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青春描写の代表格「制服でプール掃除」を経験した人ってホントにいるの? “ウソ青春”かどうかを渋谷&秋葉原の若者200人に聞いて確かめてきたぞ

 突然ですが、あなたは“制服でプール掃除”をしたことがありますか?

 夏の青春のワンシーン……気になるヒトと下校したり、打ち上げ花火を一緒に見上げたことがあるという人は、まぁいるだろう。しかし、だ。「制服でプール掃除」というまぶしい経験は夏の青春のワンシーンとしては星5級にレア……いやそもそも人生に実装されてないんじゃないか? 少なくとも僕の周りでそんな青春を引き当てたヤツはいません。

 にも関わらず、某清涼飲料水メーカーが打ち出す夏のテレビCMには、当たり前のように「制服でプール掃除」が描写されています。

 「制服でプール掃除」というありがちなワンシーン。これって実は“ありえない光景=ウソ青春”なんじゃないの? いや、それは単に僕がモテなかっただけで、輝いている青春を過ごしている人が日本一多そうな街――渋谷で若者100人を対象に調査をすれば経験者はいるかも知れない。

 本記事は、気温30度を超える絶好の街頭アンケート日和のなか、ウソ青春の疑惑を解明すべく若者たちに“夏の青春の風景”に関する意識調査をおこなった記録である。

取材/トロピカルボーイ


渋谷駅、ハチ公前。

 今年は新型コロナウイルスの影響で、ほとんどがマスクを着用しているものの、元気な若者たちに意識調査を行うことができた。

 調査方法は、「あなたの青春にこんな場面はありましたか?」という設問に対し、「気になるヒトと下校」「打ち上げ花火を一緒に見上げる」「制服でプール掃除」の3つの回答のうち、複数の経験がある場合は該当する経験のすべてにシールを貼るというものだ。
 アンケートに協力してくれたものの、該当する場面がない場合も調査対象として100人のうちにカウントしている。

 そして、渋谷の若者100人に聞いた調査結果がこれだ!

アンケート協力者100人のうち、「気になるヒトと下校 60人」「打ち上げ花火を一緒に見上げる 33人」「制服でプール掃除 4人」という結果になった。

 結論として、経験者は少ないものの「制服でプール掃除」は確かに実在していた!

 詳細を聞いてみたところ……「高校生の頃、学年全員でプール掃除しましたよ。水は抜いた後だったのでみんな制服でした」「特に恋愛が絡むようなことはなかったですけど、ありますよ!」「えっ、みんな制服でプール掃除してないんスか?」といった回答を得られた。

 「制服でプール掃除」は本当に一般的な思い出なのか!? 渋谷か? 渋谷だからか? どうしても納得できなかったので場所を秋葉原に変えて調査を続行した。

秋葉原、電気街。

 この街でも元気な若者たち100人にアンケートを実施した。

 その結果がこれだ!

アンケート協力者100人のうち、「気になるヒトと下校 64人」「打ち上げ花火を一緒に見上げる 38人」「制服でプール掃除 1人」という結果になった。

 渋谷での調査結果に比べて、「気になるヒトと下校」および「打ち上げ花火を一緒に見上げる」の経験者はやや多いものの、「制服でプール掃除」という青春の経験者は1人のみだった。

 ただひとり秋葉原の調査で「制服でプール掃除」を経験したという白シャツ氏(仮名)に詳細をうかがった。

左が白シャツ氏(仮名)

失礼ですが、本当に制服でプール掃除を経験されたんですか?

自分、水泳部だったんスけど先輩がみんな引退しちゃって学年でひとりだけの水泳部だったんですよね。毎年プール掃除は夏休み前に水泳部がやってたんですけど、野球部の顧問だった担任がかわいそうだっつって、野球部も掃除を手伝わせたんスよ。放課後だったんで、制服でプール掃除したんですよね。

なるほど。ということは「気になるアイツとキャッキャウフフ」みたいなイベントではなく……。ひょっとして男子校だったとか? 

でもプール掃除してたら、隣の校舎の窓から女子たちがからかってきたんスよ。

っつ!? 

で、俺も女子たちに向かって手を振ったら、ひとり手ェ振り返してくれたコがいたんスよね。したら、その手ェ振り返してくれたコが1週間くらいしたら告白してきて……。実はそのとき、俺付き合ってたコがもういたんスよ。だから、「ごめんなさい」って言って断ったんです。

……ギリッ(歯ぎしり) 

でも、夏休み明けたら告白してきたコに彼氏が出来てて……。後で知ったんスけど、どうやら俺に告白してきたその後ソッコーで作った彼氏だったらしくて。なんか、フラれたわけじゃないのに切ない気分になったの覚えてますよ。

うわー、甘酸っぱい青春ですね! あっさり彼氏ができてるところがリアルです。経験談をお話しくださってありがとうございました! 

 秋葉原の調査では結果として「制服でプール掃除」の経験者は一人のみだったが、某清涼飲料水のCMの甘酸っぱさに匹敵する破壊力バツグンの青春体験談を聞くことができた。

 「制服でプール掃除」の経験者は少数ながらも実在した。

 この夏も、夏の青春の風景をテーマにしたCMが街に、メディアに溢れている。なぜ、夏にはそういったCMがあふれるのか? そこには「夏の画像を見ると死にたくなる」というネットミームの存在を無視することはできない。
 つまり、多くのCMで扱われている「夏の青春の一コマ」は大多数の人間にとって「経験したくてもできなかったもの」であり、「夏の画像を見ると死にたくなる」という言葉は「『自分が手に入れることができなかった青春時代』を悔やむ表現」(宣伝会議より)に他ならないというわけだ。

 「制服でプール掃除」という実在しつつも、大多数が経験することのない青春の風景がCM等で描かれ続けるのには、そうした手に入れることができなかった青春時代を求める人々の心が原因にあるのかもしれない。

 渋谷と秋葉原で調査に協力してくれた、今まさに青春時代の真っ只中にいる若者たちに深く感謝しつつ、記事の締めくくりとしたい。

■info

 niconicoでは「アニメ水着回セレクション一挙放送2020【プール回vs海回】」と題して、アニメの無料放送を実施します。あなたの夏の青春の思い出づくりにぜひご視聴ください。

▼「アニメ水着回セレクション一挙放送2020【プール回vs海回】DAY1.プール回」 8月15日(土)22:00開始▼

▼「アニメ水着回セレクション一挙放送2020【プール回vs海回】DAY2.海回」 8月16日(日) 22:00開始▼

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