なぜCanonがコスプレイベントに協力し続けているのか? コスプレイヤーの気持ちを知るために『ワンピース』や『銀魂』のコスプレをした社員に話を聞いたら、コスプレに関わる全ての人へのリスペクト”が飛び出した
※ご覧の記事はキヤノンマーケティングジャパン株式会社の提供でお届けします。
今年10月29日~30日の2日間、日本最大級のコスプレイベント、池袋ハロウィンコスプレフェス2022(以下池ハロ)開催された。
池袋エリア全域を使ったこの大規模なイベントは、コスプレイヤーやカメラマンが集まり撮影できるのはもちろん、ステージでの様々な企画やCosplayer Of The Year2023の最終審査などが行われ、大きな盛り上がりを見せた。
なかでも多くの参加者を集めたのが、ガチ撮影エリア。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社が協力するこのエリアでは、参加者は誰でもキヤノン最新機種のカメラやレンズを借りて、人気コスプレイヤーの撮影をすることができるようになっていた。
しかしなぜ、キヤノンがコスプレイベントに協力しているのか?
キヤノンといえば世界でもトップクラスのシェア率を誇るリーディングカンパニーだ。国際的なスポーツイベントや、文化遺産の支援活動などに尽力している大企業が、街の一角で行われるコスプレイベントに参入していることを意外に感じる方もいるのではないだろうか。
そこで本記事では、キヤノン製品プロモーションに携わるカメラマーケティング部の津幡圭佑さんにお話を伺った。
インタビューでは、キヤノンがコスプレイベントに協力するようになったきっかけや、それにかかわる「コスプレ文化を末永くサポートしていきたい」という担当者の強い想い。津幡さん自身がコスプレを経験したことでよりコスプレイヤーへの愛が深まったエピソードなどを聞くことができた。
コスプレを愛する人も、「コスプレってちょっとおもしろそうだな」と興味を持っている人にも、ぜひキヤノンの取り組みを知ってほしい。
撮影:金澤正平
コスプレイベントはキヤノン社内でも評判上々
──本日はよろしくお願い致します。まず、キヤノンさんがこれまでやってこられたコスプレに関する取り組みを教えてください。
津幡圭佑:
2017年から池袋ハロウィンコスプレフェスで「ガチ撮影エリア」を実施しています。
最近のコスプレイベントだと「acosta!」でもカメラ貸し出しサービスや、来場したコスプレイヤーさんをプロのカメラマンが撮影してくれるブースを出展しました。
──「池ハロ」「acosta!」のブースは私も拝見しましたが、たくさんのカメラマンやコスプレイヤーさんが来場していました。
津幡:
評判はいいですよ!告知の段階からSNSでいい反響をいただき、おかげさまでブース自体も満員御礼になりました。
──コスプレ施策を進めるのは社内でのハードルもあったのでしょうか? コスプレに対してアンダーグラウンドなイメージを持たれている人もいまだに多く、キヤノンさんのようなリーディングカンパニーがコスプレ文化のサポートを始めたのはちょっと驚きがありました。
津幡:
やはりコスプレ文化に馴染みがない社員から理解を得るのにハードルが高い部分は正直ありました。「またカメラマーケティング部が不思議なことをやっている」と思っていた人もいたかもしれません。
でも、長年関わることによって社内での理解もかなり進んできたので、長期に渡り携わっていくことは大切だなと思います。
コスプレイベント参入のきっかけは東京オリンピック
──そもそも、なぜキヤノンさんがコスプレイベントに参入することになったのでしょうか?
津幡:
実は、東京オリンピックが一番のきっかけなんです。
──東京オリンピックですか? まったくつながりがなさそうですが……詳しく聞きたいです。
津幡:
弊社が「東京2020ゴールドパートナー」に就任し、それにあわせて全社を挙げて、オリンピックを盛り上げようとする動きになりました。
「Beyond CANON,Beyond JAPAN」をテーマにしていて、写真の力を使って海外に日本の文化を発信することが目的でした。写真と親和性が高い日本の文化ってなんだろう? と考えたときに「コスプレ」が出てきたんです。
私の部署もコスプレ文化を海外に発信したいとはずっと思っていたので、目的が合致したんですね。それで一緒にやることになったんです。海外への発信も併せて、国内のコスプレイベントにも参入しようと決まったのが、池ハロに初参加する前年の2016年頃でした。
──津幡さんの部署は、東京オリンピック以前からもコスプレ文化への関心があったのですね。
津幡:
以前から、コスプレを撮影される方は弊社の製品のシェア率が高いという感覚はあったので、皆様をサポートしたいなという気持ちはずっとありました。
EOS R3やEOS R5といった高価なフルサイズモデルから、安価なエントリーモデルのEOS Kissまで幅広く使って頂いていました。
それで、コスプレイベントでも皆さんに最新機種を触って頂いてコスプレをより楽しんでいただきたいと思い、現在のような形になったんです。
自分もコスプレしたから知れた苦労と魅力
──ちなみに、津幡さんはコスプレをされたことがあるそうですね。
津幡:
そうなんですよ(笑)。去年出演した生放送の番組内でコスプレさせてもらったんです。
コスプレ文化やコスプレの撮影方法などを紹介する番組で、僕はコスプレイヤーさんとカメラマンさんが撮影しているのを見ながら、「EOS R5はこんな機種なんです」と説明するという役割でした。
──コスプレをしなくてもよさそうな役割ですね(笑)。なぜコスプレをすることにしたのですか?
津幡:
初めて池ハロさんに協力させてもらった2017年、私たちは急にズカズカとコスプレの世界に入ってきて「あ、どうも!」みたいな感じで企画を実施した感じでした。でもそれは失礼なんじゃないかなって。
やはり同じ目線で対話しないといけないと思いましたし、それにはコスプレする方や撮影する方々の気持ちがわからないといけないなと考えたんです。
──ちなみに、何のコスプレをしたのですか?
津幡:
『銀魂』の近藤勲のコスプレをさせていただきました。僕はガタイがいいので体型も合っていたのか、意外と好評でうれしかったですね(笑)。
──コスプレイヤーさんと同じ目線に立って、気付いたことを教えてください。
津幡:
いやー、コスプレするのは大変ですね! 僕は他の演者さんより1時間早く撮影場所に入らないといけなかったんですが、スタイリストさんやヘアメイクさん、ウィッグを制作してくれたスペシャリストの方も同じぐらい早くい時間に入っていただきました。
そういった準備を一人で出来る方がほとんどかもしれませんが、コスプレイヤーの皆さんこんなに大変なことをして本番に臨んでいるのかと、本当に驚きましたね。
──多くの方に手伝っていただき、実際にキャラクターのコスプレをしてどうでしたか?
津幡:
すごく楽しいですし、コスプレをした途端に世界の見え方が変わった気がするんです。
今年は『ONE PIECE』のシルバーズ・レイリーのコスプレをさせてもらったのですが、その場にいたキヤノンの社員を全員倒せるなと思いました。
──自分もレイリーのように強くなったような気分に(笑)。
津幡:
あの非日常感や開放感は癖になりますね。
皆さんがコスプレにハマる理由がちょっとわかった気がしましたし、尚更、コスプレ文化が盛り上がってほしいという想いは強くなりました。
キヤノンが描くコスプレ未来予想図
──コスプレ文化に携わるなかで、キヤノンさん内で新しい施策などは生まれましたか?
津幡:
コスプレの世界を動画で見せる流れを作りたい、なんてことをいま考えています。 コスプレって「奇跡の一枚を撮るぞ」みたいに静止画で楽しむ人も多いと思うんです。
でも敢えて、その前の変身していく様子や、メイクをする姿をドキュメンタリーのようにパッケージできたら面白いんじゃないかと。
──動画に関する施策はすでに具体的な構想があるのでしょうか?
津幡:
動画や生放送で動く姿を見せるのには抵抗がある方も多いと思うので、どういった形が適しているのか、これから試行錯誤していくことになると思います。
逆に言えば、そこのハードルを超えられるのであればおもしろいコンテンツを作れると思いますし、多くの人に見てもらえるんじゃないかなって。いろんなアイディアが出来そうな気がしています。
──今後のキヤノンさんとコスプレ文化の関係性についてはどうお考えですか?
津幡:
コスプレ文化に長年……といっても5年くらいですが、真剣に作品と向き合って、アーティスティックな感性で作品を作り上げていく方が多いことを知りました。
私たちとしては、もっとこの文化を広める、楽しさを伝えるお手伝いをしていきたい。それがイベントなのか、静止画なのか動画コンテンツなのか分かりませんが、まずはキヤノンのカメラを通して、コスプレに興味がない方の参入障壁を下げていくというのは意識したいです。
あとは、「コスプレを始めるぞ」ってなった時に「まず必要なのは、衣装とウィッグ、そこにキヤノンのカメラだよね」と思う人が増えたらうれしいですね。あとは、一応……僕もカメラマーケティング部の人間なので、カメラが売れてくれたらいいなと思っています(笑)。
──これからもコスプレ文化を盛り上げて頂けることを楽しみにしています!
津幡:
ありがとうございました! 読んでくださった皆様、コスプレ会場でお会いしましょう!
池袋ハロウィンコスプレフェス2022 ガチ撮影エリアレポート
今年の池ハロでは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社協力のもとガチ撮影エリアが開催。
ここではキヤノン最新機種のカメラとレンズを借りて人気コスプレイヤー撮影を体験でき、2日間たくさんの来場者を集めた。
また、撮影しない人にも、キヤノンの製品を手に取ることができるブースがオープン。
スタッフが常駐しており、来場者に対してカメラについての質問に答えていた。