『原子力で走る電車』が誕生するはずだった? 1950年代の技術力は想像以上に革新的だった
今回紹介するのは、jt8dさんが投稿した『時代は原子力だ!な『迷』機関車』という動画。再生数は4.7万回を超え、「科学」カテゴリランキングで最高で4位を記録しました。
投稿者メッセージ(動画説明文より)
今回は原子力で走ろうとした機関車をご紹介します。
1950年代、原子力発電所、原子力空母や原子力潜水艦が実用化。飛行機にまで原子炉を積んで試験飛行していました。そんな時代にアメリカで考案された機関車『X-12』のお話です。
心臓部である原子炉は、軽水炉の一種である沸騰水型原子炉です。核分裂の熱でお湯を沸かすシステムです。
X-12の原子炉は加熱式で、再加熱した蒸気でタービンを回し、回転出力を取り出します。この蒸気は放射能汚染されています。
タービンを回した蒸気は、水蒸気-水の熱交換器を使って冷やされ、また原子炉に戻されます。この冷却水は汚染されておらず、水-空気(外気)の熱交換器を使って冷却します。
日本の原子力発電所はこの最後の冷却水として海水を使い、海水が得られないアメリカの原子力発電所では、巨大な冷却塔を使って水を冷やしています。X-12はアメリカのシステムに近いそうです。
取り出せた回転出力で発電機を駆動させます。あとは電気機関車と同じで、発生した電気は制御装置を通して12基のモーターを駆動させます。
「原子力発電所を積んだ電気機関車」ということです。
鉄道は発電所や空母に比べて不安定な存在です。固定式の原子炉ですら事故を起こす人類には、地上を走り回る原子炉の管理は不可能でしょう。
様々な問題もあり、原子力列車は試作も実証実験もされませんでした。原子力の平和利用が始まったばかりの1950年代。たくさんの期待を原子力に抱いていたのですね。
視聴者のコメント
・なるほどわかる
・こんな時代もあったのね
・凄すぎる そして面白い
・砂漠の真ん中くらいしか走らせられないだろう
・急がば回れって事ね