『.hack』を手がけた松山洋による“ゲームクリエイター超十則”が松岡修造さんの声で脳内再生したくなる内容だった件
昨年11月、「NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー」シリーズや「.hack」シリーズの開発で知られるサイバーコネクトツー代表取締役社長・松山洋氏による著書『エンターテインメントという薬 -光を失う少年にゲームクリエイターが届けたもの-』が発売されました。
本書は、2006年に眼球摘出手術を受ける少年による、「『.hack//G.U. Vol.2 君想フ声』の続きを遊びたい」という望みを松山氏が知ったことをきっかけに、発売前のROMを直接届けに行ったという、ノンフィクション作品です。
そんな松山氏が過去に出演したニコニコ生放送から、Vジャンプ編集のサイトーブイ氏、ファミ通編集の世界三大 三代川氏、ニコニコ運営長の中野真氏を交えて、自身の著書『熱狂する現場の作り方』で紹介した「ゲームクリエイター超十則」について語る様子をお届けします。
※本記事は2017年8月に放送された「ゲーム界隈井戸端会議 #1【ゲスト:松山洋】」の内容を一部再構成したものです。
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ゲームクリエイター超十則を紹介
サイトーブイ:
きょうは松山さんのことを知ってもらうために、スライドを作成してきたのでそれを見ながらお話をしていきたいと思います。
松山:
これは2年前くらいに書いた『熱狂する現場の作り方 サイバーコネクトツー流ゲームクリエイター超十則』という本に載っているものです。
サイトーブイ:
ではこれを1から10まで全部読んでもらっていいですか。
松山:
ひとつ、「あいさつこそが『最重要』『最優先』『最第一』」
『最第一』の元ネタは秋田書店の少年チャンピオンでやっていた『悟空道』という山口貴由先生が描かれた連載作品があるのですが、その完全版が出たときに帯に使われていたんです。
(画像はAmazonより)
最第一という言葉は聞かないじゃないですか。あまりにも感銘を受けたので、完全にパクらせていただきました(笑)。
一同:
(笑)
松山:
ふたつ目は「男に、体調不良は無い。休むな。闘え」これは普段から言っていますね。IT業界はどうですか。
中野:
人によりますね。LINEで「お腹痛いので」とか送ってくるやつもいます。
松山:
緊急事態はありますよ、電車に乗っていてお腹が痛くなってとか。そういうのはしょうがない。でも、よくわからないのが「なんでこいついないの?」って聞いたときに「体調不良で……」というのは社内でもよく聞きませんか。
前日に会社の飲み会でベロベロだったから、午前中は無理ですっていうのはわかるんです。だったらそういえばいいのに、体調不良って。ましてや男子がさ、男らしくないなと思います。
世界三大 三代川:
この単語で誤魔化すなと言いたいんですね。
松山:
そう。全部その言葉でふわっとさせたがるじゃん。
中野:
別に39度の熱があるのに出社しろと言っているわけじゃない。
松山:
そう。
サイトーブイ:
“体調不良”っていう言葉が大人の言い回しだから。
松山:
何なら寝坊も言い訳に使ったりするわけじゃないですか。寝坊なら寝坊って言えばいいじゃないって。
サイトーブイ:
それが嫌な人もいますからね。「はぁ? 寝坊?」っていう人に対して体調不良と言っておけば、丸く収まる場合もありますからね。
くだらない愚痴を言うな。便所の落書きが世界を変えることは無い
松山:
3つ目、「くだらない愚痴を言うな。便所の落書きが世界を変えることは無い」。これも過去5年、10年そういった歴史が繰り返されてきたわけじゃないですか。
編集部の人間がインターネットの掲示板に書き込んだことはないですか? 社内で犯人探しがあったことはないですか?なんかしょうもないじゃないですか。言えばいいのに、どうして陰でグチグチ言うの?
正面切って言えないのだろうけれども、それを許していたらだめだと思いますよ。そして、4つ目は、「ネタバレを怖がるな。だったらすぐ観ろ」。
中野:
これは僕はすごく支持できます。
松山:
ありがとうございます。
中野:
たとえば電車の中とかでしゃべっていたら「誰かしらに聞こえちゃうじゃん」って言われたら、どこでもしゃべれない。
(画像はニコニコ生放送より)
松山:
僕が心の底から憎んでいる相手が、『週刊少年ジャンプ』の話をしても『月刊少年ガンガン』の話をしても、「すみません、僕は単行本派なので」って言うんです。単行本は全員死ねって思いました(笑)。
世界三大 三代川:
あの、一応これは言っておくとクリエイター、業界に対してというのが前提としてあって……。
サイトーブイ:
消費者の方は別ですよ。
世界三大 三代川:
そこはちゃんと言っておかないと、本当に炎上するだけになるから(笑)。
一同:
(笑)
世界三大 三代川:
元々の本の中身で言うと映画のネタバレを嫌うという話があったときに、映画とかゲームもそうですが、初動がすごく大事。この一週間にどれくらい観られましたというのが今後のロングランに繋がるし、単行本で言えば、一週間でこれだけ売れましたというのがあれば重版をかけようというのがある。
まずネタバレどうこうではなく発売日に買うということが作品の援助にもなりますよ、という話があった上で、「単行本派はお前ら死ね」と言っているだけで、そんなに悪い人じゃないですよ(笑)。
サイトーブイ:
すごいフォローが入った(笑)。
松山:
映画にしろ何にしても、うちはネタバレ禁止が禁止です。