ヴィーガンを強制された1歳の赤ちゃんが栄養失調で餓死 行き過ぎた思想が招いた悲劇の事件を振り返る
今回紹介する動画は、ゆっくりするところさんが投稿した『【2019年アメリカ】「ママお腹すいた…」→子供にヴィーガン食を強要し、生野菜しか食べさせず餓〇させた母親【ゆっくり解説】』。
アメリカ・フロリダ州で発生したヴィーガン夫婦が子供へヴィーガン生活を強要、さらには栄養失調による餓死を招いた事件を紹介しています。
■行き過ぎたヴィーガン生活で我が子が餓死
魔理沙:
今回紹介するのは、以前からリクエストがあった、「ヴィーガン」に関する事例だ。
霊夢:
そういえば、何年か前からよくヴィーガンって耳にするわね。
魔理沙:
そうだな。近年SNSの台頭によって、その存在が一般人の人々にも知られるようになったな。 今回の事例は、その中でもかなり徹底したヴィーガン生活を行っていた、一組の親子に起きた 悲惨な事件となっている。
霊夢:
事件……。
魔理沙:
今回も例によって、その紹介の一部でショッキングな表現をせざるを得ない部分がある。それに、これはあくまでも概要を伝えるものであり、すべての事柄を詳細に、正確に解説する動画ではない。
動画内で伝えている情報がすべて正しいものだとは思わないでくれ。以上のことを理解し、了承できる人のみ視聴・コメントしてくれ。
霊夢:
こどもが関係している事例って、聞くのも辛いようなものばっかりだけど、ヴィーガンがどういうものなのか、知っておくことも大事だと思うし……。おっけーおっけーしてみるわ!
魔理沙:
ヨシヨシ、それじゃ早速本題に入ろうか。アメリカ合衆国南東端に位置する、「フロリダ州」。ここは片側が大西洋に面し、もう片方はメキシコ湾に面した特殊な形をしている地域だ。
2019年、9月。そんなここフロリダ州のとある民家に暮らす女性「Aさん」。彼女は夫と子供たち4人との6人暮らし。幸せな家庭を築いていた。
霊夢:
フロリダ暮らしとかいいなぁ。
魔理沙:
Aさん夫婦は、知人たちの間でも有名な「ヴィーガン夫婦」であり、息子である「Bさん」にも、普段からヴィーガン食を与え、育てていた。Bさんはまだ1歳半ほどの子供だった。
霊夢:
ヴィーガンってよくきくけど、野菜しか食べない人だっけ?
魔理沙:
ヴィーガンというのは、一般的、かつ簡単に言えば完全な菜食主義、動物由来の製品、サービスを使用しない人たちの総称だな。
霊夢:
ベジタリアンとは違うんだっけ?
魔理沙:
よく混同されることもあるが、ベジタリアンが卵や乳製品を摂るのに対し、ヴィーガンは卵・牛乳、はちみつなんかも一切利用しない。
霊夢:
はちみつまで? へぇ〜かなり徹底してるわね。
魔理沙:
世界最古のヴィーガン協会によれば、ヴィーガニズムは、「衣・食、その他すべての目的に於いて、実践不可能でない限り、いかなる方法による動物からの搾取及び動物への残酷な行為の排斥に努める、哲学と生き方だ」と定義されており、動物由来の食品や製品を利用しないだけでなく、そういった製品の利用は、「人間による搾取である」という抗議活動などを行うこともある。
霊夢:
動物愛護団体とはまた違った感じね。
魔理沙:
まぁこれは人にもよるがな。他人にそういった思想を押し付けず、個人的に菜食主義を貫く人もいる。
霊夢:
なるほど。
魔理沙:
Aさん夫婦もヴィーガンだったため、家庭での食事も当然ヴィーガン食である野菜中心のものだった。
霊夢:
なんか体に良さそうじゃないの。
魔理沙:
いや、一概にそうとは言えない……。そんな生活を続けていたAさんたち親子だったが、それは最悪の形で破綻してしまうことになった。9月末。買い物から帰宅したAさんは、息子のBさんが自宅で倒れているところを発見した。
霊夢:
えっ!?
魔理沙:
慌てて駆け寄ったAさんだったが、息子は息をしていない。すぐに消防に通報し、ほどなくして緊急車両が到着。隊員はすぐにBさんを救急車に運び入れ、近くの病院に搬送した。
搬送先の病院では、すぐに処置がとられたものの、懸命の処置もむなしく、Bさんは間も無く息を引き取った。
霊夢:
そ、そんな……。なんで急に?
魔理沙:
担当した医師によれば、搬送されたBさんの体はガリガリに痩せており、栄養失調に伴う合併症によって命を落としたということだった。
霊夢:
え、栄養失調!? それって餓死したってことじゃ……!
魔理沙:
ああ。レスキュー隊員がAさん宅に到着し、Bさんを見たとき、あまりの細さに驚愕していた。
なんと生後1年半以上が経過していたBさんの体重は、同年齢の平均体重である約13kgを大きく下回った7kg前後しかなかった。
霊夢:
ヒィィィィ! 半分くらいしかないじゃないの!
魔理沙:
しかも、Bさんは脱水症状を含む栄養失調の合併症によって、肝臓機能が著しく低下し、ガリガリの見た目とは裏腹に、おなかには水がたまり、四肢はむくんで腫れあがり、顔は青ざめ、 黄疸が出ているという、見るも無惨な姿に変貌してしまっていた。
霊夢:
どうしてそんなことに……。
魔理沙:
実はBさんは、母親であるAさんの思想、育児方針のもと、普段からヴィーガン食しか与えられておらず、十分な栄養が与えられていなかったために、言ってみれば餓死してしまっていたんだ。
霊夢:
イヤアアアアアアアアアアアア!!!!
魔理沙:
警察はAさん夫婦を、児童虐待、加重過失致死などの容疑で逮捕。ふたりはその後、第一級殺人、児童虐待、加重児童虐待、育児放棄の容疑で起訴された。
その裁判でAの弁護側は、「確かにヴィーガン食を与えていたが、Bさんには母乳も与えていた」と主張したが、フロリダ州検事局側は、「ヴィーガンという思想・生活スタイルを被害者に強要した」としてAを激しく非難し、こう続けた。
「彼女はわが子を死に追いやるような育児を選択しました」「ヴィーガンというプライドが、彼の命を奪ったのです」「これは人間の命を軽視した、無謀な行動だったと言えます」
さらに、彼女には3歳、5歳、11歳の子供もいたが、三人とも健康状態が非常に悪かった。いずれも肌の血色が悪く、歯が黒ずんでいることなども指摘された。
弁護側は、子供たちとAが幸せそうに映る写真を提出し、「これが子供を殺したいと考えている母親の表情でしょうか? 」と述べ、Bさんの死は事件ではなく、悲劇的な事故だったと主張した。
霊夢:
無理があるわ……。
魔理沙:
しかし、最終的に、Aは児童虐待、加重児童虐待、過失致死罪、育児放棄などを含む、 計6件の罪で有罪判決が下り、そして、2022年6月、終身刑が下った。
ちなみに、夫も同様の罪で、現在裁判が行われているという。
霊夢:
うぅ……。親の身勝手な都合で、子供にそんな生活を強要してたなんて……。
魔理沙:
そうだな……。この事件が報道されると、A夫婦、ひいてはヴィーガンに対する批判や非難する意見や指摘がSNSなどで続出したという。
この動画では、ヴィーガンや菜食主義といった、個人の思想・信条に対して、批判も肯定もしない。しかし、どのような思想であっても、それは他人に強要していいものではない。
霊夢:
ほんとよ……。小さい子なんて特に栄養が必要だったのに……。
魔理沙:
あぁ、ヴィーガン生活を送っていると、人間の体を維持するための重要な栄養素、タンパク質やカルシウム、鉄、ビタミンDなどといったものが不足してしまいがちになるといわれており、栄養が偏ることで、様々な疾患にかかりやすくなるという指摘もある。
霊夢:
お肉も魚も、卵すら食べられないってなると、確かに栄養は偏りそう……。
魔理沙:
通常の生活を送っている人たちは、肉、魚、卵、甲殻類、貝類、乳製品などを摂っているので、先述した栄養素を簡単に得られるが、ヴィーガン生活ではこれらの食品は一切口に出来ない。
特に、子供の成長にはタンパク質や鉄、カルシウムは非常に重要な栄養素であり、それらが不足していれば、十分な発育が望めないばかりか、免疫力の低下などによって、感染症などのリスクが高まる場合もある。
Bさんのように、栄養失調に起因した様々な合併症を起こし、最悪の場合命にかかわることもある。
また、ヴィーガン生活を続けている人は、そうでない人と比べて、骨折のリスクが4割近く高くなるという研究もあり、その危険性を指摘する医師や、研究者も多く存在する。
霊夢:
骨がちゃんと作られないのかしら……。アメリカって、トレーニングとかして体を鍛えたり、サプリメントが色々あるし、体の事とかよく考えてる人が多い印象だったんだけど、こういう人もいるのね……。
魔理沙:
そうだな……。「体の事を考えている」といえば、Aやヴィーガンの人々も、同じなんだろうが、それが行き過ぎたものだったりすると、今回のような深刻な健康被害を及ぼしてしまうこともある。
ヴィーガンの人口は、世界人口を約76億人とすると、そのうちの約3パーセントに当たる約2億人近くいるといわれており、アメリカにも多く存在している。
近年ではわが国でもヴィーガンになる人が増えているが、健康を害しない範囲で、それを他人や子供に強要することなくやってもらいたいな。
霊夢:
ほんとよ……。「動物を殺さないで! 」って言いながら、自分の子供を死なせてたらなんの意味もないもん……。
魔理沙:
さて、今回の紹介はこの辺で終わりにしておくぜ。
行き過ぎた食生活により、大切な我が子をこのような形で失ってしまうという、なんともいえない悲しい事件でした。
この解説をノーカットで聞きたい方はぜひ動画を視聴してください。
『【2019年アメリカ】「ママお腹すいた…」→子供にヴィーガン食を強要し、生野菜しか食べさせず餓〇させた母親【ゆっくり解説】』
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