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一瞬でオタク女子の心を虜にする『HiGH&LOW』の魅力とは? オタク女子たちの熱すぎる2時間トーク

『HiGH&LOW』のここがヤバイ!ここが好き!

両角:
 最後は『HiGH&LOW』のここがヤバイという話。まずは好きなチームやキャラ、台詞やシーンについて話していきたいな、と。

金田:
 やっぱね、HiGH&LOWを見ると、このチームが好きだみたいなのが出てくるんですよね。私は李のいる「張城」。李は琥珀さんを説得して、かつての仲間を裏切らせる役なんだけど、あのエージェント的に動きまわって何か国語も話せるイケメンっていうキャラがいいんですよ。とはいえ、私の周りだと鬼邪高校推しの人が多いですね。

両角ひらりさ、西森:
 「ここ三人とも鬼邪高校推しですよ」

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金田:
 あと応援上映だと、雨宮兄弟の登坂さんへの応援がものすごく多かった。

西森:
 そういえば、次の映画は雨宮兄弟がメインですよね。

金田:
 そう。斎藤工さんが一番強い長男として出てきます。

「あのセリフは何だったのか」感がすごい

ひらりさ:
 雨宮兄弟といえば、彼らってずっと長男を探していて、スモーキーにも聞いたりしてましたけど、あれ結局自分達でみつけましたよね(笑)。

金田:
 あれは、描写がないからよくわからないんですが、スモーキーも大した情報を持ってなかった感じしますね。

ひらりさ:
 なんかその辺のシーンの関連のなさみたいなのがこの映画ってすごいんですよ(笑)。

金田:
 全体のシナリオの関連のなさは本当にすごいです。

両角:
 でも、何となくそれらしいシーンを見せてもらうことで「あそっか」とも思える。

金田:
 別に困りはしないんだけれども、後で考えると「あのセリフ何だったの?」っていうのがすごいんですよ。

両角:
 でも、画で納得させられたような気になるんですよね(笑)。

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金田:
 「普通はこの流れだとこうなるな」っていう時の心の中のアフレコとは全然違うセリフが出てくるからびっくりするわけですよ。例えば、MIGHTY WARRIORSの劉がやってきて、「ひとつの終焉を見せてあげますよ」と言って、RUDE BOYSとひとしきり戦いますよね。で、それを傍観していた九十九さんに「これがお前の見せたかったものか」ってちょっとバカにしたように言われた時に彼は「いや、これからです」ってかっこよく返すわけですよ。それで何をしだすのかと思ったら、前もって空の瓶をたくさん準備していて、それを投げつけて割る。スローモーションとかで。ここで「ん?」って思うわけ。確かに敵であるRUDE BOYSはパルクールで戦うから、地面に手をつけなくなるのは大きなハンデかもしれない。でも乱闘で自分らもそこに倒れたりする(笑)。

 こっちは「え? ひとつの終焉!?」って驚くんだけれども、そんな大仰なセリフを言った後に何をしだすのかと思ったら、空の瓶を持ってきて、みんなでそれを割ったりするの。ここで「ん?」って思うわけ。確かに敵であるルードボーイズはパルクールで戦うから、地面に手をつけなくなるのは大きなハンデ。でもその後の乱闘で自分らがそこに倒れてるんですよ(笑)。

両角:
 あーはいはいはい(笑)。自分たちにも刺さっちゃうんですよね、ガラス。

金田:
 そう。「え、味方も刺さってるんだけど? これがひとつの終焉?」みたいな。もうすっごい不思議。こういうのがずっと続くの、この映画。

両角:
 一個一個はすっごく理論が立ってるように見えるんだけど、観終わって一時間ぐらいすると「あれ、そういえばあのシーン何だったんだろ」っていうのが山ほどある。でもそこが面白いんですよね。

金田:
 こういうアクションが取りたかったんだろうな、こういうセリフを言わせたかったんだろうなっていうのがすごい伝わってくるんですよ。そう考えると私が言ってる事はまぁ野暮かなとも思うんですけどね。ただ、もう少し脚本に補佐をつければ、普通にクリアできたよなって思ってる(笑)。

西森:
 でもさ、完璧に出来てたらこんなに盛り上がってなかったかもしれない。

金田:
 あ、そうだわ(笑)。

両角:
 鑑賞後に「あそこってどういうことだったの」って語りたくなるっていうのは、やっぱりこの脚本だからっていうのがありますよね。

金田:
 そうだね。この謎があるからこそ面白いっていうのはあるよね。

西森:
 作ってる側もめっちゃ計算して、すべて手の平で転がしているんだと思わせつつも、実は穴がいっぱいあって、その穴に私たちが引き寄せられているみたいな感じ。

一同:
 そうそうそうそう(笑)。

あのキャラが好き、なぜなら◯◯だから

運営:
 ユーザーからの質問です。「みなさんの好きな推しキャラを教えて下さい。ちなみに私は唯一の眼鏡男子の轟洋介です。」

金田:
 お、いいとこみてますね~。

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両角:
 轟くんが好きな人!

両角、ひらりさ:
 はーい!

ひらりさ:
 私は村山イチ推しの轟二推しですね。

西森:
 一押しは村山。演劇見てから山田くんが好きになって。

両角:
 こういう世界で眼鏡キャラを出すっていうのはすごい難しいですよね。

西森:
 確かに。だって割れちゃうもん(笑)。

ひらりさ:
 しかも弱そうな眼鏡キャラじゃなくて、マジで強そうな眼鏡キャラ。デコピンをし合うところがいいんですよ。まず村山が轟にデコピンをして、その後で轟が村山にデコピンをするっていうシーン。

両角:
 そうそうそう。あそこがすごく良かったですよね!

え、あれってアドリブだったの?

ひらりさ:
 そういえば、あれはアドリブだって聞いたんですけども。

両角:
 え、あれアドリブなんですか?!

金田:
 なんかさ、いろんな重要なシーンがアドリブだというツイートがよく流れてくるんだけど、それってどう考えても脚本に書いてなかったらおかしくないか? っていう。メインのセリフがだいたいアドリブなんて「え、普段どういう撮影の仕方してるの、何十時間も回してるの?」って思うわけですよ。

西森:
 「MUGENは仲間を見捨てない」っていうのもアドリブだって聞くもんね。最近の若手俳優界隈を観ていると、どれだけ役を自分のものにしているのかっていうのがすごい重要だから、そういうセリフが勝手に出てくるというのも、なんかすごく尊いっていう気もする。

両角:
 エチュードみたいな感じでやってた部分があるんですかね。

金田:
 全体的にそうなんですかね。だから「ひとつの終焉」って言っちゃったのかなぁ。

西森:
 そういうわけの分からない言葉って一番印象に残っちゃうよね。

金田:
 そうそう。「え、今その言葉何?」っていうのはすごく印象に残る。

あのシーンがグッとくる!かわいい!

両角:
 好きなキャラやチームではなく、好きなシーンといえばどんなのがありますか?

一同:
 うーん……。

両角:
 好きというか、すごくインパクトが強かったのが、達磨一家の日向君が車のボンネットの上に乗ってそのまま走るっていうシーン。これ、オタクなら分かるんだけど、これ『少女革命ウテナ』(1997年)っていうアニメに出てきた「暁生乗り」っていう走行方法。この乗り方で敵地に向かうんだけど、HIROさんがあれを理解していたとは思えないんですよ。

金田:
 『少女革命ウテナ』を知った上であそこに置いたなら、もうそれ頭おかしいですよ(笑)。

ひらりさ:
 つまり「強い男はボンネットにこうやって乗る」っていうのが自然と出てくるという。

両角:
 それが素で出てきて、本人たちはかっこいいと思ってるんですよね。

西森:
 「面白いドヤ」ではなくて「カッコイイだろドヤ」なんですよね。

両角:
 あと、女を苦しませる奴は許さないっていう理念のWhite Rascalsのトップの人達が、SWORD地区で戦ってる時に他のチームの人がやられてるのを助けるシーン。その時「女しか助けねえんじゃなかったのか?」と言われて「うっせえ」って答えるっていうやりとり、これかなりかわいいなって思いました。

ひらりさ:
 そういえば金田さんの推しの李が二階堂さんに「お前何者なんだ」って言われた時「いい男っていうこと以外に何かあります?」って北京語で答えて、そのあと北京語で返されて、で、最後に韓国語に戻るっていうところ、いいですよね。

金田:
 あれは良かったですね。たぶん殺し屋的なのを雇っていたんだけども、その殺し屋は二階堂さんに一撃でやられていたっていうシーンね。

 あと、嬉しかったのはスモーキー役の窪田正孝くんが、卑劣な劉に背中を切られてケガをするんですよね、で、その手術をしているシーン。こうやってしがみついて「ウーッ」って呻いてるわけですよね。で、カメラが上がってって「何だ手術ですか、誤解しちゃいました(笑)」的になるかと思いきや、よく見るとカット割ってるんですよ! 呻いている画と手術の画は別なんですよね。だからその……すごく“ 使える ”わけなんですよね。

一同:
 「使える」って(笑)。

金田:
 これはもう私への優しさしか感じない、うん。

西森:
 私はそういうのあんまり分からないほうなんだけど、九十九と琥珀さんが入院している時に、寝ている状態で視線が合うシーンがすごくいいと思いました。昔観た香港映画にそういうシーンあったなぁなんて思い出したりして。

ここで突然「SWORD地区」埼玉説浮上!

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ひらりさ:
 埼玉のヤンキー高校に通ってた友達がいるんですけど、そこの運動会って悪い人たちが強い奴をスカウトするスポットになってて。

金田:
 え、そんな学校あるの?!

ひらりさ:
 ええ。そこで意気ってる奴をスカウトするわけなんですけど、ムカデレースっていうのがあったらしいんですよね、あのみんなでくっついて走るやつ。そのレースで一番強い奴が極悪だと認定されて……。

一同:
 ええええ!!ムカデレースで!?

両角:
 あ、一番前の奴には統率力があるっていうことなのかな。

ひらりさ:
 で、ムカデレースがあるとスカウト合戦が激しくなるので、ムカデレースだけ禁止になったそうなんですよね。

一同:
 (爆笑)

両角:
 今回の劇場版の脚本協力に『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(2012年)の入江悠監督が入ってるんですけど。だから埼玉のアウトロー感が入ってるのかもしれない(笑)。

ひらりさ:
 SWORD地区、埼玉説(笑)。

金田:
 かもしれない、湾岸ないけど。

西森:
 いや、あんなに湾岸湾岸って言うってことは、きっと湾岸への憧れがあるんだ(笑)。湾岸がある県の人は湾岸にこだわらないですよ。

金田:
 そうか、いつもバイクで移動してるから湾岸が遠くても大丈夫なんだ。

オラオラ系のオラオラ具合を検証

運営:
 ユーザーからの質問です。「みなさんの話を聞いて『HiGH&LOW』に興味が出てきたのですが、EXILEのようなオラオラ系の男性がどうしてもダメで、拒否感と戦っています。こんな私が観ても大丈夫なのでしょうか?」

金田:
 はい、オラオラしてません。むしろネコです!

両角:
 私も筋肉系でオラオラしてる感じの人が苦手なんだけど、全然問題なく観られましたよ。

http://high-low.jp/index.php
「HiGH&LOW公式サイト」より引用

金田:
 私、精神性がオラオラしてる人が嫌いで、そういう人がオラオラしながら競い合ってるのってホントにイヤなんですけど、だから最初に『HiGH&LOW』のポスター見た時も、すごいいっぱい三次元の人がいるし、イヤな映画としか思えなかったんだけど、結局違った。この子たちはみんな子猫ちゃん。

西森:
 そう、琥珀さんなんてもう姫ですよ。みんなに助けられて。

両角:
 オラオラしている精神性はあまり感じないですね。どちらかというとブロマンス的な楽しみ方というか、女の人が好きな男同士の絆みたいなものを、本人たちが天然でやってしまっているのを楽しむ感じで。

金田:
 本当にそう。『テニスの王子様』とかね、そういう少年漫画の少年たちって感じだよ。
あ、そうだ私けっこう九十九さん好きだ。

両角:
 九十九さん、いつもアンニュイな感じですよね。

金田:
 琥珀さんが姫で、誰が琥珀さんを落とすかのゲームではあるんだけれども、最終的に落とす九十九さんも姫なのよ。つまり、あれは百合よ、百合。

女性像については言いたいこと大いにあり!

金田:
 ただひとつ、そういうオラオラしてるのがイヤだという人が気になりそうなところがあります。それは『HiGH&LOW』における女性像。これ最悪です(きっぱり)。もしHIROさんがこれどっかで聞いたら考え直してほしいと思ってます。こういう映画だからいいじゃん、そんなこと言うの野暮よっていう見方もあるんだけど、「苺美瑠狂」っていうレディース、彼女達は恋愛の話ばっかりしてる。

西森:
 でもあれ、よく考えるとファンなんですよ。恋愛じゃなくて。

両角:
 付き合いたいとかじゃなくてただ「きゃーかっこいい!」の感覚なんですよね。

金田:
 「私たちはケンカに参加せず、おにぎり作って待っていよう」って、本当に彼女達が次元の違う世界として見ていると考えればまぁ許せる、という見方もあるだろうけど、私はそこまで優しい見方ができないんですよね。あの世界全体にある女性蔑視というのはすごいと思う。

両角:
 まぁ「女は守るもの」みたいな。

金田:
 そう。確かにこの映画の世界では拳こそパワーだし脳みそまったく使ってないから、もしそういう仕事しかないんだとしたら、実際は女性のほうが弱いんだろうけれどもね。MIGHTY WARRIORSには闘う女性もいるんだけど、この人は外から来た位置づけの人です。あと、キョンキョンとYOUさん演じる小竹と寿子についても私は納得してません。

 この映画の世界観ってものすごい小学生男子的。自分たちはワーワーやっていて、それを何も深く考えずに、「かっこいいね」と応援していくれる女性と、待っててくれる母親がいる。居心地いいだろうし、観客も楽しいけど、幼児的であることは否定できないですよね。これを改善するとしたら、たとえば、苺美瑠狂がケンカに加わるかどうか話している時に、「ケンカで解決とかばっかじゃないの?あたしたちはそんなのやらない」っていう別のスタンスに立ってくれたらよかったかもしれない。

 実はドラマ版でも愕然としました。ノボルの彼女がレイプされてしまい、彼がその犯人を暴行傷害したことで刑務所行きになるという、この世界に法律あったんかいというエピソードがあるんですが、その彼女が、辛すぎてノボルともう話ができないというところまでは分かるんだけど「ごめんなさい」って謝って去っていくんですよ。「はぁ? なんで彼女が謝って去るの?」って思いましたね。

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一同:
 あ~、なるほど。

金田:
 そのエピソードが今後ケアされていくのであれば考え直しますけど、たぶんこのままもう出てこないですよね。だとしたら最悪じゃんこの街って。

 そもそも山王商店街の人達のコメディパートで、EXILE一族ではない、顔がイケてない人達が、寸劇の中ですごいバカにされてるのね。小学校の時にやったことでバカにされてるの。その辺が気になっちゃうと、もう「何楽しそうにワーワーやってんだよ」ってなっちゃうかもしれません。でも私の周りの相当なフェミニストの人達も、これはこれとして割り切って楽しんでる方が多いんですよね、他の部分がよくできてるんだと思います。

 ただ、あの女性観を私たちが受け入れているかのように思われては困るので、機会があればあれは好きじゃないと言っていくのは必要だと思います。

ひらりさ:
 まぁ、そういう種類のオラオラと、暴力が本当にダメだという人は、まずトレーラーを観て判断してもらえればいいかと。

両角:
 そう、トレーラー20個あるんですけど、気づいたら20個全部見ていたらそのままチケット予約してるかもしれないという(笑)。で、ちなみに最近また新宿とかそのあたりの映画館も期間延長してるんですよね。他の都市でもまだ観られるところがあるかもしれないので、まだ観てない人は是非。

金田:
 10月8日から次回作が始まっちゃうんで、その前にこの劇場版第一弾だけでも見て「あれ、何の話だったっけ、でも爽快だったぁ~!」っていうの実感してほしいですね。

両角:
 本当に観終わるとストレスが発散された感じがするんですよね。

ひらりさ:
 「俺もこぶしで戦ってかないと」っていう気分になりましたよ(笑)。

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