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【残念な時刻表】止まりすぎて普通列車に追いつかれまくる残念な快速を時刻表ソムリエが解説!

 「快速」と聞けば、当然ながら普通列車を追い抜いて目的地に早く着くものを想像するだろう。しかし、世の中にはその名に反して、後から来た普通列車に追いつかれてしまう快速になっている、なんとも「残念な時刻表」が存在する。

 そんな変な快速にとどまらず、徒歩に負ける列車や1駅しか移動しない電車など、「残念な時刻表」は数多く存在する。

 時刻表を眺め、このような「残念な」状態にある時刻表を探し出し、「なぜこのような時刻表<ダイヤ>になったのか」を想像することを楽しむ、自称・変な列車・残念な時刻表ソムリエの渡辺雅史が、「残念な時刻表」の世界を繰り広げる連載をニコニコニュースでもお届け!


自称・変な列車・残念な時刻表ソムリエ

 ニコニコニュースオリジナルをご覧のみなさま、はじめまして。渡辺雅史と申します。
 Web媒体や紙媒体での記事執筆のほか、テレビやラジオの番組構成スタッフ、シェアハウスの管理人、UberEatsの自転車配達員など、さまざまな仕事をして収入を得ている、世間的にはよくわからない職業の私ですが、趣味は鉄道に乗ることです。
 まだJRが国鉄だった小学生の頃から時刻表を購入して鉄道旅を繰り返し、大学生の頃にはJR線全線に乗車。30歳になる前に全国の鉄道路線に乗車してしまいました。

『最後の国鉄直流特急型電車』JTBパブリッシング

 当時からの習慣で今でも毎月時刻表を購入しています。そして、時刻表で変わったルートを通る列車や、残念な感じで運用をされる列車を探すのが趣味です。
 本稿は、自称・変な列車・残念な時刻表ソムリエである私が、時刻表で見つけた残念な列車・時刻表をご紹介する連載企画です。鉄道ファンの中の一部である時刻表ファン、その中のさらにこじらせたタイプであろう残念な列車・時刻表を見つけるファンという、狭すぎる層をターゲットとしたニッチ過ぎるものなので、連載企画といっても何回続くかわかりません。しかし、このような度が過ぎたマニアックな趣味についてあれこれ書かせていただく機会をいただけるのは大変ありがたいことなので、なるべく長く続けられるよう、鉄道や時刻表のことに取り立てて情念はない、交通機関としてのみの関わりしかない方でも楽しめる感じで書いていこうと思います。

今回紹介する「残念な時刻表」

 今回紹介するのは、東海道本線の国府津(こうづ・神奈川)を19時17分に出発。湘南新宿ライン、高崎線などを経由して前橋(群馬)までゆく快速列車です。

 土曜・休日限定で運転されるこの列車は、神奈川県小田原市にある国府津を出て横浜、渋谷、新宿、池袋、大宮、熊谷、高崎などを通って群馬県前橋市の前橋に23時06分に到着します。使われている車両は他の湘南新宿ラインと同じ列車で、4号車、5号車の2両がグリーン車となっています。途中の湘南新宿ライン(大船〜新宿〜大宮)の区間にある東戸塚、保土ヶ谷、新川崎、西大井の4駅を通過するため「快速」として運転されています。

残念ポイント①:後続の普通列車に追いつかれる

 この快速列車の残念さが味わえるのは、国府津を出発して2時間30分後、熊谷(埼玉)を出発してから。熊谷の次に停車するのは籠原(埼玉)で到着時刻は21時53分。この駅で快速は6分間停車します。籠原は車庫のある駅で、都心から15両編成で走ってきた列車の多くはここで5両を切り離し、10両編成の列車として高崎方面へ向かいます。おそらくこの列車もそんな切り離しの作業を行うために停車すると思われます。
 そんな切り離し作業を行なっている途中、この列車は後からやってくる「普通列車」に追いつかれます。それは、21時57分に籠原に到着する普通列車。この列車は小田原を19時15分、国府津を残念な快速列車の6分後、19時23分に出発します。

埼玉県熊谷市新堀にある籠原駅

 籠原で6分停車している間に、国府津を6分後に出発する列車に追いつかれる。文面で見ると「そりゃそうだ」と思われる現象。ですが先を行くのは快速で、国府津を出発後途中28の駅に停車して籠原へ。一方、後をゆく普通は国府津を出発後途中29の駅に停車して籠原へ向かっています。停車する駅が少ない(とはいえ1駅ですが)快速がなぜ後続の普通との差を広げられないのか。おそらくそれは先行する列車が通る湘南新宿ラインの方が後続の列車が通る上野東京ラインより5kmほど距離が長いためと思われます。むしろ快速だったからこそ5km長い距離を走っても差を詰めさせなかったとも言えるでしょう。

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