話題の記事

理想主義の羽生結弦 VS 現実主義のオーサーコーチ「スケート観の違い」が生んだ“五輪二連覇”の軌跡を解説

 平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子シングルのフリースケーティングが17日に行われ、羽生結弦選手が2大会連続の金メダル、宇野昌磨選手が銀メダルを獲得しました。

 週刊文春記者のスズキさん、タレントの戸島花さんが出演する生放送番
組『文春砲Live』では、上記の話題を取り上げ、「羽生結弦とブライアン・オーサーコーチの愛憎6年を徹底解説」と題した独自スクープを公開。

 実際にオーサーコーチにも取材を行ったフィギュアスケート担当記者のスケ春さんが、羽生選手とオーサーコーチの関係性を徹底解説しました。

※本記事は2018年2月17日に「週刊文春デジタル」によって放送された「【文春砲Live #24】「羽生結弦とブライアンコーチの愛憎6年」を徹底解説!」の内容の一部を再構成したものです。

―関連記事―

週刊文春編集長が“小室哲哉さん不倫報道”の真意を語る「介護現場の理想と現実を考えたり話したりするきっかけになればいいなと思っていた」


羽生結弦とブライアン・オーサーコーチの愛憎6年を徹底解説

左から(パーテーション越し)スケ春さん、スズキさん、戸島花さん。

スズキ:
 フィギュアスケートの取材って、相撲と同じで大変ですよね。

スケ春:
 そうですね。割と狭い世界ですね。今回の羽生選手の取材も、特に羽生選手は近況が取れません。基本的にカナダのトロントで練習しているので、そっちの様子がわからないというのと、日本にいる親族と関係者も非常に口が堅いんですよね。

戸島:
 でもよくテレビとかで、他の方だと優勝したり成績を残したりすると、よく取材で話をしたりしますよね。

スケ春:
 そうですね。喜びの声とかのタイミングだと割と取れるのですが、毎回苦労しています。

スズキ:
 実はマスコミ統制しているというか。記事の話に戻すと、「愛憎劇」となっているけれど、ちょっと誤解されていてそれがネットで炎上したりしているんですよね。

戸島:
 タイトルだけ見るとひどいことではないけれど、水を差すようなことを書いているのかなと思いがちですよね。

スケ春:
 そうですね。この記事を読んでもらうとわかると思うのですが、この二人にはスケート観が違うというか、羽生選手は理想主義者でどんどん難しいことをやっていきたいというタイプなのですが、一方のブライアン・オーサーコーチは現実主義者。結果を出すということに一番重きを置いているので、その二人のぶつかり合いというのが記事の主旨。

スズキ:
 トップアスリートとトップコーチが、いい意味で衝突。衝突と言うと炎上しちゃうのかな(笑)。

スケ春:
 アスリートなので、金メダルを取るところまで衝突も辞さない感じで追求していくところがないと、なかなかああいう結果は出ないですよね。

スズキ:
 実際、見ていてどうですか。

スケ春:
 後半疲れちゃって転んじゃったりしましたけれど、最初綺麗に4回転を跳んで。

スズキ:
 オーサーコーチはジャンプはあまりしなくていいよという感じなんですか。

スケ春:
 オーサーコーチは演技全体で何点取れるかというところを一番重視するタイプで、一方の羽生選手はどんどん難しい技を見せていきたいと。若手が4回転ジャンプを何種類も跳ぶ選手も出てきていたりしていて、そういう若手に負けたくないというそういうタイプなんですよね。

羽生結弦選手。

スズキ:
 じゃ、4回転を跳びたいという羽生選手の思いが優先的に行ったということなんですか。

スケ春:
 羽生選手が確実に跳べるジャンプをオーサーコーチと相談してプログラムに入れたという、これなら跳べるという4回転ジャンプだけを選んだという形です。

戸島:
 記事だと、今回3位でしたが、ハビエル・フェルナンデス選手も同じコーチで、羽生選手とは全然タイプが違うって書いてあって面白いなと思いました。

スケ春:
 フェルナンデス選手はスペインの選手でラテンのノリなんですね。人生楽しまないとというタイプで、安藤美姫さんと一時期交際していたりとかしました。

 ちょっと話がずれちゃいますけれど、練習に寝坊してオーサーコーチが迎えに行くとか、そういう感じの人で、一方で羽生選手は外国で暮らしているというのもあるんですけれど自宅マンションとリンクをひたすら往復する毎日と言うか、ストイックな張り詰めた生活をずっとしているわけですね。

 そういうところでお互いがお互いを見習えばいいじゃんというのがオーサーコーチの考えです。

戸島:
 だいぶ極端な二人ですね(笑)。

幼少期はやんちゃな男の子だった羽生選手

スズキ:
 羽生選手はマスコミ取材がどこに行っても話が取れないというので有名なのですが、どんなタイプなのかっていう疑問があって、たまたま別の取材で仙台を周っていたときに、たまたま入ったスナックのお姉ちゃんが羽生選手の確か中学だと思うんだけど、同級生だった。

 どんな子だったの? っていう話になると、意外と普通の中学生だったと。めちゃくちゃモテたとかでもなくて、あのキャラではなかった。

戸島:
 王子様みたいな?

スズキ:
 そういう感じではなくて、普通の中学生の男の子でちょっと軽い下ネタとかも言うって。それくらい普通の男の子だったと。

スケ春:
 カナダに行ったのが10代で、まだ男の子の時期で前回のソチ五輪でも金メダルを取っていますけれど、そのときはまだオーサーコーチが2シーズン目で、二人の考えが完全に一致していて、オーサーコーチの作った良い点数が取れるプログラムで金メダルを取れたんですけれど。

 そこから羽生選手の自我というか理想主義の部分が強くなってきて、どんどん難しいジャンプを跳ぶんだとか、そういう中でオーサーコーチがブレーキをかけたりとか、そういうことをしていました。

ブライアン・オーサーコーチ。

スケ春:
 一度オーサーコーチにインタビューをしたことがあるんですけれども、そのときはちょうど2014年のソチ五輪が終わって次のシーズンになったときで、羽生選手が練習のときに中国選手とぶつかって頭から血を出して怪我をしてしまうということがありました。

 それも試合にそのまま出て、また3週間後の別の試合も出て、あまり良い結果が出なかった。その直後のインタビューで「あれは出場を止めたほうが良かったんじゃないですか」と言ったら、「僕にはユヅルは止められない」みたいな。

スズキ:
 気が強いというか。

スケ春:
 そうなんですね。

スズキ:
 小さい頃から負けん気の強さがある子だったとか。

スケ春:
 そうみたいですね。同じスケートを習っている年上の子とも喧嘩をしちゃったりとか、やんちゃな子だったみたいですね。

戸島:
 インタビューでしっかりとしたコメントをしているのを見ると、大人っぽいなと思いますけれど、確かに「金メダル取るぞ」とか言っていますね。

スケ春:
 「絶対王者」とか自分ではっきり言うタイプですね。

スズキ:
 応援してくれている国民のみなさんのことを「ファン」と言ったりしていますよね。

スケ春:
 フィギュアスケートは演技を見せる競技でもあるので、そういう意味で「ファン」と呼ぶ意識にもなるのかなと。

スズキ:
 そういう意味では応援してくれている人を大事にしている。

スケ春:
 自分がスターだという自覚はあるんでしょうね。

「スポーツ」の最新記事

新着ニュース一覧

アクセスランキング