大人と10代の目線の違いを卓越した技術で合わせていく--GW映画のダークホース『スウィート17モンスター』を映画評論家と女優が語る
新進女優・タレントが週替りで番組MCをつとめる映画情報番組 『シネマのミカタ』。4月19日(水)の第2回の放送では、先週に引き続き、映画トーク番組『生シネ』の映画解説名コンビの中井圭さん、放送作家の鈴木裕史さんが出演。週替わりの番組MCは、女優の岡村いずみさんが担当しました。
4月22日(土)から劇場公開されている『スウィート17モンスター』。中井さんがゴールデンウイーク映画のダークホースだと予想するこの映画を、出演者の皆さんに自身の胸が痛くなる青春の経験を交えながら、紹介していただきました。
自分の青春時代の記憶と重ねて見る「誰の物語でもある映画」
中井:
この『スウィート17モンスター』は知名度こそ高くないかもしれませんが、ゴールデンウイーク映画の中で、ダークホースです。
岡村:
ビートルズが流れる映画は名作【※】。そんな気がします。ビジュアルもかわいいし。
※予告編で流れている『Help!』は、歌手のハウィー・デイがカバーしたもの。
中井:
(内容は)青春映画なんですよ。80年代にジョン・ヒューズ【※】っていう青春映画をたくさん作っている映画監督がいまして、その監督の作品が好きな人は、これも好きだと思います。
※ジョン・ヒューズ
1980年代に活躍した映画監督。代表作は『ブレックファスト・クラブ』など。『ホーム・アローン』シリーズの脚本も担当している。
鈴木:
「ああ! あの世界ね!」っていう感じね。
中井:
そうそう。これは、鈴木さんにとっても、“鈴木さんの物語”だし、いずみちゃんにとっても、“いずみちゃんの物語”だし、僕にとっても“僕の物語”なんです。
相性の悪い母親、リア充の兄。心の支えは幼馴染みの親友
中井:
アカデミー賞にもノミネートされた、ヘイリー・スタインフェルドが17歳の女の子を演じています。劇中ではお父さん、お母さん、そしてお兄ちゃん、という家族構成なんですね。お父さんはすごく優しいけど、お母さんは娘に対して厳しい。そして、お兄ちゃんは、何でもできるし、めっちゃモテる(笑)。
鈴木:
リア充……。
中井:
主人公は特に何も取柄がない。
岡村:
お兄さんに引け目を感じちゃうよね……。
中井:
友達も全然できないし、という子なんですけど、そんなある日、お父さんが亡くなってしまった。お母さんとは、もともと馬が合わないし、お兄ちゃんも嫌いだし。でも唯一、幼馴染みの女の子がいるんですね。その子が支えだったんだけれども、その子が……。
鈴木・岡村:
まさかの!?
中井:
自分のお兄ちゃんと付き合うというね。
岡村:
いやぁ、キツイなぁ。