『DEVILMAN crybaby』アフレコ現場に永井豪降臨。「永井先生の声が入っているんです」不動明役・内山昂輝ら主演声優が収録を振り返る
マンガ史に残る不朽の名作『デビルマン』を湯浅政明監督がアニメ化した『DEVILMAN crybaby』。同作のCOMPLETE BOXの発売を記念して、不動明役の内山昂輝さん、飛鳥了役の村瀬歩さん、牧村美樹役の潘めぐみさん、長崎役の津田健次郎さん、MCを務める天津 向さんがニコ生特番に出演しました。
番組では、それぞれの出演者が永井豪先生の『デビルマン』を見た時の感想やキャラクターの役作り、『DEVILMAN crybaby』のお気に入りのシーンなどを語りました。
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『DEVILMAN crybaby』の反響は?
天津 向:
配信から4ヶ月経ったんですが、改めて反響をみなさんにお聞きしていきたいと思います。
内山:
本当に新たな試みだったな、と。お正月に配信されて、全部一気に見られるということでどういう風に反響がくるか予想がつかなくて……。毎週放送されるアニメみたいにみんなじっくり見るのかなと思ったんですけど、数日中に友達から熱い感想の長文メールやLINEが来たりしました。みんな一気に見てくれているのが驚きでしたね。
天津 向:
そうですね。もう止められないんですよね。ラジオで伊集院光さんも「1話だけ見ようと思ったら全話見てしまった」と。
内山:
そういうのが嬉しかったですね。
天津 向:
村瀬さんはどうですか?
村瀬:
業界内でも普段あまりお話しない先輩から「見たよ」と、そういう話の取っ掛かりにしていただけてよかったなと思いました。
僕が1番衝撃だったのが、うちの妹が「見たよ」と言ってくれたこと。内容が結構セクシャルなものやバイオレンスなものを扱っているから、妹が食い気味で聞いてくるとこっちが引いちゃうみたいな(笑)。
一同:
(笑)
潘:
Netflixという環境なので、どこでも見られるじゃないですか? だけど、「電車で見たらちょっと仕事を行くのをやめようかな」とか「続きを早く家に帰って見たい」という人が多かったようです。
天津 向:
たしかに。今は移動中に見るのが当たり前ですけど……。
内山:
家でじっくり見るのが向いているのかな?
津田:
関係者から「本当にすごいね、あれ」と言われましたね。
天津 向:
同業の方々も出たい作品ですよね。
津田:
その時「僕は3話までしか出てないですけど」、と(笑)。
一同:
(笑)
天津 向:
しっかり前半のインパクトが(笑)。
内山:
インパクトはもう1番強かったです。長崎さんは現場人気も1番でした。
村瀬:
いなくなってからもしばらく話題になっていました。
天津 向:
長崎ロスがあったんですか(笑)?
村瀬:
ありました。こんな早く死んでいい人間じゃないって。
天津 向:
最後まで見たいですよね。長崎さんは人間らしい部分がはっきりしているキャラクターなんで……。
津田:
ゲスを全部背負っている感じ(笑)。
一同:
(笑)
出演者が語る『デビルマン』の感想――トラウマ的衝撃だった!?
天津 向:
永井豪先生は当然原作者でございます。なんと画業50周年。50周年の方が今こうやってしっかり話題になる作品に携わっているというだけですごいなと思うんですけど、『デビルマン』『キューティーハニー』『マジンガーZ』を生み出した日本を代表する漫画家の一人でございまして……。
ご出身の石川県輪島市に永井豪記念館もございますけども、永井豪先生の作品とは何きっかけでとかってありますか?
内山:
今回出演が決まって『デビルマン』を全部読ませていただきました。本当に衝撃的な内容というか……。今読んでも色あせない魅力があって、本当に仕事を忘れて純粋に一読者として楽しみました。
天津 向:
津田さんの世代で言うとやっぱり永井先生……。
津田:
そうですね。アニメの『デビルマン』あたりですね。またこうやって最先端のをやらせていただくのはすごく嬉しいですよね。
天津 向:
女性の目線ではどうですか?
潘:
実は私3歳くらいの時にいとこの家に行って漫画を見たことあるんですよ。
天津 向:
3歳の時に『デビルマン』って、トラウマすぎませんか?
潘:
だけど、何が起こっているか分からなかったんですよ。怖いことしか分からなくって……中学生の時に実写版の『デビルマン』に出会いました。動機が不純なんですけど、中学の時にアイドルが好きで主演の二人がアイドルのFLAMEというグループの双子の兄弟がが飛鳥と明を演じていて、見に行って中学の時にトラウマ的衝撃でした。
出演者が語る、それぞれのキャラクター像
天津 向:
不動明はひ弱で泣き虫な少年だったが幼馴染の了に連れて行かれたサバトでデーモンと合体し、強大な力を得つつも人間の心を失わないデビルマンになります。1話からの差がすごかったですよ。かわいい部分からデーモンになった、これの役作りはどうでした?
内山:
あんなにかわいい状態から始まるっていうのを収録が近づくまで全く知らなかったので騙されました(笑)。セリフ練習用の台本とビデオを渡されて知りました。「これ誰?」って、最初思ったんですよ。
天津 向:
俺の知っている不動明じゃないぞ、と?
内山:
でも、もうやるしかないと思って。アニメ『ピンポン THE ANIMATION』の時にお世話になったスタッフの方々だったので、僕の限界も分かっていらっしゃるだろうなと。
天津 向:
限界どころか、「どれだけかわいいんだよ!」と思いました。牧村美樹は明が居候している牧村家の娘で明の同級生で明朗快活な性格で人気者、陸上部のエース、そしてインフルエンサーと、隙がないと言いますか……。
潘:
隙を作らない、というのをあえてやっているわけではなくて、生まれてきた環境でできちゃう子だから、どうしたら嫌味なくできるかなと初めは考えていましたね。こういう子って嫌味が生まれてしまいそうじゃないですか?
津田:
純粋性が高い。逆にそれがドキドキしちゃった。後半になってこの世界をあんな純粋な子が生き抜いていけるのかと。
潘:
物語通して1番変わらなかったと思います。
天津 向:
飛鳥了は明の幼馴染で親友、海外を飛び回り教授をしている、そして心優しい明とは対照的で目的のためなら手段を選ばず必要とあれば人間も排除する冷徹さを持つということでございます。
了はトーンが変わる部分がないと言いますか、あるんですけどやっぱり自然と目的に向かって行く部分があるじゃないですか。どういう感じで演じられたんでしょうか?
村瀬:
原作を読ませていただいたんですけど、刻々と彼自身も変わっていて、最初は理路整然としているんだけど後々何かよく分からないものに突き動かされているという。
彼自身も気づいてない意識の奥底の部分をどういうふうに解釈しようかなとすごく悩んで、感じたままもそうだし、あとは現場で調整していただいてやらせてもらいました。さじ加減がすごく難しいなと演じていて思いましたね。
天津 向:
そういう奥底のものが端々にね。英語はどうでした?
村瀬:
英語はもうやるもんじゃないなと思いました(笑)。
津田:
日本語のセリフとやっぱり全然違うの?
村瀬:
日本人が吹き替えをするから、ちゃんと日本人がやる意味を持たせたいなとすごく思って……。例えば言葉の置き方とかセリフの芝居の付け方をちゃんとしたいなと思ってやろうとすると、自分の中ですごく違和感がありました。
「気持ち悪い、難しい、でも上手くやりたい」みたいなごちゃごちゃになって、普段のアフレコの3倍くらい疲れますね。特技を英会話って書いちゃいけないなと思いました(笑)。
天津 向:
それは良いことじゃないですか。英語はスッと喋れるわけですもんね?
村瀬:
一応。ただ学術的な用語をよく使っていたので、自分が知らないことを知っている体で話さないといけないから、そういう難しさあるなと改めて思いました。チャレンジなキャラクターでしたね。
潘:
ロシア語もあったよね?
村瀬:
ロシア語は喋ってないんだけど、一緒に会話している人もちゃんとロシア語をできる人がやられていて、すごく細かくキャスティングされていました。10話には世界各国の軍隊が出てくるんですけど、それもちゃんとオーストラリア訛りの方とアメリカ訛りの方というふうに分けられていて、細かいキャスティングがされていましたね。
天津 向:
細かいところもこだわりを持ってやっているというわけですけども……最後は長崎さん。
津田:
美樹の次に変わらなかった男だと思います。
一同:
(笑)
天津 向:
フリーの編集者でグラビア撮影をしたがる、そしてパンツを嗅ぐという(笑)。
潘:
でも、パンツを嗅いでいたのは長崎さんじゃなくて中に入っているデーモンだから。嗅ぐ芝居をしていたのは津田さんですよね?
津田:
芝居をしたのは僕ですよ。
天津 向:
嗅ぐ芝居ってどういうことですか? 台本で「長崎 パンツを嗅ぐ」ってあるんですか?
潘:
ありましたよね。
津田:
たしかあったと思いますよ。
天津 向:
これはリテイクとか出るんですか?
津田:
いや、たぶん一発OKでした。
一同:
(笑)