「セックスをして良い女になろう」という物語ではない。今さら聞けない『SEX AND THE CITY』をわかりやすく解説
『東京タラレバ娘』は日本版SATC!?
立川:
主役の4人の女優は日本人で言えば誰になるんですかね。
平口:
居ないかな……。私は別物だと思うな。
スタッフ:
どの人を挙げても「違う!」ってなるもん。
立川:
たとえばキャリー役(サラ・ジェシカ・パーカー)が米倉涼子さんだと?
平口:
え!?
一同:
(笑)
平口:
ほらね。こういう空気になるんですよ(笑)。
立川:
弁護士のミランダ役(シンシア・
平口:
うーん(笑)。もっと堅物感のある人が良いなぁって感じになっちゃうんですよ(笑)。
立川:
日本版『SATC』をやろうっていうのはなかったんですかね。
平口:
この前やっていた『東京タラレバ娘』かな。でも、内容的に地上波ではあそこまで(過激な発言や演出は)出来ないじゃないですか。
池田:
『タラレバ娘』のマンガの中でも『SATC』の話が出てきて、主人公がそれに憧れて脚本家目指しましたっていうのがあって、だいぶ影響を受けたんだろうなって。
自分がパーフェクトじゃないんだから、相手にパーフェクトを求めるのはおかしい。
スタッフ:
物語のテーマとして、4人がいろいろすったもんだありつつ、一生のパートナーを見つけていくんだけど、それぞれ皆素敵なの。
平口:
それこそ「結婚がゴールじゃない」と思っていた人たちの3人が結婚するわけですよね。「結婚が本当にめでたしなのか」っていうのが映画でも続くんですよね。
スタッフ:
最高な男を求めていたんだけど、結局その男に欠陥や欠点があっても、「自分がその人の良さを見つけていかなきゃいけないんだな」って思わせてくれる。
平口:
自分がパーフェクトじゃないんだから、相手にパーフェクトを求めるのはおかしい。「そういう自分を好きでいてくれる人が大事なんだ」って気付いていく。劇中でも、最初は玉の輿を狙ってたりするんですけど、結局全然違うタイプの人と結婚する事になる。女の子って最初は男性の理想のタイプをいろいろ言うけど、結局、「結婚したのはこういう人」っていうのはあるでしょ。
池田:
結構ありますね。「えらい妥協したな」みたいな(笑)。
スタッフ:
しばらく離れていた友達って、「結局あいつかよ」って思うじゃん。でも、ずっと一緒に側に居た友達って祝福するんだよね。そういう暖かさっていうのが、意外なくらい出てくるんだよね。最初は嫌な奴らだなって思うんだけど、皆、成長していくのが、良くできてるなって。
立川:
どれくらいから、成長スイッチが入るんですか?
平口:
サードシーズンかな。ミスタービッグ(キャリーの彼氏)との話はすごく大事だからファースト、セカンドを見ていかないと……。ビッグもキャリーも自己中だから、何度もくっついたり離れたりするんです。
池田:
『SATC』を誤解したまま「嫌いだ」って思って、ドラマを見ないのは、ちょっと勿体無いなって思いました。
平口:
『SATC』が好きで、真似してキャーキャー騒いでる日本の女子が嫌いなんでしょ(笑)。
池田:
そうなんです(笑)。だから、「このドラマもきっと嫌いに違いない」って思っていました。でも、ドラマは全然違いましたね。