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「消費税」が上がると得するのは誰だ? 「消費税」の仕組みと“三つの問題点”を知識ゼロでも分かるように解説してみた

 今回紹介する、ゆっくり経営大学さんが投稿した『【ゆっくり解説】消費税の仕組みと問題点【誰が得してる??】』という動画では、音声読み上げソフトを使用して、消費税の仕組みと問題点について解説していきます。

投稿者メッセージ(動画説明文より)

消費税の仕組みとそれが生み出す益税や逆進性の問題について解説していきます


消費税と逆進性

魔理沙:
 消費税について話していきます。まず大前提として消費税は消費者が納めているものではないです。

霊夢:
 そうなんですか? 直接払ってる感じがしますが。

「消費税」が上がると得するのは誰だ? 「消費税」の仕組みと“三つの問題点”を知識ゼロでも分かるように解説してみた

魔理沙:
 実際はお店の売上の内消費税が課された売上から仕入れにかかった費用を引いた金額にのみ消費税がかかるんです。霊夢が定価100円のものを買ったら10円の消費税がかかるが、この10円が必ずしも国に納付されるわけではありません。

霊夢:
 それじゃあ余分に消費税を払ってるかもしれないってことですか?

魔理沙:
 いわゆる益税と呼ばれるものですね。これは後半解説します。さて話を戻すと、消費税を収めているのはさっき言った通りお店の人たちです。法律上もお店の人は必ず消費者から消費税を徴収することが義務付けられているわけではありません。

霊夢:
 それじゃあこの前行ったスーパーが消費税還元セールをやっていたのはちゃんとした根拠があるってことですね。

魔理沙:
 そうですね。そういうセールをやってるお店の人は自腹を切って消費者に還元しているということですね。消費税は国の三代租税の一つと言われるほど大きな税金なんです。

霊夢:
 でも問題点も多そうですね。

魔理沙:
 そうですね。よく言われるのが逆進性の問題と景気の冷え込み、そして益税の問題です。

霊夢:
 ぎゃくしんせい?

魔理沙:
 税抜100円のカップ焼きそばを買う時消費税はいくらになりますか?

霊夢:
 焼きそばは軽減税率で8%だから……8円ですよね。何が問題なんですか?

魔理沙:
 当たり前なのが問題なんです。これはつまり消費者の収入に関わらず一律で同じ税金を課しているってことですよね。そういえば昨日霊夢は100円のカップ焼きそばを買うのにだいぶ悩んでいましたよね。もしその時1億円持っていたらどうしてました?

霊夢:
 それはもう迷わず買いました。

魔理沙:
 その時1億円持ってる霊夢と108円しか持ってなかった霊夢で支払う消費税の額は同じ8円なんです。でもこれは不平等じゃないですか? 貧乏人とお金持ちで支払う税金の額は同じなんです。

霊夢:
 確かに、私みたいな貧乏人からしたらもっとお金持ちに払って欲しくなりますね。

魔理沙:
 本来税金はその人の支払い能力に応じて課されなくてはならないはずなのに消費税ではそれが崩壊してしまっているんですね。

霊夢:
 でも今回の増税から軽減税率が導入されたからこれでみんな平等ですよね。

「消費税」が上がると得するのは誰だ? 「消費税」の仕組みと“三つの問題点”を知識ゼロでも分かるように解説してみた

魔理沙:
 お金持ちも生活必需品を買うからしっかり軽減税率の恩恵を受けています。更にお金が人だってバスや電車に乗って移動したり、教養を深めるために本を買いますよね。これは全部標準税率です。

霊夢:
 なんだかあまり格差の解消には役立ってなさそうですね。

魔理沙:
 お金持ちこそ標準税率が適用される嗜好品を買う機会が多いのは事実だと思いますがね。こういう形で格差が開いてしまいかねないのが逆進性の問題です。その他にもガソリン代や印紙税なんかも逆進性が高いとされています。

霊夢:
 所得状況に関わらずお金を取るからですよね。

魔理沙:
 その通りです。ガソリン代も印紙税も一律に課税されていますからね。タバコとかに関してはタバコ税と消費税の二重課税に。あとは景気の冷え込みの問題もあります。景気が冷えこめば消費が減るので当然国に納められる消費税も減ります。

 実際、1997年には消費税が3パーセントから5パーセントに引き上げられましたが消費税の税収は4.5兆円も減ってしまいました。他にも色々減収の要因はあるかもしれませんが間違いなく増税による買い控えは一役買っているでしょうね。

霊夢:
 増収どころか減収しちゃうだなんて何のために増税したか分からないですね。

益税の問題とは

魔理沙:
 そしてさっき言った益税の問題もあります。これは消費税が上がることでお店の人が得するかもしれないという話です。

霊夢:
 消費税が上がったならお店の人にとってデメリットしか無いように感じますが。特に消費税を納めているのはお店の人たちですよね。納めるべき税金が増えて大変な気もしますけど。

「消費税」が上がると得するのは誰だ? 「消費税」の仕組みと“三つの問題点”を知識ゼロでも分かるように解説してみた

魔理沙:
 日本ではその年の消費税がかかった売上5000万円以下の事業主に対して簡易課税制度というものが認められています。まずはじめに消費税の計算方法を確認しましょう。(課税売上-課税仕入)×税率ですよね。

 課税売上、課税仕入とは消費税が絡んだ売上や仕入のことです。諸般の事情でそう言ってるだけなのでここでは単に売上だと思って欲しいです。仕入れのたびにこれは非課税、これは課税、これは不課税と判断するのは特に人手が足りない中小企業では大変です。

霊夢:
 確かに、事務作業が膨大になっちゃいますね。

魔理沙:
 そこで簡易課税制度では課税売上の内何割かを課税仕入とみなして良いことになっているんです。例えば、課税売上が1000万円だったら800万円を課税仕入ということにします。

霊夢:
 なるほど、それなら確かに計算が楽になりますね。

「消費税」が上がると得するのは誰だ? 「消費税」の仕組みと“三つの問題点”を知識ゼロでも分かるように解説してみた

魔理沙:
 これをさっきの消費税の計算式に当てはめると(1000万円-800万円)×10%=20万円ですよね。この場合、20万円を税務署に収めれば良いわけです。

霊夢:
 税金納めてるなら良くないですか? これが何の問題になるんですか?

「消費税」が上がると得するのは誰だ? 「消費税」の仕組みと“三つの問題点”を知識ゼロでも分かるように解説してみた

魔理沙:
 問題はみなされた仕入の金額が実際の仕入金額よりも多くなってることがほとんどなんです。それじゃあさっきの課税売上1000万円のお店の実際の仕入金額が700万円だったとして計算してみましょう。

 標準税率で普通の計算方法で出すと(1000万円-700万円)×10%=30万円。するとどうだろう、簡易課税制度で計算した方が納付する税額が少なくなってないですか?

霊夢:
 確かに、10万円もお得じゃないですか。

「消費税」が上がると得するのは誰だ? 「消費税」の仕組みと“三つの問題点”を知識ゼロでも分かるように解説してみた

魔理沙:
 さっき言った通りみなし仕入率は実際の仕入率よりも高くなっていることがほとんどです。これが益税の正体です。簡易課税制度を選べる事業者の内半数がこの方法によって消費税額を計算しているみたいです。

霊夢:
 だけど課税仕入がみなし仕入率よりも多くなったらどうなるんですか?

「消費税」が上がると得するのは誰だ? 「消費税」の仕組みと“三つの問題点”を知識ゼロでも分かるように解説してみた

魔理沙:
 その場合も残念ながらみなし仕入率で計算することになります。そうすると当然損することになります。みなし仕入率は業種によって変わること、そして計算方法に簡易課税制度を選択したら2年間は変えられないことを補足しておきます。

 卸売業だったらみなし仕入率が9割、小売業だったら8割と業種によって変わります。

霊夢:
 確かに、事業内容によって仕入の金額は大幅に変わりそうですね。

魔理沙:
 そしてもう一つ益税を生み出すものがあります。実は一年間の課税売上が1000万円以下のお店は消費税の納税義務がないんです。

霊夢:
 納税義務がないのに消費者から消費税をもらってるってことですか? それじゃあその消費税分丸々儲けてるじゃないですか。

「消費税」が上がると得するのは誰だ? 「消費税」の仕組みと“三つの問題点”を知識ゼロでも分かるように解説してみた

魔理沙:
 実際はお店も仕入のときに消費税を払っているから丸々儲けてるわけではないです。一万円のものを二万円で売る商売をしていたとしましょう。一万円のものを仕入れるのに消費税を1000円支払う、そしてそれを二万円で売るから2000円の諸費税を預かる。

 しかしここで預かった消費税には納税義務がないため2000-1000=1000円プラスです。実際ここまでうまくいくことは稀だと思いますけどね。

 他にも設立1年以内でなおかつ資本金が1000万円以下の企業は同様に消費税の納税義務がなかったりもします。こういう形で消費税が免除されている企業は日本の全企業の内約4割と言われています。そして最後、消費税は実は最も滞納の多い税金と言われています。

霊夢:
 消費者から預かったお金を国に納めるだけでですよね。どこに滞納する要素があるんですか?

魔理沙:
 お店の人が預かった消費税をお店の資金繰りに使ってしまうことが原因だと言われています。預かったとしてもどうするかは経営者の判断次第ですからね。納付日に納付できる金額があればオッケーです。

 しかし一方で、経営がうまくいかず、納付日になってようやく消費税を納められる程のお金がないことに気づくこともあるんです。結果、滞納として税務署から催促状が発行されます。実際、1997年には7000億円を超える滞納があったと言われています。

霊夢:
 益税の恩恵に浸っている経営者がいるかと思えばこういう形で苦しい経営者もいるんですね。

 ここまでで消費税は消費者を通してお店の人や事業者達が国に納付していること、問題点が大きく分けて三つあり、消費税は最も滞納の多い税金であることが分かりました。

 解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画を視聴してみてください。

▼動画はこちらから視聴できます▼

【ゆっくり解説】消費税の仕組みと問題点【誰が得してる??】

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