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いつから犬は“ペット”になったの? 「日本書紀」への登場から“江戸時代のブーム”まで、犬と日本人の関係性の歴史を解説してみた

 今回紹介する、ゆっくりするところさんが投稿した『【ゆっくり解説】日本人と犬の歴史 その1』という動画では、音声読み上げソフトを使用して日本人と犬の関係性の歴史について解説していきます。

投稿者メッセージ(動画説明文より)

今回は、日本人と犬はいつから友達なのか?についての解説です。 なるべく短く、サクっと見られるように割愛した部分もあるので、次回以降歴史などを細かく解説する動画も作りたいと思っております。


いつから犬は“ペット”になったの? 「日本書紀」への登場から“江戸時代のブーム”まで、犬と日本人の関係性の歴史を解説してみた

霊夢:
 犬と人間の歴史を解説していきます。犬の起源は、3000万年前に食肉科の動物が地球上に現れて、そこからクマやネコ、イヌ科等の様々な種類の動物に変化していきました。その始祖と言われているいくつ科の動物の一つがミアキスという小型動物で現在の犬やネコ、アシカなどの食肉目の祖先と言われていて、現在のテンのような姿をしていたと言われています。

 体長は30センチほどで小さく、当時はヒアエノドンという肉歯目が地上を席巻していて、木の上で生活していたらしいです。

魔理沙:
 この頃はどっちかというとネコっぽいですね。

いつから犬は“ペット”になったの? 「日本書紀」への登場から“江戸時代のブーム”まで、犬と日本人の関係性の歴史を解説してみた
いつから犬は“ペット”になったの? 「日本書紀」への登場から“江戸時代のブーム”まで、犬と日本人の関係性の歴史を解説してみた
いつから犬は“ペット”になったの? 「日本書紀」への登場から“江戸時代のブーム”まで、犬と日本人の関係性の歴史を解説してみた

霊夢:
 他にも3300万年から2600万年前に生息していたキノディクティスです。こちらも体長30センチほどで、脚が素早く、死骸から肉を切り取るために鋭利な歯と爪をもっていました。獲物を追いかけるだけじゃなくて、巣穴を掘り返したりして狩猟メインで生活していたようです。

 他にはキノディスムス。3300万年から2600万年前に生息していた、体長1メートルの肉食動物でキノディスムスはコヨーテに近い感じで、収納できる鉤爪をもっていたようです。

 最後は、トマークトゥス。およそ2300万年前に生息していた肉食動物で、大きさや外見も現在の犬やオオカミにかなり近かったと考えられていて、長い間犬の直系の祖先候補だと考えられてきた種です。

魔理沙:
 ここまでくるとほぼ犬ですね。

霊夢:
 現在の犬の形になったのは100万年前、イヌ属分類される動物が出現してからです。

魔理沙:
 オオカミとかですね。

霊夢:
 イヌ属の動物たちは100万年ほど前に、ユーラシア大陸に出現し、長い間アメリカ大陸へと横断を繰り返していた形跡がみられます。そのころのユーラシアとアメリカは陸続きでしたからね。このイヌ属たちの移動は北半球でしかみられなく、南半球のオーストラリア地方では犬の化石は発見されていません。

 さて、次に人間との関係ですが、人間が犬と共に暮らすようになったのは、人がこの世に現れて間もないという説もありますが、イスラエルで発見された人間と一緒に犬が埋葬されていた遺跡が最古のものとされています。人々が狩りで生計を立てていた時代に、一緒に獲物を捕まえたり、追跡させるために家畜化していったようです。

魔理沙:
 狩りのパートナーってイメージは湧きやすいですよね。

霊夢:
 これは仮設ですが、およそ1万5000年前、一頭の好奇心旺盛なオオカミが人間に近付き、共に暮らすようになったと言われていて、この仮設が学術的に一般的な見解となっているようです。これが人間が初めて異種の動物と暮らすようになった動物、犬の祖先であるオオカミです。

 その頃はまだ人間の数よりもオオカミや野生の肉食動物の数のほうが圧倒的に多く、まだ文明も発達していない頃だから武器も少なくて、狩りの成功率も低く、人間の数が増え難い厳しい状況でした。さっきの仮説ですが、人の集落に一頭の若いオオカミが近づき、残飯を食べ始めたとされていてその残飯を食べた事でオオカミは自分で狩りをする必要がなくなり、その集落に住み着いたのがきっかけとされています。

魔理沙:
 意図しないで餌付けに成功していたんですね。

霊夢:
 狩りの必要がなくなった事で、そのオオカミは人を襲わなかったし人もそのことに気づいたと言われています。元々集団生活をするオオカミだから、人間の輪にも入り易かったのかもしれませんね。そのことがきっかけで人間とオオカミはパートナーとなりました。

魔理沙:
 仮説ではあるけどオオカミと仲良くなるきっかけとしては納得がいきますね。

霊夢:
 オオカミは優れた嗅覚で獲物を人よりも先に察知し、追跡して人間達の狩りに協力していました。オオカミのおかげで人は狩りの成功率が上がり、オオカミが住処の周りにいてくれる事で危険を察知して知らせてくれるので今までよりも安全な生活が出来て人口も増えて行ったようです。

 その後、人間は農耕技術が発見され、一箇所に定住するようになり、より安定した生活ができるようになって様々な文明が発展していきました。その頃になると、オオカミも人と暮らすようになって狩りの回数が減っていき長かった口も短く進化し、人間に対して友好的な振る舞いをするようになっていきました。

 ちなみに、人間に懐く様なオオカミの方が結果的に長生きをするから狩りだけで生きている凶暴な個体ではなく、温和な正確な遺伝子が残されて行って今の犬に繋がっていると考えることもできます。

魔理沙:
 完全に飼い犬化してきましたね。

いつから犬は“ペット”になったの? 「日本書紀」への登場から“江戸時代のブーム”まで、犬と日本人の関係性の歴史を解説してみた

霊夢:
 農耕が盛んになってからは狩りではなく、放牧犬のように家畜を守ったり、人の生活スタイルに合わせて役割も変わっていきました。現在でも盲導犬、警察犬、災害救助犬、軍用犬など様々な分野で活躍しているように当時も色んな役割がありました。

 日本人が犬と生活し始めたのは一万年以上前と言われていて、縄文時代の遺跡から見つかった犬の骨は丁寧に埋葬されており、当時の人たちが犬をとても大切にしていたことが伺えます。

魔理沙:
 日本人は犬が大好きですよね。

いつから犬は“ペット”になったの? 「日本書紀」への登場から“江戸時代のブーム”まで、犬と日本人の関係性の歴史を解説してみた

霊夢:
 更には「日本書紀」にも神として登場しています。ヤマトタケルが蛮族の討伐に出かけた帰り、信州の山で迷子になっていると白い犬が現れ、ヤマトタケルの道案内をして助けてくれたというお話です。

 他にも、江戸時代に伊勢神宮参りがブームになっていて、「一生に一度はお伊勢参り」と言われていた頃、体が弱くてお参りにいけない主人の代わりに、犬が伊勢神宮までお参りに行ってくれる「おかげ犬」という文化があったそうです。

魔理沙:
 犬だけで旅に出て大丈夫なんでしょうか。

霊夢:
 「おかげ犬」には道中でかかるお金や、お伊勢さん参りをする旨を書いた紙などを持たせて旅に出していました。この「おかげ犬」は大変ありがたいものとされ、誰も犬のお金を奪うような真似はしなかったし、食事や泊まるところを与えて助けていたそうです。

魔理沙:
 いい話ですね。

霊夢:
 みんな親切にしてくれて、お釣りで重くなってしまったおかげ犬の持ち物をお札に換えて軽くしてあげたなんてエピソードも残っています。

魔理沙:
 神聖なものとして扱われていたんですね。

 犬には様々な変遷と歴史があることが分かり、そして日本人にも昔から馴染みの深い良きパートナーとして一緒に生活していたということが分かりました。

▼動画をノーカットで楽しみたい方は
こちらから視聴できます▼

【ゆっくり解説】日本人と犬の歴史 その1

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