北朝鮮の斜め上な進学事情「クイズ番組で優勝すると平壌の名門校に転校できる」
北朝鮮の潜入ライターとして活躍するニポポ氏が、2月21日放送の「北朝鮮スリーパーセル問題から犯罪まで「北朝鮮の車窓から」【ニポポのニコ論壇時評】」にて、北朝鮮出身の父と在日韓国人二世の母を持つライター・安宿緑氏に、北朝鮮の勉学事情について質問。
「クイズ番組で優勝すると平壌の名門校に転校できる」と安氏は語り、北朝鮮の子供たちの意外な進学方法が明らかになりました。
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北朝鮮の“クイズ番組”はガチすぎる?
ニポポ:
スポーツとかだったら「お前ら全員走ってみろ」とか「ちょっとバスケットやってみろ」って試合させてみて「あ、お前上手いから来い」って言えると思うんだけども、パソコンとかコンピュータースキルとかって、どうやって人材を選んでいくんでしょうかね。
安:
それもやっぱり上手い子、頭いい子にやらせてみる。やっぱりすごい子っているじゃないですか。
ニポポ:
いますね。
安:
そういう突出した才能がある子には、もうそれしかやらせないわけなんですよね。
ニポポ:
なるほど。じゃあ、ちょっと数学的才能がある子に、さらにコンピューターを触らせてみたらやるじゃないかと。「じゃあ君こっちだね」みたいな。
安:
そうですね。
ニポポ:
なるほど、そうなんだ。
安:
それに、そういう番組もありますね。各道、北朝鮮でいう「県」で、一番頭いい子を集めてクイズ番組もやったりするんですよね。
ニポポ:
面白そう。
安:
親も見に来てて、舞台で前の方に天才の子たちが座ってて、後ろに親の椅子があって、親が後ろから見てる、みたいな。
ニポポ:
後ろからなんだ。我々の感覚だと、子供らがステージにいて客席に親御さんがいたりするけれども、そうじゃないんだ。後ろでグッと見守ってるんだ(笑)。
安:
親がステージの後ろから子供を見守ってて(笑)。その頭いい子たちがノートパソコンを片手に出場して。出題者も何とか博士とか、何とか大学の教授とか結構権威のある人で。
ニポポ:
かなりガチ勢じゃないですか。
安:
ガチ勢なんですよ。出題も、日本にはテレビでクイズ番組とかあるけど、それは番組用に作られてるから一般人でも解ける。
ニポポ:
賢い子なら「あれだ!」みたいな。
安:
引きが強いっていうか、一般人でもわかるような質問で台本を書かれるはずなんですが、北朝鮮にはその辺の忖度という感覚がないので、教授がガチな質問をするんですよ。
ニポポ:
誰も答えられない、みたいな。
安:
ガチの学術的質問をして、視聴者はたぶん1人もわかんないだろうなっていう出題をするんですよ(笑)。メガネをかけた重鎮や、どこかの大学教授みたいな。その学会では、たぶんトップのおじいちゃんみたいな人が出てきて。
ニポポ:
それに対して「ピンポーン」って早押しする、みたいな?
安:
そうそう。
ニポポ:
で、子供が答えちゃう?
安:
そうなんですよ。検索タイムっていうのがあるんですよ。
ニポポ:
ちょっと待って、ネットつながってるんだね、そこはね。
安:
いや、ネットはつながってないと思いますよ。
ニポポ:
ネットはつながってないけどパソコンの中に入っているもので検索するのか。
安:
そう。パソコンの中に入っている、計算ソフトか何かで計算するわけです。それで一番早く計算終わった子が「はーい!」って言って。で、教授が「正解!」って言って「えっ、正解なの?」みたいな。視聴者からしたら全然意味わかんないんだけどっていう。
ニポポ:
これ、日本に逆輸入したいね。
安:
全然盛り上がんないんですよ。何言ってるか全然わかんないんだもん。
ニポポ:
専門的すぎて。でも、そんなに優秀な子がいるってことだよね。
安:
司会者もすごい下手で、面白いことをひとつも言わないんですよね。「はい、何とか君せいかーい」みたいな、それしか言わない。
ニポポ:
バラエティの作りではない。マジでクイズなんだね。
安:
平壌は一応エリート校っていうのが意図的に作られているんで。平壌からは代表が2名いるんですよ。
ニポポ:
なるほど、道代表は1人なのにもかかわらず。