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「タイピングで腱鞘炎になったのはキーボード製造会社が悪い。6億3600万円賠償して!」訴訟大国アメリカのアホすぎる裁判内容が耳を疑うレベル

 今回紹介する、かやさんが投稿した『世界中のアホすぎ裁判まとめ』では、音声読み上げソフトを使用して、その年で最も馬鹿げた訴訟に与えられる「ステラ賞」の受賞裁判を紹介していきます。

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こんな事で訴訟起こすの!? びっくり仰天裁判事例

ゆかり:
 本日はアホな裁判についての解説をいたしましょう。それでは2003年、ステラ賞入選第3位。アラバマ州に住むワンダ・ハドソンという女性は、抵当流れで家を失います。ワンダは家財を保管するため、自宅から3キロ離れた倉庫をひとつ借りたのです。

 そして2001年11月7日、ワンダはその晩、倉庫にいました。 倉庫の管理人は見回りの途中、その倉庫に鍵がかかっていないことに気づくと、鍵を閉めてその場を去ります。もちろん中にはワンダがいました。

 しかし当の本人は、なぜか大声で助けを求めたり、ドアを叩くこともしませんでした。実際、その倉庫の隣の倉庫を借りていた女性が、毎日のように自分の格納ペースに通っていたのに、何の音も聞こえなかったと言います。

あかり:
 どういうこと?閉じ込めた何らかのアクションを取るよね?

ゆかり:
 閉じ込められて63日後、鍵のかかった倉庫からわずかな物音をするのを感じた通行人が倉庫会社に連絡、扉を開くと痩せ細り、爪は30cmにも伸びたワンダがいました。体重は68キロから39キロにも落ちていたようです。彼女は2ヶ月以上の時を、倉庫に保管していたジュースと缶詰だけで食いつないでいたのです。

 ここからが本番です。回復した彼女は、この事件の責任は倉庫管理会社にあるとし、1000万ドルを求め、訴訟を起こしたのです

あかり:
 閉じ込めたのは確かに管理人だけど、なぜ彼女は2ヶ月以上助けを求めなかったのかな。

ゆかり:
 実が倉庫に閉じ込められる一週間前、ワンダは精神衛生局による評価を受けていました。それによると「ワンダは自分の体を大切にできず、自らの健康と幸福を脅かすまでに体調を悪化させ、自殺するという脅しをかける」というものでした。

 審議の間、ワンダの証言はずっと曖昧でした。後ろで鍵をかけられる音なんて聞こえなかった、近くで人の気配をするたびに大きな声で叫び、ドアを叩きまくりました。しかし誰もが私の声を無視しました。被告側は、彼女の精神状態が不安定であったことを証拠として提出しようとしましたが、裁判官はそれを拒否。陪審員はワンダの精神状態を知ることなく判決を下し、結果はワンダ側の勝訴。10万ドルの損害賠償を認めたのです。

ゆかり:
 それではステラ賞第2位をご紹介。オレゴン州に住む自動車修理 工場経営者のタグ・ベイカーは野良犬のフリーモントを拾います。ベイカーはこの出会いを神の思し召しと感じ、フリーモントを大変かわいがりました。ベイカーはフリーモントをひとりにすることはせず、常に自分か 恋人が世話を見ていたのですが、外出するときはドッグシッターを雇っていたのです。

 ある日のこと、ベイカーはドッグシッターに30ドルを払い、フリーモントの世話を任せ、夕食にでかけます。ふたりが帰宅すると、ドッグシッターのメモが置いてあります。そこにはフリーモントが通りすがりのトラックに驚き、逃げたと書いてあったのです。

 我が子同然の犬がいなくなったベイカーは、フリーモントの捜索に異常なほどの努力を費やします。例えばフリーモントの写真を載せた巨大広告を打つ。犬を見つけてくれた人に賞金1000ドルを支払う。チラシを配る。ウェブサイトを立ち上げるなどです。そんなベイカーの行動は、さらに加速します。犬の捜索に注力できるよう、経営していた自動車修理工場をたたみ、捜索費用を抽出するため、退職基金から早期支給を受け始めます。

 さらに動物探索業者を雇い、フリーモントの匂いを辿らせたところ、探索業者は犬が誘拐されたものと断定。ベイカーは犬をさがすために、動物交霊師(4人)に、フリーモントの居場所を占ってもらいます。4人ともフリーモントと交信したと言いましたが、当然ながら犬は見つからず、そのたびに犬が家に帰る魔法をかけてもらったのです。

 フリーモントがいなくなり、60日が経ちました。捜索に費やした金額は2万ドル以上になっていました。5人目の交霊師を雇おうとしたところ、フリーモントを見かけたという情報が入ります。どうやら彼は、姿を消した場所から3キロ付近の場所をさまよっていたようでした。ここで終わればハッピーエンドの話ですが、ベイカーはドッグシッターを訴えたのです。

 訴訟の内容はドッグシッターであるリサ・ダンバーに16万ドルの損害賠償を求めるもので、ベイカーが犬の捜索に費やした2万ドル、事業をたたんだことによる免失利益の3万ドル、心の傷に10万ドル、フリーモントの優れた資質、特性、血統に基づく特別な価値が一時的に失われたことによる損失1万ドルの計16万ドルという計算でした。

 ベイカーはインタビューで「あの時は悪夢のような日々でした。犬が見つかるまで毎晩枕を濡らし、毎晩外に出て叫んでいましたから」とコメントしました。 犬が行方不明になってから13ヶ月後、この訴訟は和解によって解決します。賠償額は公表されていません。ドッグシッターにも過失はありますが、ベイカーも犬に首輪をつけずに飼っていたようです。

 2003年のステラ大賞を紹介する前に、その他のアメリカのちょっとアホな裁判をご紹介いたします。メリーランド州に住む女子高生は男子高校生に混じり、アメリカンフットボール部に所属し、ともにプレイしていました。1989年、当時17歳だったその女子高生は初のアメフト選手に選ばれます。 それにビビったのがその高校の理事長。ただでさえ危険なアメフトの試合に、体格的に不利な女性がプレイすればどうなるかは火を見るよりも明らかだからです。

 しかしこれを反対しようものなら、生徒に対する性差別を禁じた 連邦法に触れることになります。理事長は祈るような気持ちで彼女をフィールドに送り出したのでした。しかし女子生徒は試合開始直後にみぞおちに膝蹴りを受け、それが原因で膵臓と脾臓を失います。それから3年後の1992年10月、選手生命を絶たれた元女子高生はキャロル郡教育委員会を相手取り、150万ドルの損害賠償を要求したのです。

 彼女の主張は、「フットボール競技ならではの後遺症を伴う大怪我が発生する危険性に誰一人警告しなかった」というものでした。どうやら彼女はアメフトをテレビで見る限り、足首を捻る程度の怪我で済むスポーツだと思っていたようです。その後、元選手は法廷でも得点を稼ぐことができず、敗訴したようです。

 1996年12月、ニュージャージー州の湾岸委員会に重役秘書として勤務していた女性。彼女はパソコン仕事が多く、それにより慢性の腱鞘炎になってしまいます。彼女はPCのキーボードメーカーを訴えたのです。 彼女の弁護士曰く、「被告はタイピングの危険性について、購入者全員に警告するのを怠った」ようです。この主張に納得した陪審は、メーカーに対し530万ドル、日本円にしておよそ6億3600万円もの賠償責任を負わせたのでした。

 それではいよいよ2003年ステラ賞を紹介いたしましょう。今回の主役(被害者)は、カリフォルニア州の女性警官マーシー・ノリエガ。彼女はとある騒がしいパーティーを静かにさせようとした際、公務執行妨害で男性を逮捕します。男性はパトカーの後部座席に座ると窓を蹴りつけます。マーシー巡査は持っていたテーザー銃でおとなしくさせることにしました。

 ところがテーザー銃の引き金を引いた途端、彼女は誤って本物の銃を撃ってしまったのです。銃弾を食らった男性は、心臓、肝臓、右の腎臓を切り裂き即死だったようです。市当局は発泡の責任を認め、男性の遺族に35万ドルで和解したいと申し出るも、遺族側は1000万ドルの賠償金を要求。

あかり:
  でもこの訴訟は別におかしい点はないよね。過失はマーシー側にあるんだから。

ゆかり:
 問題は市当局側の態度にありました。男性が亡くなったのは大変痛ましい事故であり、マーシー巡査にも部分的な責任はある。しかしこの事故の原因はテーザー銃メーカーである、テーザー・インターナショナル社であるとし、テーザー社に訴訟を起こしたのです。

 テーザー社のトレーニングプログラムを受けても、警官はテーザー銃とピストルの違いが十分に分からないため、テーザー社は男性の死に責任があるというものです。テーザー社側は警官らにテーザー銃の使い方をレクチャーしていたのですが、そのトレーニング法に問題があり、本物の銃を使用するような方法でトレーニングを行ったため、テーザー銃とピストルが関連付けされ、誤ってピストルを撃ってしまった。

 また訴訟では、「テーザー社は自社のトレーニング法には欠陥があり、トレーニングを受けたプロでも間違った銃をつかむ可能性があることを警察に伝える義務があった」と主張。

 警察側は遺族が求める賠償金全額をテーザー社に求めたのです。実際こうしたミスは過去2件しか起こっておらず、いずれも被害者は怪我で済んでいました。

 今回の警察側の言い分は、逆に言えば「プロ警官はテーザー銃とピストルの見分けがつかないレベルだ」ともとれる主張であり、本当に市民のために頑張っている警官への侮辱です。 また公的にテーザー銃やピストルという力を持つことを許可された責任の放棄でもあると言えます。

 訴訟社会のアメリカでは、思いも寄らない発想で裁判に発展することもしばしばあるようですね。解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画を視聴してみてください。


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世界中のアホすぎ裁判まとめ

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