『.hack』を手がけた松山洋による“ゲームクリエイター超十則”が松岡修造さんの声で脳内再生したくなる内容だった件
開発者は商品にとっての最後の砦
松山:
5つ目は「自分たちが子供たちの夢であることを自覚しろ」。これはもう、ほぼ三つ目と一緒ですね。もうちょっとそこは自覚してクリエイターをやってもらわないといけないよという話ですね。
6つ目、「開発者は商品にとっての最後の砦だ。こだわれ」。実際にそうじゃないですか。雑誌作っていても、結局現場でものを作っている人間が最後の砦じゃないですか。いろいろな条件が積み重なって、ものが出てくるわけですから。
結構いろいろなところで、もう早い段階で詰んでる状態のときってあるじゃないですか。最終的にそれを何とか形にして商品にするのは現場じゃないですか。どんなアホみたいな話だとしても、だいたい事情ってあるじゃないですか。
サイトーブイ:
現場が頑張らないといけないよねっていう話ですね。
世界三大 三代川:
過去に一体何があったんですか(笑)。
松山:
仕事していれば、みんないろいろありますよ。
中野:
でも難しいですよね。こだわりすぎちゃうと、永遠に世の中に出ないですからね。
松山:
両方大事ですね。あとは7つ目、「がむしやらに頑張るな。勝算と戦略を持て」。気をつけないといけないのが、先輩ってとにかく「頑張れ」って言うじゃないですか。どのように!?
一同:
(笑)
松山:
指示された若手も「頑張ります」って返事だけはいいけれど、今、どこに向かっているかわかっているのかと。わからないのに、とにかく頑張りますは疲れるだけだから。それはだめです。教えてあげないと、さっきの体調不良という言葉もそうですが、便利な言葉に流されやすくて、仕事した感じになって「やった」って言うんです。
いやいや、やったかもしれないけれど全然売れていないし、何の結果も出せてない。何も考えずに仕事をするからそうなるよと。
中野:
目標を明確にしろということですよね。目標がないと、頑張れているかどうかわからないですからね。
最後の項目はこれらの十則を信じるな。疑え。
松山:
その上で8つ目の「努力に勝る天才なし」ですよ(笑)。9つ目は「ゲーム開発はコミニュケーション」。
思いの外、みんな「プログラミングができればいい」とか、「絵が上手ければ入社できますか」というイメージがありますが、結局はチーム制作なのでどんな会社でもそうですが、人と話せないと無理ですね。ここは鉄則です。
最後の10個目は「これらの十則を信じるな。疑え。常に改善、忍耐、努力、根性、信念、必勝」。
サイトーブイ:
大どんでん返しですね。
松山:
地味にこれもパクリなのですが、先ほどの山口貴由さんの一作目で『覚悟のススメ』という作品があるのですが、それの単行本の著者近影のところに、先生が見事なハイキックを決めている写真があります。
そこに「忍耐、忍耐、忍耐、忍耐、忍耐、忍耐、忍耐、忍耐、忍耐、忍耐、忍耐、忍耐、必勝」って書いてあったんです。めちゃめちゃカッコイイなと思って、そこから拝借しました。
サイトーブイ:
いろいろアレンジもして(笑)。
松山:
大事なことは、この業界ってそうじゃないですか。変わらないものもあるけれど、うちらの業界って、変わってなんぼじゃないですか。それに柔軟に対応していかないといけない。
うちの現場でもよくあるのですが、「なんでこんなことになっているの」と言うと「それが先週社長がやれって言ったじゃないですか……」と言うんです。確かに言ったよ、先週はね。今週はそうじゃないもん!
一同:
(笑)
サイトーブイ:
今のは決して社員さんが悪いんじゃなくて、松山さんが悪いんですけれど、出来上がるものに対してはこうしたほうがいいよという話ですよね。
中野:
過程の中で状況の変化や気付きがあったという話ですね。
松山:
そう。
世界三大 三代川:
それを踏まえてサイバーコネクトツーさんに入社したいかどうかを一応アンケートで聞いてみますか。
松山:
もうやらないで(笑)! 絶対に来ないから(笑)!
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