歌い手・Killによるアンニュイな歌声で紡ぐ1曲『ラットホープ』歌コレ2024春・kemu部門優勝オリジナルソング
歌い手として活動する人々の祭典、「歌ってみた Collection」。
歌ってみた最大級の動画投稿祭として年々盛り上がりを見せるこのイベントで、近年熱い注目を集める催しでもあるのが、人気ボカロPからの楽曲提供のチャンスを掴める「ボカロP部門」である。
該当のボカロPによる楽曲の歌ってみた動画でイベント参加、部門登録をすることで、ランキングに関係なくボカロP本人による「優勝者」を選定。
優勝者にはそのボカロPから書き下ろし曲提供の権利が与えられるという、まさにシンデレラドリームを叶えられる部門でもある。
過去にはこれまで、まらしぃや夏代孝明、なみぐるなど、新旧を問わず高い人気を得るボカロPたちがこの部門に登場。
次回3月20日~23日に行われる「歌ってみた Collection 〜2025 Spring〜」では、じんと雪乃イトによる該当部門が設置された点も注目を集めている。
そんな歌コレのボカロP部門で、文字通りシンデレラドリームを叶えた歌い手による曲。
それが「歌ってみた Collection ~2024 Autumn~」にてkemu部門優勝を獲得した、Kill「ラットホープ」である。
文/曽我美なつめ

大勢の歌い手による豪華コラボ作も話題となった、歌コレ2024秋のkemu部門。
応募総数は約500件にものぼったが、その中で今回優勝を獲得したKillによる「瓦礫の塔」歌唱動画は、なんとTOP50ランク外からの選出として大勢の参加者を驚かせた。
これほどまでに光る個性を放つ歌い手ですら、TOP50ランク外に埋もれてしまう。そんなある意味での「歌コレ」というイベントの恐ろしさ。
同時に審査員となるボカロPたちは、上位入賞作だけでなくしっかりと参加作を隅々までチェックしてくれている、という嬉しさ。
今回の受賞から、その二つをひしひしと感じた人々もきっといたことだろう。

そんな大逆転のシンデレラドリームを叶えた歌い手・Killにkemuが提供した楽曲が、今回紹介する「ラットホープ」だ。
確かなkemuの作風を思わせるくっきりとしたビート感の中にも、静謐な雰囲気のサウンドで始まる楽曲イントロ。
その名から歌われる「殺してください」という声に、思わずどきりとさせられてしまう。

「瓦礫の塔」の優勝動画でも存分に発揮されていた、アンニュイな擦れを孕みながらも、空気を震わせ言葉の響きを丁寧に紡ぐKillの歌声の魅力。
その歌声の魅力というのが、わずか冒頭の数十秒を聴いただけでも痛いほどに伝わってくる。

楽曲が展開するにつれより如実に浮き彫りとなる、kemu本人をも強烈に惹きつけたKillの歌声のダイナミクスと、真に迫る深度や透明感を併せ持つ表現力。
聴き進めることで、それが十二分に伝わってくる1曲だと感じられるだろう。

「ラットホープ」はボーカロイドバージョンも公開中。合わせてチェックしてほしい。
憧れのボカロPから提供してもらえるチャンスが手に入る歌コレボカロP部門。
人気ボカロPから歌声をピックアップされ、次に脚光を浴びるのはあなたかも?
参加を迷っている人は、ぜひこの機会に思い切って一歩を踏み出してみては。
■information
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