑)。ああ、自分で言うと切なくなる……(笑)。

── きっと、すぐに通えなくなっちゃうと思いますよ!

ファイルーズあい: 
 いそがしくなりたいです!

ちいさいころの記憶

── それでは、ファイルーズさんが、ちいさい頃のお話を聞かせてください。いちばん最初の記憶ってなにかありますか?

ファイルーズあい:
 幼稚園生のとき、家族でディズニーランドに行ったんです。で、私、テンション上がっちゃったのか、おもいっきり走り出しちゃって、夜のパレードの時間まで見つかんなかったらしくて(笑)。

──え、夜まで!? 半日、ずっと1人で歩き回ってたってことですか?

ファイルーズあい:
 そうなんです。家族はもう、私のこと探すのでいっぱいいっぱいで、アトラクションどころじゃないですよ。
 夜になって、キャストさんが、私を家族のところに連れて行ってくれたんですけど、私は「えっ、ママたちどこ行ってたの?」って感じで。本人は迷子になってる自覚なかったんです。

── すごい(笑)。

ファイルーズあい: 
 ちっちゃい頃から破天荒でした(笑)。

──ぐいぐい行ける子どもだったんですね。

ファイルーズあい: 
 ぐいぐい行ってましたね~。通知表にも、「元気で明るい子」って書かれてました。
 あと、破天荒とはちょっとイメージ違いますけど、母親のしつけがすごくシッカリしていたので、目上の人に対する言葉づかいとか、態度がとても丁寧な子って言われたことがあって。

──打ち合わせでお会いしたときから、腰が低くて言葉づかいが丁寧な方だなって思っていました。

ファイルーズあい: 
 本当ですか? それはやっぱり母の教育のおかげだと思うので、すごくうれしいですね。

──ご両親は、どんな感じの方でしたか?

ファイルーズあい: 
 普通の親です(笑)。私の性格は、どちらにもあんまり似てないんじゃないかなあ。
 父がエジプト人で、母が日本人ですね。

──そうなると、家ではみなさん何語で話すんですか?

ファイルーズあい: 
 父がいるときは、母も私もアラビア語で話しますね。

──ちなみに、ご両親ってどうやって出会われたのか知ってます?

ファイルーズあい:
 聞いてみたことあるんですけど、「ナイショ」って言われるんです。

──ええー(笑)。

ファイルーズあい: 
 娘の私にもナイショなんですよ! 父も母もあんまり自分を語りたがらない。私はこんなに、おしゃべりなのに(笑)。

──でも、いつか聞いてみたいですよね。

ファイルーズあい:
 そうですね。でも、昔は気になってたんですけど、今はあんまり気にならないです。愛し合っている両親の間に産まれた子ども、ってことがわかっていれば、なんの問題もないです。

──おお、ステキです!

ファイルーズあい:
 きっかけよりも、いま愛し合ってることが大事!(笑)。

エジプトは自分のルーツであり、誇り

──小学生の頃は、どんな子どもだったか覚えてますか?

ファイルーズあい: 
 外で遊ぶのが好きでしたね。川に行ったり、秘密基地つくったり、カエルと遊んだり。

──え、カエルと遊ぶんですか(笑)。ぜんぜん想像がつかないです……。

ファイルーズあい:
 
学童に、積み木のクルマが置いてあったんですよ。それに大きめのカエルを乗せて、連れ回してました(笑)。

──それはなかなか破天荒ですね(笑)。

ファイルーズあい:
 あとは『遊☆戯☆王』が好きでした! 『遊☆戯☆王』がクラスで流行ったときは、私がエジプト人のハーフなので、そのときだけは唯一、ちょっといけてるキャラに扱われたんですよ。基本、ずっといけてなかったので。

──そうなんですか。クラスの輪の中心にいそうですけど。

ファイルーズあい: 
 全然です。小中高通して、「いけてない芸人」だったので(笑)。

──そんな……(笑)。

ファイルーズあい:
 ほんとうに、いけてなかったんですよ。でも、 『遊☆戯☆王』で、「ファラオ」とか、「千年リング」が出てきたときには、ちょっと注目されましたね。

── じゃあ、『遊☆戯☆王』に限らず、アニメや漫画の世界から、エジプトっぽいものが出てきたときは、やっぱり親近感が湧きましたか?

ファイルーズあい: 
 すっごくうれしかったです!
 ずっと、自分がハーフであることがコンプレックスだったんです。でも、アニメやマンガを通して注目してもらって、「エジプトが好き」って言ってくれる人が増えると、すごくうれしかったんですよ。
 「ああ、コンプレックスじゃないんだ。誇りなんだ」って気付けましたね。

 だから「ジョジョ」でも、3部を読んだときは、うれしかったですし。【※】 ジョジョ好きの人と友達になると、「アヴドゥルじゃん!」って言ってもらえるんで。

※『ジョジョの奇妙な冒険』、シリーズ第3部はエジプトが舞台になっている。

──なるほど(笑)。

ファイルーズあい:
 「そうなの! マジシャンズレッド出しちゃうよー!」って(笑)。

──そんな中、実際にエジプトに行って生活したんですよね?

ファイルーズあい: 
 はい、小学校5年生の2学期から行きました。

──それは、ご両親のお仕事の関係とかではなく、自分の意志で。

ファイルーズあい:
 そうですね。両親はそのまま日本にいて、私だけエジプトに行きました。小学校卒業までの1年半。小学校をエジプトで卒業してきました。

──それは、短期留学的なプログラムがあったわけでもなく?

ファイルーズあい: 
 プログラムとかではないですね。
 自分の故郷は日本であり、エジプトでもあるじゃないですか。だから、「エジプトのことも知らなきゃ! 」って思ったんですよ。そんな話を母としたら、父方の祖母がカイロに住んでいたこともあって「カイロの日本人学校に行ってみたら?」って言われて、1人で行くことになったんです。

──「エジプトにも自分のルーツがあるから知りたい」って、小学校5年生にしてはとても進んだ考え方だと思うのですが。

ファイルーズあい: 
 もしそうだとしたら、環境のせいもあったのかもしれないです。
 やっぱり、どうしても、色眼鏡で見られることが多いんですよ。「エジプト人だから〇〇なんでしょう?」みたいな見られ方!
 そういう色眼鏡に反論したくても、私もエジプトを知らないから、何も言えないじゃないですか。だから、実際にエジプトに住んで、現地に住んでるいろんな人たちを見てみたいなって。「偏見みたいな言葉に言い返すぞー!」って意気込んでたのかも。

──なるほど。しっかりとした目的というか、意志があったんですね。

ファイルーズあい:
 そうだったんだと思います。

──実際にエジプトに住んでみて、どうでした?

ファイルーズあい: 
 ホームシックにはなりましたね。

──そうか、それはそうですよね。

ファイルーズあい:
 自分の日本人的な部分を理解してくれる人って、エジプトには誰もいないわけじゃないですか。言いたいことがあってもアラビア語が出てこなくて言えなかったりとか。
 あと、お母さんとも、今みたいにLINEとかSkypeがなかった時代なので、国際電話も高いからなかなか話せなくて。

──現地で理解してもらえなかった日本人的な部分って、具体的にどういうことだったかって覚えてます?

ファイルーズあい:
 例えば、食事ですね。
 現地の大きなスーパーマーケットでは日本食も売っていたので、海苔を買って食べていたのですが、周りからは「それなに食べてるの?」って顔をされるんですよ。

 あとは、エジプト人って、家族の団らんを大切にするんです。でも、私、1人の時間もすごく大事で、誰にも部屋に入ってきてほしくないってときもあるじゃないですか。だから、気を使っちゃって、ちょっと疲れちゃったりしましたね。

──カイロの家での1人の時間は、アニメを観たり、マンガを読んだりはしてましたか?

ファイルーズあい:
 それはあんまりなかったですね。そもそも調達できないんですよ。今みたいに海外発送もあんまりなかったので。たまの休みに、日本に帰った子が持ってきたマンガを読ませてもらったことはありました。

──ファイルーズさんが日本から持っていったマンガとか、ビデオはなかったんですか?

ファイルーズあい:
 ないですね。当時はあんまりオタクじゃなかったんですよ。でも小学6年生の終わりの頃、私がちょうど、もうすぐ日本に帰るってときに入ってた新しい生徒が、「いま、日本でこういうが人気なんだよ」って教えてくれたのが、『銀魂』、『D.Gray-man』、『BLEACH』とかで。

──ジャンプ作品ですね。

ファイルーズあい:
 その影響か分からないですけど、日本に帰ってきたら、少年マンガをだぁー!って読んで、だぁー!ってハマっちゃって。それからはもう、限界オタクになりました。

──限界オタク(笑)。ちなみに、アニメ、マンガみたいな文化って、当時のエジプトにはありましたか? 例えばテレビで毎週アニメがやってるとか。

ファイルーズあい:
 『名探偵コナン』とか、『キャプテン翼』。あと『NARUTO -ナルト-』もやってましたね。でも、どうしても検閲の関係で、女性の裸とか水着が出せないので、放送できるアニメが限られてたと思います。『NARUTO -ナルト-』も、「お色気の術」は規制されてたんじゃないかな。

エジプトにいた、目が血走った猫

ファイルーズあい: 
 あ、エジプトの忘れられない出来事があるんです。ちょっとホラーなんですけど、話していいですか?

──ぜひ聞きたいです。

ファイルーズあい:
 エジプトって野良猫がたくさんいるんですけど、めちゃくちゃ汚いんですよ(笑)。日本にいる、かわいい、「にゃあ~~」みたいなのじゃなくて、血走ったような目で。

──つねに獲物探してるぞ、みたいな。

ファイルーズあい:
 飢えた野獣なんですよ、あいつらは(笑)。
 それで、私、その頃インコ飼ってたんですね。セキセイインコを2匹。

──……イヤな予感がしてきました。

ファイルーズあい:
 ある日、学校から帰ってきたら、インコが1匹いないんですよ。お手伝いさんに、「1匹いないんだけど」って聞いたら、「私が出勤したら死んでたから、ゴミ捨て場に捨ててきちゃった」って言われて(笑)。

──そんな! ひどい!

ファイルーズあい:
 「おいおい、バグってるな! 」って思いましたよ(笑)。当時、鳥インフルが流行ってて、危ないからってゴミ捨て場に捨てられちゃって。で、泣きながらゴミ捨て場を見に行ったら、血走ったネコがインコをくわえて、私を睨みながら「ニャー!! 」って。
 私の愛でてた、かわいいインコを口にくわえてるんですよ!それがすごくトラウマです(笑)。

──笑っていいのかわかんないですよ(笑)。ファイルーズさん笑ってるから、つられて笑っちゃいますけど。

ファイルーズあい:
 すみません、笑えないですよね(笑)。そんなエジプトでの1年半でした!

エジプトで育んだ、明るい性格

──エジプトでの生活を受けて、帰国してからの生活はどうでしたか?

ファイルーズあい:
 エジプトに行く前以上にクラスになじめなかったです。帰国子女だと、そのとき日本で流行っていたものがわかんないんです。話にもついていけないし。

 あと、すごく悔しかったことがあって。
 エジプトで英語の授業あったんですけど、もう全然わかんなくて、それが悔しかったんですよ。だから、日本に戻ってきて、中1から英語の塾に通わせてもらったんです。そしたら、クラスの中で、「あいつ帰国子女だから英語ひけらかしてる」って、バカににされちゃって。「いや違うし! 私、帰ってきてから勉強したし! 」みたいな。

──ああ……それは悔しいですね。

ファイルーズあい:
 そんなことがありました。でも、明るい性格とかは、エジプト生活のおかげじゃないかなと思っています。

──やっぱり、エジプトは明るい人が多いんですか?

ファイルーズあい:
 明るい人が多いですね。みんな、すごく親切で、やさしかったです。あと。おしゃべり好きで、誰にでも積極的に話しかけていく人が多かったです。

──それって、いまのファイルーズさんの魅力にすごくつながってると思います。

ファイルーズあい:
 いやー、よかったです!

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