日本のゲーム原作映画がなかなかヒットしない理由「『バイオハザード』と『サイレントヒル』だけは健闘しているが……」
VR・ARと映画の親和性をいかに高めていくかが今後の鍵
中井:
ゲームを通じて、エンターテイメントがどういう風に変化していくのかっていうことをお尋ねしたいんですけれど、例えば、映画のテクノロジーが進化していって、VRで撮ったらどうなるのかという話が、大きくなっていくと思うんです。
映画は基本的にはカメラが何を撮っているかで、物語が進むのがベース。ゲームは『グランド・セフト・オート』でもそうですけれど、「何でもできる」という状況を作れる。そうすると、VRって、自分の見たいところが見える。映画とゲームは接近するんじゃないかなという気がします。
堺:
実はVR映像って、自分が真ん中で芝居を見ている感覚に近い。周りに舞台がある感覚。だからあくまで、演劇に近い感じになると思う。
中井:
基本的に、僕らがどこを見るかっていうのを主体的にコントロールできるのが演劇。映画は僕らが見たいものを見れないというか、視点を映画に支配されている。
堺:
そこが全然違うよね。でも確かに、これからゲームはVRが主流になっていくよ。「その体験を映画にどうやって落とし込むのか」っていう話が出てくるのは間違いない。
テクノロジーの流れと、ゲームと映画の進化って、実は少しずつ混じり合っていて、一番最近の接点がVRやオーグメンテッド・リアリティ(AR)なんだよね。
番組スタッフ:
……何ですか? それは。
藤津:
拡張現実ですね。『ポケモンGO』とかの技術です。
中井:
じゃ、ARと映画の絡みは、今後どういうものが考えられますか。
藤津:
ARじゃないけど、『アイカツ!』の映画でスマホアプリと連動っていうのをやっていましたね。映画本編と連動した仕掛けをやっていたらしいです。
藤津:
スクリーンにかざすとオバケが見えるとか、これからあるかもね。
中井:
皆スマホをスクリーンにかざしたりして。劇場内がめっちゃ明るくなる(笑)。
堺:
オバケが「やめて~」みたいな事になるね(笑)。
藤津:
映画に集中できないですよ(笑)。でも、ARになると、あれは体験アトラクションに近いかな。スクリーンの中のコンテンツを楽しむという事とは違ってくる。
堺:
テレビの方が親和性が高いよね。ライブ感が大事だから。
番組スタッフ:
アメリカのドラマってARとリンクしているものが多いみたいですよ。
堺:
皆、ドラマ見ながらツイッターで感想をつぶやくのが楽しいから流行るわけだよね。あと、ゲームの大きい功績は、普通の人に抵抗なく受け入れてもらえるベースを作った。昔はなかなかわからないものが、ゲーム化されてみんながプレイされるようになってね。
藤津:
『指輪物語』的な世界も、ドラゴンクエスト経由で当たり前になってきましたからね。
堺:
昔は「マニアック」、「マイナー」と言われていたものが、皆がゲームでプレイすることで「なんとなく知ってる」っていうことになった。それは陳腐化にもつながるんだけど、逆に概念が広がっているということだからね。
梨衣名:
ゲームと映画の未来が楽しみですね!
堺:
それは何十年も言われているんだけどね(笑)。