AKB48総選挙・結婚宣言から考える“アイドルビジネスとそれを支える男たち”「応援したい女は、人の女じゃ嫌なんだよ!」
今、世間で話題のニュース、エンタメ、サブカル情報を斬っていくワイドショー番組『ニコ論壇時評』。7月5日放送分では、「総選挙史上最大の衝撃」として大きな話題を呼んだ、『第9回AKB48選抜総選挙』での、NMB48・須藤凜々花さんの結婚発表について取り上げました。
突然の発表による炎上だけでも記憶に新しい彼女ですが、自らのファンに対して『ある言葉』を放ち、さらに炎上する騒ぎに。その内容について、「だって、アイドルファンにとってアイドルは神様じゃん」「(男は)あの子の笑顔が見たいんだべ?」と山田玲司氏が熱く語ります。
「大金使った人が言ってください」「それは自己責任」 AKB総選挙で結婚発表のNMB48須藤凜々花さん
乙君:
ちょっとだけ、ニュースを紹介させていただいて、ま、いいか、これ、みんな知ってるもんね。
山田:
みんな知ってるよ。その後ICBMがどうとか、いろいろあったり、どうでもよくなってるんじゃないの? でもさ、どうでもよくないと思っている人たちもいるでしょ? やっぱり、彼女のファンとかはさ。
乙君:
なんかツイッターでニュースになってますよ。20万位つぎ込んで。
山田:
20万円、50万円当たり前なんじゃないの?
乙君:
50万円?
山田:
そういうサムライがいるんでしょ?
乙君:
それをサムライ?
山田:
男たるもの。
乙君:
なるほど。御恩と奉公ですか。
山田:
そう、だから男気の世界じゃない? ここは。という話ですよ。お前だって、アイドル好きになったこと、あるでしょ?
乙君:
ないない!
山田:
広末涼子は?
乙君:
広末に握手してもらうために、大金をつぎ込むかと言われたら、つぎ込まないもん。
山田:
え? 握手できたら?
乙君:
え? 街にいたら。
山田:
街に、広末がいたらの話じゃない(笑)。街に広末がいたら、また別の話になるんで。そうそう。しみちゃんだってね?
しみちゃん:
僕はもう、こじはる(小嶋陽菜)の。
山田:
え? マジで? いつの間にAKBの人だったの?
しみちゃん:
初期のころから、もう大好きで。
山田:
こじはる推しだったの?
しみちゃん:
こじはる、イチ推しだったので。
山田:
そうなんだ。じゃあ、こじはるが、応援してたのに結婚していたらショックでしょ?
しみちゃん:
めちゃめちゃ、ショックですね。
山田:
そうでしょ? それに課金していたらショックでしょ?
しみちゃん:
課金していたら、もう絶対に嫌ですね。
山田:
アイドルは、70年代まではスターと言われていて、星だったわけですよ。上にいたわけ。それを引きずりおろしたのが、ヤスス(秋元康)なわけでしょ?
だから、その隣のお姉さん的な文化の流れから、それをものすごくわかりやすく商品として並べるというか、というやり方をしたのは、ヤススで。要するに、今のアイドルは、スターじゃないとしたら、かつて、天使だったとしたら、堕天使だと思うんだ、俺。堕天使なんだよ。彼女たちは。だから、もう一回天に上がりたいと思っているわけだよ。そんな彼女たちをもう一回天に上げる競争をさせているわけだよ。
乙君:
みんなで、神輿を担がせているわけだ。
山田:
そうそう、もう一回彼女たちを輝かせてあげたいとか言うんだけど、この問題の構造、このビジネスの構造の根幹に何があるのかというと、男は何がしたいかという話なわけ。
乙君:
何がしたいんですか?
山田:
決まってんべ。 あの子の笑顔が見たいんだべ?
乙君:
違うでしょ!
山田:
(笑)ええ? 好きな子が笑顔になってくれたら、嬉しいだろ!
乙君:
そりゃ嬉しいけど。
山田:
大好きな子が。
乙君:
その向こう側に、やっぱり一発やりたいとかそういうのも含まれてるわけでしょ?
山田:
そこを言ったら、おしまいなんだよ! それは、言わないことにしてるんだよ。そういうことなんだよ。そうはいっても、好きな女の子の笑顔なんて、簡単にみれませんよね? だって、クラスの子が、私を応援して! と言わないから。
乙君:
まあね。
山田:
学校1番のかわいい女の子が、私に投票してくださいって言わないから。これを簡単に投票することで、あなたのおかげで助かったんだと、ありがとうございますと。言われたいじゃん?
乙君:
確かに。
山田:
好きな女の子に。ということをわかりやすくビジネスにしてくれたのが、ヤススだから。これ、要するに、好きな女の子を幸せにしてあげられるっていう商品なんだ。ここが絶対だから。
乙君:
後援の力だね。
山田:
そうそう。それを言っちゃうと、ちょっと違いますけども、堕天使復活レースというと、結構きれいな感じになるんですが、みたいな感じですよ。ただ、俺、これ、何か思い出すなあと思ったのよ。
乙君:
何を?
山田:
あの、今やみんな知らないだろうけど、『宇宙戦艦ヤマト』というアニメがあったんだよ。昔。そのエンディングテーマは、ささきいさお【※】さんが歌っていた、『真赤なスカーフ』という曲なの知ってる?
※ささきいさお
歌手。代表曲「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」などアニメソングで多くのヒット曲を持つ。
乙君:
知らない。
山田:
阿久悠【※】さんが。
※阿久悠
放送作家、詩人、作詞家、小説家。「宇宙戦艦ヤマト」「真赤なスカーフ」など、作詞した曲は5,000曲以上にのぼる。
乙君:
でた、阿久悠さん。
山田:
俺の阿久悠が。阿久悠は最高だからね。ヤマトは行くわけだよ。命をかけて地球のために、すべてを捨てて、ヤマトに乗り込んで、イスカンダルに行くわけだよ。ヤマトはそういう話だよ。その時のエンディングテーマに、「あの娘がふっていた真赤なスカーフ」という歌詞があるわけ、「あの娘がふっていた真赤なスカーフ、誰のためだと思っているのか」と言うんだ、誰のために振っているかわからないスカーフ話をしているわけだよ。
乙君:
まず、誰が振ってるんですか? 赤いスカーフ。
山田:
「あの娘」なんだよ! 「あの娘がふっていた」なんだよ。
乙君:
あの娘は、誰なんですか?
山田:
それはわかんないんだよ。誰のために振っているのかな? と思ったら、「誰のためでもいいじゃないか、みんなその気でいればいい」という歌詞。
乙君:
ええ!?
山田:
最高でしょ!? それで それで「旅立つ男の胸には、ロマンのかけらが欲しいのさ」で終わるわけだよ。
乙君:
わかる!
山田:
つまり、戦いに行くわけだよ。ジャパニーズ男子、まさにそうなんだよ。もう戦場ですよこの世は。それで戦いに行ってるわけですよ。ヤマトの男たち、日本男子たちはさ。だから誰のためでもいいじゃないか。
だから、大島優子の振っている手は、俺に振っているんだと思いたい! みたいな、これは、70年代、いやそれ以前から、みんなそうなんだよ。それが金儲けだとか、それは野暮だという話じゃないですか? ということなんですが、問題はですよ。すごく大事なことがあります。これ。
応援したい彼女、好きな彼女、大事な約束がありますね? どういうことかというと、応援したい女は、人の女じゃ嫌なんだよ! 人の女ではない、要するに、誰かのものではないという、秋元コンプライアンスがあるわけですよ、これ。ここが約束なんだよ。
乙君:
そうですね、コンプライアンスの範囲内なんですよ。
山田:
法令順守なんですよ。これは別に、こんな法令はないんですけど、秋元法令があって、秋元法令ではこれを、これまた野暮な言い方をしないんですよ、ヤススは。
乙君:
何て言うの?
山田:
恋愛とか、別に止めたりしないんだよ。だけど、お前そんな暇あるのか? と。お前を応援してくれているやつがいるのに、お前そんな気持ちでステージに立てるのか? と。
それだったら、歌の練習、ダンスの練習をしろという。上手い事言うね、ヤススブラック。この鉄壁のヤススブランドで守られているAKBビジネスなわけだよ。
そうなると、これ、いきなり本番でぶち破られたら、ちょっと待てよ! と。「お前、とらやの羊かんに何入れてるんだ?」という話ですよ。要するに。
乙君:
ちょっと。
山田:
とらやの羊かんは美味いんだよ!
乙君:
とらやの羊かん、それはわかる。
山田:
とらやの羊かんに、わけのわかんないものが入っているみたいなもんなんだよ。異物混入みたいなものなんだよ。これは。それは怒るでしょ、みんな。
乙君:
怒りますね。
山田:
秋元ブランド発で、いろいろな事件あったじゃないですか。丸刈りにした。マルガリータとか、前回、2、3か月前に島流しの刑とか、博多に移されたとかね、もうパワドレみたいな感じですよ。
お救いください! みたいな。そういう私の罪を! みたいな。そういう厳重なやつだけど、良く考えたら、40何人いるんだっけ? 1チームに、45とか46とか、いろいろいるじゃないですか?
乃木坂だとちょっと違ったりするじゃないですか? でも、とにかく、だいたい約50人くらいの団体が、5団体か6団体いるんでしょ。
乙君:
はい。
山田:
これだけいて。不良品が見つかる確率がこれだけですか? という話じゃない?
乙君:
逆に考えたら。
山田:
大量消費になったら、そりゃ不良品でますという話じゃん。
乙君:
不良品というか。
山田:
ごめん。コンプライアンス違反ですよ。
乙君:
なるほどね。
山田:
不良じゃない。不良じゃないですよ! 自分の人生をまっとうしただけですよ! それはいいんですよ。基本的人権の尊重というのは、憲法に保障されてますからね。それはいいんですよ。
大事なところですが、これを守れない人が、200人に1人くらい、いたって普通じゃない? という話なわけ。そういう意味では、よく守れているじゃん。この団体、この商店は。
乙君:
ただ悪目立ちしているというのは、ありますけどね。
山田:
というか、これがまた話題になって、AKBは、まだやっているんだみたいなことになるじゃない?じゃないと、炎上商法とまでいかないけど、こういう話題で、AKBがまた盛り上がって、まゆゆ(渡辺 麻友)今、あんな感じなのねと、話題になる方がまだマシじゃない?
乙君:
確かに、まゆゆ可哀想みたいなのは、すごくありましたね。
山田:
そうしたらまた、まゆゆ人気が、上がるわけじゃん。でもさ、まゆゆって? みたいな世代がもう下にいるわけじゃん。
乙君:
そうですね。
山田:
AKBイタイよねと言っている10代がいるらしいじゃないですか? だから、やっぱりそこは、ひとつの波みたいな問題もあるんじゃないかなと思いますけど。ただ、俺は思うんだけど、アイドルを好きになっちゃうという行為は、もう、しょうがないじゃん? だって、かわいいんだもん、応援したいんだもん。
乙君:
アイドルを好きになるというのは、別にしょうがないと。
山田:
しょうがないですよ。昔から続いていて、これからも続いていくんじゃないですか。なんか形は変えていくんじゃないかなと思うんだけど、いわゆる、これって仮想恋愛なわけだよ。
だから、昔は、ピンクレディーと結婚したいと言っていた人がいたわけだよ。でも必ずついてくるのは、仮想恋愛には失恋も含まれるの法則があるじゃん。やっぱり。
いつか終わるんですよ。辞め時というのがあるわけですよ。
乙君:
いや、その辞め時の終わらせ方の問題でしょう、これは。
山田:
そうなんです。革命が起こっちゃったら困るんですよ。卒業式というのがあるんですよ。だから卒業で見送って、女優さんやって、ああ好きな人ができたんだなと、みんな、なんとか収まるわけですけど、あの段階でいきなり、断頭台に連れて行かれるのは、勘弁してくださいよ。という話ですよ。
これはある意味、恋愛ができないから、仮想恋愛に逃げているなんていうと、楽なことばかりみたいなことに思えるかもしれないけど、恋というモードに入っちゃったら、仮想恋愛であろうが、失恋になっちゃうじゃないかという話なんだよ。それが我が事のように、俺のあの子、みたいに思っていたのに。