Z世代に人気だったのに突然終了!? 友人と位置情報共有するSNS「zenly」は何故サービス終了を迎えたのか? 親会社の買収などの背景からその理由を考えてみた
今回紹介する動画は、ゆっくりルーザーズさんが投稿した『【ゼンリー】なぜ!?覇権サービスが唐突に終了する意外な理由【ゆっくり解説】』。
若者を中心に人気の位置情報共有アプリ「zenly」の突然のサービス終了について、音声読み上げソフトを使用して解説しています。
■Snap社による買収に裏アリ!?
霊夢:
ねえ魔理沙、zenlyってアプリ知ってる?
魔理沙:
ああ、知ってるぜ。位置情報共有アプリだよな。
霊夢:
そうそう。さっき知ったんだけど、今時の若者はあのアプリでお互いの位置情報を教え合ったりしてるんだって。
魔理沙:
らしいな。私からしたら信じられない話だぜ。
霊夢:
そうだよね。私だって出来る限り自分の位置情報は隠したいよ。一体なんであんなアプリが流行ってるのか疑問で仕方ない。
魔理沙:
でも知ってるか? zenlyは2023年2月3日にサービス終了することが決まってるんだぜ。
霊夢:
え? 流行ってるんだよね?
魔理沙:
流行ってるぜ。
霊夢:
え?
魔理沙:
世界中で4,000万人が利用し、月間のアクティブユーザーは3,000万人とも言われているからな。十分流行っていると言えるだろう。
霊夢:
じゃあなんでサービス終了するの?
魔理沙:
それじゃあ今回は、若者たちの間で流行している位置情報共有アプリ「zenly」が、なぜここまで流行り、そしてなぜサービス終了するのか、その理由について解説するぜ。
zenlyは、多くの人に利用される人気アプリながらも、さまざまな裏事情があってサービス終了が決まったんだぜ。
霊夢:
う、裏事情?
魔理沙:
そう。前提としてさっきも言ったようにzenlyは世界で4,000万人が利用している。位置情報共有アプリとしては覇権的存在なんだぜ。
霊夢:
位置情報共有アプリって他にもあるの?
魔理沙:
あるぜ。whooやSnapchat、最近だとNauNauなんかも登場している。位置情報共有が、それだけ需要がある機能だということだぜ。
霊夢:
ますますzenlyが終了する理由が疑問に思えてきた。でもちょっと待って、なんでそもそも位置情報共有アプリなんてものが流行るの? それがまず不思議でならないんだよね。
魔理沙:
そうだな。まずzenlyについて簡単に説明するぜ。
霊夢:
うん。
魔理沙:
zenlyはアプリをインストールすると、登録したフレンドに対して、現在位置、滞在時間、移動速度、スマホの電池残量を共有するサービスなんだ。
霊夢:
え? そこまで共有するの!?
魔理沙:
利用者がよく滞在する場所には、zenlyが判断して自宅や職場のアイコンを表示。就寝していると判断されれば「睡眠中」と表示されるんだ。
霊夢:
なんでそんなことを共有する必要があるんだ。怖いよ。
魔理沙:
そう思う人も多いだろうな。日本でzenlyは、女子高生を中心に2019年ごろから流行し始めた。
霊夢:
そうだったんだ。どういう理由があるんだろう。
魔理沙:
zenlyは、自身のプライバシーを公開する代わりに、余りあるメリットを享受できるサービスなんだぜ。
霊夢:
ほう?
魔理沙:
例えば待ち合わせには便利だし、仲の良い友人の様子を把握できる。さらには常に繋がっているという喜びを感じられるといったメリットが若者に受けたんだぜ。
霊夢:
なるほど。そう言われると流行る理由も少しわかるような気がするよ。繋がりを感じたいというのはSNSを利用している誰もが少し思ってるところだから、若い人たちにはそれがより魅力なのかもね。
魔理沙:
そうだな。このアプリは元々フランスのzenly社が2015年に開発したサービスだった。
霊夢:
生まれたのは結構前なんだね。
魔理沙:
その後zenlyは、時間をかけて成長を遂げた。特にコロナ禍となる2020年以降にサービスとして軌道に乗り、急速に利用者が増加したんだ。
霊夢:
おおー!
魔理沙:
そしてまさにこれからというタイミングで事は起きた。
霊夢:
いったいなにが……?
魔理沙:
2022年9月、突如サービス終了が宣言されたんだ。
霊夢:
藪から棒だなあ。
魔理沙:
zenlyの公式Twitterアカウントでは次のようなツイートが行われた。
霊夢:
「#サービス終了突zenly(とつぜんりー)」って、これジョークなんじゃないの?
魔理沙:
これがジョークじゃなかったんだ。このツイートは少しふざけたハッシュタグがついていたためか、後に削除されてしまったが、その後改めて運営会社より正式にサービス終了の告知がされたんだぜ。
霊夢:
なんでなんだろう? 世界中で4,000万人が利用する超人気サービスなのに?
zenly:
その通り!
霊夢・魔理沙:
こ、この声は?
zenly:
利用者の急激な増加でこれから伸び盛りにも拘らずサービス終了が決定ってそれなに? どうも、近々この世を去る予定の人気アプリ、zenlyです。あのー、なんで私サービス終了しなければいけないんですか? 理解に苦しむんですが。
霊夢:
分からないけど最近人気無くなってきたとかそんな感じじゃない?
zenly:
君失礼だな。
魔理沙:
それは違うぞ霊夢。zenlyは、まさにこれからのサービスだった。私たちのような位置情報に拒否感のある人々も取り込みながら、これから本格的に世界的に流行することも考えられるサービスだったんだ。
霊夢:
ほんとかなあ。
魔理沙:
その証拠が競合アプリの数々だ。特にzenlyがサービス終了することが決まってから、開発が開始された「NauNau」は、「Z世代が選ぶトレンド寸前! 次世代SNS TOP10」でも1位に選出されている。
霊夢:
それだけみんな位置情報共有アプリを求めているということか。
zenly:
それならなんで……。
魔理沙:
zenlyがサービス終了することになった理由はいくつかある。
霊夢:
ふむ。
魔理沙:
親会社の経営悪化だ。
霊夢:
経営悪化? zenlyがそれだけ好調なのに?
魔理沙:
zenlyの親会社は開発会社であるフランスのzenly社ではなく、Snapchatで有名なアメリカのSnap社なんだ。
霊夢:
Snapchat?
魔理沙:
Snapchatは、画像や動画を友人に送るなどの機能があるSNSなんだ。日本ではなぜか流行していないが、海外では2016年頃から流行しているんだぜ。
霊夢:
へえ、そのSnap社がどうしてzenlyの親会社になっているの?
魔理沙:
2015年にzenlyを開発したzenly社だったが、2017年には既にSnap社に買収されているんだぜ。
霊夢:
そうだったんだ。
魔理沙:
ところが2022年9月1日、Snap社は自社の収益悪化を報告した。Snap社はこの収益悪化への対応策として、事業を再構築すると発表。その一環として、約6,400人いる社員のうち、20%である約1,300人の社員削減、加えてzenlyやVoiseyといったアプリの終了を伝えているんだぜ。
霊夢:
かわいそう……。
魔理沙:
zenlyの終了などリストラを行うことで、Snap社はキャッシュフローの改善を進めることにしたわけだ。
霊夢:
いくらSnap社の収益が悪化したと言っても、ユーザー数を右肩上がりで伸ばしているzenlyを終了するっていうのは、少しおかしな話なんじゃない? 何か匂うぞ。
魔理沙:
勘が鋭いな霊夢。このSnap社によるzenly終了話には、裏でさまざまな憶測が飛び交っているんだ。
霊夢:
どういうこと?
魔理沙:
まず、Snap社に買収された後も、傘下としてzenly社の社員として働いていた人たちは、Snap社に対して非難の声を寄せているんだ。
「皆、怒りと混乱を感じていますよ。そう、実際とても混乱しているんです。」
「Snapへの統合とかマネタイズの話ではなく、サービス終了という決定はただただ驚きでした。」
「普通の対処法じゃないですよ。」
魔理沙:
こう語るのは、zenly社員としてこれまで働いてきたうちのひとりだ。
霊夢:
確かにそれまで一生懸命サービスを運営してきて、これからって時に親会社の意向で終了になったらそういう反応になるよね。
魔理沙:
そうだろう。このような反感を買うことを分かりながらも、Snap社がzenlyのサービス終了を進めた背景には、Snap社のPMI戦略が理由の1つだったと考えられるんだぜ。
霊夢:
PMI戦略?
魔理沙:
ポスト・マージャー・インテグレーションと言って、買収後の経営統合作業の事を言うぜ。
霊夢:
い、一体どういうこと。
魔理沙:
Snap社は、2017年にzenly社を買収した後、元々の自社サービスであるSnapchatに位置情報共有機能を追加しているんだ。
zenly:
それって……まさか。
魔理沙:
Snap社がzenly社を買収した目的は明らかにされていないが、後付けで以下の3つの理由が考えられる。
①zenlyというサービスの収益拡大性を見込んで会社ごと取り込んだ
②Snapchatの機能拡大のため、zenlyの位置情報共有サービスの開発技術が欲しかった
③位置情報共有機能を持つ競合サービスの生殺与奪の権利を得たかった。
霊夢:
生殺与奪……。
魔理沙:
実際、Snap社が自社の経営悪化をきっかけにzenlyのサービス終了を発表したことで、zenly終了後の代替アプリとしてSnapchatが候補に挙げられているのが現状だ。
zenly終了が最初から計画されていたのかどうかは定かではないし、この話はどこまでいっても憶測の域を出ないが、可能性としてはSnapchatにzenlyユーザーを取り込むための買収だったとも考えられるんだぜ。
霊夢:
なんてかわいそうなzenly。
魔理沙:
zenly終了を悲しむ声は多数ある。それだけzenlyというアプリが多くの人に愛されていたというわけだな。以上がzenly終了についての解説だ。この話を聞いて霊夢はどう思った?
霊夢:
自分の命運を他人に預けないことの重要性に気付いた、とでもいいましょうか。
魔理沙:
良い答えだ。そういえば霊夢、この前ゲームで負けたんだから、今すぐパン買ってこい! 寄り道してないかこのSnapchatの位置情報で確認しているからな!
霊夢:
そんな使い方が!
惜しまれながらもサービス終了してしまったzenly。このようなお家事情があったとは……。
解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。
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