『新作ラノベ総選挙2017』選考委員に「ラストの一文まで、文句なし」と言わしめた作品の内容はどんな感じ?
読者が次にヒットするライトノベル作品を選ぶ「新作ラノベ総選挙2017」の結果がニコニコ生放送で発表され、上位3作品には以下の作品が選ばれました。
1位 『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 1.可能性の始まり』
(著:海道左近さん イラスト:タイキさん)
2位 『弱キャラ友崎くん Lv.1』
(著:屋久ユウキさん イラスト:フライさん)
3位 『86―エイティシックス―』
(著:安里アサトさん イラスト:しらびさん メカニックデザイン:I-IVさん)
スタジオには上位3作品の各編集者が登場し、声優の相坂優歌さん、前田玲奈さん、株式会社ブックウォーカーの山本泰史さんが各編集者(電撃文庫編集部・清瀬さん、ガガガ文庫編集部・岩浅さん、HJ文庫編集部・木下さん)に作品の魅力を伺いました。
第3位 『86―エイティシックス―』
相坂:
第3位は『86―エイティシックス―』です。ではここで、ゲストにお越しいただいております。電撃文庫編集部の清瀬さんです。入賞おめでとうございます。喜びのコメントをお願いします。
清瀬:
本作は今年の2月に発売されたばかりで今回の総選挙で選ばれた作品の中では新しい作品ですが、3位ということで驚いています。
本作は戦場の熱さや別れの悲しさなど、「エンターテインメントの、ど真ん中の作品」を自称していますので、まだご覧になられていない方がいらっしゃいましたら、ぜひ読んでいただきたいなと思います。
前田:
おめでとうございます。先生からコメントをいただいているそうですので、そちらもご紹介をお願いします。
清瀬:
著者の安里アサトさんからコメントを頂戴しておりますので紹介したいと思います。「大! 応! 援! ありがとうございます!! 光栄です! どうかこれからも、鮮血女王と首の無い死神、そしてエイティシックス達の戦場に、お読みいただいた貴方とまだお読みでない貴方を、お連れすることができますように。」というコメントです。
相坂:
素敵なコメントですね。ありがとうございます。では、あらすじをご紹介したいと思います。
~あらすじ~
「サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。そう――表向きは。
本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区”》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。
死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官(ハンドラー)”となった少女・レーナ。二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる――!」
ということですが、おすすめポイントを伺ってもよろしいでしょうか。
清瀬:
第23回電撃大賞の応募作として、見事5000近くある公募の中から大賞に選ばれた作品ですが、選考委員の時雨沢恵一先生からは「ラストの一文まで、文句なし。」という推薦文までいただきました。
清瀬:
本作はえぐい世界観であったり、いろいろな要素があるのですが、結論に至るまでグサグサとくるようなどんでん返しがあって、私も中盤、後半、最終と3回くらい泣いてしまったのですが、読んだら絶対楽しんでもらえる作品だと思っています。
イラストのしらび先生とメカニックデザインのI-IV先生のかっこいいロボットのデザインと合わせてラストの一文まで見逃さず楽しんでいただけたらと思います。
相坂:
話を聞くだけでもすごいなと思います。
前田:
重厚感がたっぷりですね。
山本:
偶然ですが自分も読んでいて3回くらい「マジかよ」ってつぶやきました(笑)。最初のストーリーに入り込むときに世界観がすごくしっかりしているので、読んでいくうちに自然に入ってきて、文章で引き込まれたなと思います。
差別的なものが強い世界観の中で主人公たちもひどい扱いをされるのですが、戦っているシーンは胸を打つようなストーリーです。本当に最後の一文まで文句なしです。
第2位 『弱キャラ友崎くん Lv.1』
相坂:
では続いて第2位は『弱キャラ友崎くん Lv.1』です。こちらもゲストにガガガ文庫編集部の岩浅さんにお越しいただいております。喜びのコメントをお願いいたします。
岩浅:
ちゃんとしたコメントを考えていなかったのですが、これだけ多くのライトノベル作品がある中で、第2位に選んでいただいて作家共々喜んでおります(笑)。
今回は2位ということで、1位を獲得したかったなという欲もあるのですが、本作は上を目指していくキャラクターたちの話になっていますので、共に今後も1位を目指していきたいと思います。
相坂:
著者の屋久ユウキ先生からもコメントはいただいているんですよね。
岩浅:
はい。コメントをいただいておりますので紹介します。「投票してくださった皆さん、ありがとうございます! この作品は「リアル世界なんてくだらない!」と思っている男子高校生の成長物語です。人生はクソゲーだと思っている人にこそ、読んでほしいなあと思います。」
前田:
なるほど、素敵なコメント。
相坂:
ありがとうございます。ではあらすじの紹介をよろしくお願いいたします。
前田:
はい。
~あらすじ~
「これが人生(クソゲー)攻略の最前線! 人生はクソゲー。このありふれたフレーズは、残念ながら真実だ。だって、人生には美しくシンプルなルールがない。あるのは理不尽と不平等だけ。自由度が高いなんてのは強者の言い分で、弱者には圧倒的に不利な仕様でしかない。だから、クソゲー。
あまたのゲームに触れ、それらを極めてきた日本屈指のゲーマーである俺が言うんだから間違いない。――だけどそいつは、俺と同じくらいゲームを極めてなお、「人生は神ゲー」と言いきった。生まれついての強キャラ、学園のパーフェクトヒロインこと日南葵。
しかも、「この人生(ゲーム)のルールを教えてあげる」だって? ……普通は、そんなの信じない。だけど日南葵は、普通なんて枠にはまったく嵌まらないやつだったんだ!」
相坂:
熱い! では岩浅さん、この作品のおすすめポイントを教えてください。
岩浅:
本作は第10回小学館ライトノベル大賞優秀賞を受賞した作品です。ゲームの世界では1位をとれるんだけど、リアルな世界ではすごく弱キャラな男の子が主人公で、学園の圧倒的リア充の女の子に出会って、この子から人生の攻略法を指南してもらうという話です。
相坂:
人生の攻略法⁉ 知りたい!
前田:
知りたい!
相坂:
私たちも読んだ方がいいんじゃない(笑)? これはアニメ化秒読みじゃないですか?
岩浅:
沢山期待いただいているなと感じています。
前田:
絵もかわいいですしね。
山本:
自分はライトノベル作品の中で、「リア充は敵だ」と読んで育ってきたのですが、リア充を目指していいんだと、本当に中学生のときに出会いたかった作品だと思いました。一日三人に話しかけるとか、ヒロインがちょっとしたレッスンをしてくれるんです。
山本:
その指令をこなすまでが非リア充にとってはつらいのですが、それを乗り越えて話しかけるというドラマが僕にはできなかったので、ぜひまだ未来がある方は読んでください(笑)。
前田:
まだいけますって!
相坂:
もちろん大人の方もそうですが、学生の方にも読んで欲しいです。
前田:
劇的に学生生活が変わるかも。
相坂:
お約束はできませんが、でもやってみることは大事。
山本:
成功するか失敗するかは分からないけれど、とにかく学園生活は変わると思います。
相坂:
仮に学園生活で失敗したとしても、それは社会では役に立つと思います。
前田:
コミュ力はないよりあった方が絶対にいいからね。
相坂:
絶対そう! ぜひ社会人の方も読んでいただきたいと思います。