ボカロP・jon-YAKITORYが、ボカロ曲投稿のきっかけ、作曲のこだわり、モチベーションの保ち方など、これまでの活動を振り返る
今のニコニコを伝える、今後のニコニコについてみんなで考える番組『週刊ニコニコインフォ』。
49回目の放送では、司会に百花繚乱氏、運営から栗田穣崇氏、そして今週のピックアップゲストコーナーには、ラジオパーソナリティとしても活躍中のボカロP・jon-YAKITORY氏が登場。
ハンドルネームの由来、ボカロ曲投稿のきっかけ、作曲へのこだわり、辛い時期のモチベーションの保ち方、そして今後の目標など、jon-YAKITORY氏のこれまでの活動ついてたっぷり話を伺いました。
▼ダイジェスト動画▼
ラジオパーソナリティとしても活躍中のボカロP・jon-YAKITORY氏がゲスト出演
jon-YAKITORY氏は、2013年の初投稿から多様なジャンルの音楽をボカロで挑戦し続けてきたボカロP。ボーカロイドだけではなく、ボーカルを招いたオリジナル曲も多数発表。
代表作である「シカバネーゼ feat.Ado」は動画サイトの合計で総再生数1000万再生を越え、Spotifyのバイラルチャートでは過去最高1位を獲得。9月に世界同時発売される木村拓哉さん主演ゲーム 『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』の主題歌「蝸旋」を作詞・作曲しています。
──前回ゲストの赤ティンさんから質問です。 最近、大活躍されていますが・・・100万円くらいの機材を買う予定はありませんか? 機材デビュー待ってます!
jon-YAKITORY氏(以下、jon-YAKITORY):
これは高い機材を売りつけられるということではないですよね? 支払い能力がないですよ!
それこそ赤ティンさんの家に凄い機材がいっぱいあるので、レンタルしたいくらいですね!
一同:
(笑)
栗田:
買ったら見せてねという意味合いだと思いますよ!
──ニコニコを知ったきっかけを教えてください。
jon-YAKITORY:
結構最初の頃で、2007年~2009年頃です。学校が高専だったので、オタクの巣窟って感じだったんですよ。みんなニコニコ動画でMAD動画をみていたので、そこでニコ動を知りました。
めっちゃシンプルなログイン画面、今でも覚えてます。
MAD動画は最近でもよく見てますね。
──ご自身で投稿された動画の中で思い入れのあるものは?
jon-YAKITORY:
「【IA】オリジナル曲「GHOST」【MV】」です。
この曲が当時一番伸びて、初めて万再生超えた曲でしたし、初めて有名な歌い手さんにも歌ってもらったりして、この曲で知ってくれる方も増えました。
jon-YAKITORY:
この頃はエモい曲を書くのが自分の中で流行っていました。
──ハンドルネーム「jon-YAKITORY」の由来は?
jon-YAKITORY:
ちょうどこの「【IA】オリジナル曲「GHOST」【MV】」を投稿した頃は、「jon」だけだったんです。
それだと凄く検索しづらいという問題があったので、苗字をつけたいなと思い、一発で日本人と分かる言葉を探しているうちにjon-YAKITORYになりました。
実はTERIYAKIかYAKITORYかで悩みました(笑)。
──ボカロ曲を投稿しようと思ったきっかけは?
jon-YAKITORY:
作曲自体は17歳の頃からやっていて、当時はバンド音楽ばっかりだったんです。ニコ動に出会ってからは自然な流れでボカロとも出会うようになりました。
ジミーサムPさんが使っている機材を公開されていたんですが、ボカロソフト以外はほとんど無料ソフトだったんですよ。
これは集めさえすれば自分でも出来るんじゃないかと思い、その流れでボカロソフトを買ってボカロデビューしました。
投稿すると、「この凄い人たちと同じ土俵に立てるんだ」という感覚がありました。
──ボカロの魅力とはなんでしょう。
jon-YAKITORY:
「ボカロ」というジャンルでくくられているので、ロックとかジャズとかもごちゃ混ぜじゃないですか。なので、普段ロックしか聞かないという人も、ジャズしか聞かないという人もボカロで繋がれたりするんですね。
このジャンルの垣根をなくしているという点が、凄く素敵な部分だと感じています。
実際、僕もロックしか聞かない人間だったんですが、ジミーサムPさんの影響でエレクトロニカやハウスを聞くようになったりと広がりが生まれました。
──曲はどのように作られていますか?
jon-YAKITORY:
昔はバイトしながらメロディーが浮かんだりしすると、トイレに行くふりしてケータイでメモったりしていました。
最近では机に向かって1曲作るのに1カ月位かけています。リテイクしながら作っていく感じですね。
昔は世界観を先行させていましたが、最近では音にインスピレーションを受けたりしています。
──作曲するうえでのこだわりを教えてください。
jon-YAKITORY:
ジャンルにこだわりはないんですが、エモになりすぎないようにですとか、聞いている人が楽しくなるようなポイントをおさえようという意識はあります。
あとは発表する際に、「作品の強度」を保ちたいなという意識があります。「作品の強度」とは、つい振り向いてしまうようなキャッチーさであったり、「この曲強いな!」と思えるポイントを織り込むことだと思っています。
なので、クオリティを重視しすぎて強度が落ちるという現象に陥らないように心がけています。
例えばお菓子作りでも、甘いだけでいいのに、オーガニックにこだわりすぎて、結果甘くも無いし体にいいわけでもないものが出来てしまうことってあるじゃないですか。
なので、バカみたいに甘くしてみるですとか、そういった突き抜け感が「強度」に繋がると思っています。
──jonさんにも辛い時期があったと思いますが、そんな時のモチベーションはどのように保っていましたか?
jon-YAKITORY:
ひたすら悔しがってました。次はどうやったら見てくれるだろうかと、次の手を色々考えていました。なので、試行錯誤を止めないというものがありますね。新たな挑戦がモチベーションになってるというイメージです。
──試行錯誤の中で見つけたセオリーなんかはありますか?
jon-YAKITORY:
サムネを作る時に、キャラの顔をアップにして、目は正面を向いているというもの。サムネと目があう感覚があると、気になってしまうんでしょうね。
──これからボカロPを目指される方も多いかと思いますが、ボカロPとして大切なもの、必要なものとはなんでしょう。
jon-YAKITORY:
やっぱりユーモアじゃないですかね。ニコニコ動画から生まれた文化なので。真面目でもいいんですけど、遊び心や自由な発想があったほうが面白いものが出来ると思っています。
みなさんもそういう作品の方が見たいと思うので。
あとは“イタさ”のある作品も好きですね。みんなイタイ作品好きじゃないですか(笑)。投稿者として、再生数に期待しすぎないことも大切だと思っています。過度に期待しても凹んでしまうだけなので。
──今後挑戦してみたいジャンルや曲調などございましたら。
jon-YAKITORY:
「初音ミクの消失」みたいに、すっと早口という楽曲を作ってみたいですね。
──ニコニコに感じる問題点などありますか?
jon-YAKITORY:
ボカロPや歌い手さんは最近よく特集してもらえたりしていますが、僕的には動画師さんも特集して頂きたいと思っています。
動画師座談会なんかがあるといいですね~! そこに僕も良くお願いする、藍瀬まなみさんがいると最高です!
──jonさんクラスになると、絵師さんや動画師さんからお声がかかることも多いんじゃないですか?
jon-YAKITORY:
いいえ。もう自分からDMで丁寧にお願いします!とお便りを出しています。
初期の頃はフランクな方がいいのかな?とテンションの高いメールで怒られてしまったこともあります(笑)。
──絵師さんや動画師さんは最初から決めてお願いするんですか?
jon-YAKITORY:
以前はイラスト先行でイメージを膨らませて曲を作ることもありましたが、最近では作ってからお願いしています。
作品が出来上がってからお願いした方が、自分の濃度が濃くなる気がしています。
──今後挑戦してみたいことや目標はありますか?
jon-YAKITORY:
僕はカゲプロをずっと見て来たので、チームでの活動にはとても興味があります。チームを組んで曲をドンドン発信していくというスタイルには憧れますね。
──最後に告知などございましたら。
jon-YAKITORY:
7月28日にBEST ALBUM 「 Y 」を発売したばかりですので、是非お求めいただければと。
アニメイト、タワレコ、楽天での購入では特典もありますので、是非お手に取ってみてください!
・jon-YAKITORY氏公式サイト
http://jonyakitory.com/
・jon-YAKITORY Twitter
https://twitter.com/jon_408
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