ジャズ・ワルツでスウィングするボカロ曲『天象オーケストラ』伸びやかミク歌唱に「おしゃれ」の声
文/村上麗奈

「マッドオーケストラ組曲」の第3楽章として発表された「天象オーケストラ」。
初音ミクの早口&高音歌唱を活かした軽快なロックチューン「迎合オーケストラ」、アップテンポジャズの「陶酔オーケストラ」に続く楽曲である本曲は、ジャジーなピアノとサックスの音色から始まる。全編を通して3拍子で展開される、所謂ジャズ・ワルツだ。

たっぷりと尺を取られた間奏では管楽器がジャジーなソロを奏で、ボーカルの後ろで奏でられる裏旋律も聴きごたえ抜群。
ジャズ・ワルツとしても聴きごたえがあるのは間違いないのだが、やはりこの楽曲の注目すべき点は初音ミクによるボーカルである。
Aメロにて、楽器たちと掛け合いながら歌われるメロディーは、まるでミクも管楽器であるかのような、自由な旋律から成る。
かと思えば、<迎合と陶酔を繰り返す この天象儀ももう見飽きたわ!>というサビ前のフレーズは、譜割りが非常にリズミカルにハマり、言葉を紡ぐボーカルならではの気持ちよさを感じさせてくれる。
サビは言わずもがな、伸びやかなミクの歌声が主役となり、ひとつのミドルバラードとしてもじっくりと聴き入ってしまう。

楽器とボーカルを行き来するような初音ミクのアプローチが非常に印象深い楽曲だ。
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