「僕たち、どうしてもっと頭を使ってこれなかったんだろうね(笑)」——『HYDE × YOSHIKI』対談で明かされる過去のやんちゃエピソード
HYDEやYOSHIKIも陥る!? こだわりすぎて、完成できなくなってしまう問題
YOSHIKI:
でも聞いているその瞬間、ゾクゾクっと感じる時がありますよね。やっぱり、僕はボーカルが一番大事だと思っている。
一応全部撮ってボーカルを形にして、ドラムをさらに形にして、ギター、ベースっていう、そんなくらいで。
HYDE:
それって何年前くらいからやってるんですか?
YOSHIKI:
10年前くらいから。
HYDE:
ですよね。それってサグラダ・ファミリアみたいな状態じゃないですか。
YOSHIKI:
何それ?
HYDE:
スペインの教会でなかなか完成しなくて。その間に最初に作った部分が気に入らなくなったりとかするから、いつまで経っても完成しない教会があるじゃないですか。
YOSHIKI:
それはかなりある(笑)。それはそのノリで近々出さないとまた弾けなくなっちゃうので早く出さないと。
HYDE:
10年も経つと、技術も変わってるでしょ。昔、大変だったことが今簡単になったりして、音も綺麗に撮れたりしますよね。
YOSHIKI:
2、3年前に完成しかけたんですよ。その時は、半分を「紅」とか「Rusty Nail」などの昔のヒット曲の英語バージョン。
残り半分は新曲で、さあいこうっていう時に、「全部新曲にしようよ」となって50%がなくなっちゃったんですよね。
HYDE:
それ聞きたいですけどね。
YOSHIKI:
……じゃあ、それはそれで出そうかな(笑)。
僕の場合は捨てないで、どこかに残っているから、僕が死んだら世の中に色々なものがいっぱい出ると思うんですね。ハードディスクに全部入っているから。
HYDE:
高そうですね(笑)。
YOSHIKI:
どうなんでしょうね(笑)。
YOSHIKI:
初めてのレコーディングの時はやっぱりインディーズの時で、ドラムをしていたんですよね。それで、結構間違えちゃったんですよ。だけど、勢いがあったんだよね。
なので、リズムが狂った部分をどうしようかと。もう爆発音を入れて、ごまかしちゃおうぜとなって、バーンと音を入れて(笑)。
X JAPANで爆発している部分は全部間違ってる所なんですよね(笑)。
HYDE:
それが今やね。今もそれでやればいいじゃないですか?
YOSHIKI:
たまに爆発音を入れちゃおうぜってなるんですよ。その時は自分でも思考回路がよくわかってないんですよね。
HIDEが言ってたのは、YOSHIKIは積み木を念入りに積み上げて、ある日突然それを蹴っ飛ばすらしいんですね。そういう説明書がありましたね。
そういうこだわりとかってないんですか? こだわるのか、それともノリ1発なのか?
HYDE:
こだわる時はこだわるんですけど、こだわらない時はこだわらないですね。あまりにかかわりすぎて、自己プロデュースしてしまうと隅々まで知っているから、隅っこが気になって仕方がない。
だから、その域までいかないようにしているんですよね。いってしまうと、絶対に重箱の隅までつついてしまうから。
普段はなるべくいかないようにしないと、YOSHIKIさんみたいに、何十年も出さないっていうロックスターでは居られないので、何年かに1度出さないといけないですね。
勢いでいける魔法の言葉があるんですよ。「まぁいいか」っていう言葉ですね。
YOSHIKI:
今回、貰っておいた方が良いかもしれませんね(笑)。
HYDE:
それを言うとね。大概のことを許せますね。
YOSHIKI:
僕も、家で一個気になりだすと、この木が30cm横じゃないといけないとか、だんだん気になっていくんですよね。この前、プールを動かしてしまったんですよ。
プールって掘ってあるものだから動かないけど「片っぽ30cm削って片っぽ30cm埋める」っていう。どうしてもプールの位置が気になっちゃう。ある種、病気ですよね。
HYDE:
そういう伝説、面白いんでもっと作って下さい(笑)!
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