“SSR1%のガチャは100回やれば確実に当たる”←意外と多い確率に関する勘違いを数学的に解説! いったい何回ガチャを回せば1%を引ける?
ソーシャルゲーム好きな方々にとって、切っても切り離せない存在の「ガチャ」。このガチャでいわゆる“当たり”が出る確率は、一体どのくらいでなのでしょうか。
本記事では、ア=ジさんは自身が投稿した『【数学講座】ネイピア数のしんぴ #1 ガチャの確率【ゆっくり解説】』という動画で、わかりやすい例題を用いて解説を行います。
第一章 1%の当選確率なら100回回せば当たる?
突然ですが問題です。スマホゲームに熱中するAさんがいました。ガチャで1%を引くべく、某プリペイドカードを買いに行きます。いくら課金しようかと悩むAさんは、こう考えました。「1%のガチャなら100回回せば当たるでしょ」。果たして、この考えは正しいのでしょうか。
確かに「1/100のガチャは100回回せば当たる」と考えてしまうかもしれません。しかし、それは天井の設定がある場合です。世の中はそんなに甘くありません。
結論から言うと1/100を100回で当てる確率はわずか60%ちょっとしかないのです。
第二章 母数が大きいほど当選確率は下がっていく
どうしてわずか60%程度の確率になってしまうのでしょうか。イメージしやすいよう、まずは「1/2の確率を2回」で考えてみましょう。
ジャンケンを2回やれば、1回は必ず勝てるでしょうか。某RPGの蘇生呪文は2回唱えれば、1回は成功するでしょうか。経験的にそんなことはないですよね。それでは計算をしていきましょう。
1/2のガチャを1回外す確率は1/2。1/2のガチャを2回連続で外す確率は、1/2の2乗で1/4です。よって1/2を2回やって、少なくとも1回当たる確率は(1-1/4)で3/4、つまり75%しかないのです。
ジャンケンを2回して1回以上勝てる確率は3/4ということですね。同じように「1/3の確率を3回」で考えてみましょう。1/3を3連続で外す確率は、2/3の3乗で8/27です。ですので、少なくとも1回当たる確率は(1-8/27)の19/27。計算するとおよそ70.4%です。
さらに「1/4を4回」だと、(1-(3/4)^4)で175/256。およそ68.4%。1/5を5回だと、(1-(4/5)^5)となり、2101/3125で、わずか67.2%ほどです。
このように、どんどん確率が減っていくのがわかります。
第三章 結論:1/100のガチャを100回回して当たりを引くのは63.4%
確率のからくりが理解できたところで、本題です。「1/100の確率を100回」はどうなるでしょうか。
求める確率は(1-99/100)^100)。パソコンに計算してもらったところ、その確率はおよそ63.4%でした。つまり例題のAさんは、100回分の課金をしたところで、せいぜい63%ちょっとの確率でしか当たりを引けないのです。
この事実には、「確率勉強する前なら誰もが通る誤謬だと思うw」「4割弱で当たらないなら無駄にガチャ回すのやめようかな」「ガチャに課金するのが間違いなんだよなあ・・・」「ガチャは出るまで回すから100%当たるともいえる」といった様々なコメントが寄せられました。
解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。
『【数学講座】ネイピア数のしんぴ #1 ガチャの確率【ゆっくり解説】』
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